27話
茜は落ち着いた口調で話し始めた。
「私は世間で言う、陰陽師、結界師などと呼ばれる家の生まれでした。その当主のことして生まれました。しかし、残念なことに私は女だったのですーーー」
小さい頃の話でした。
「後継が女などと…そんなことはありえないぞ!」
大きな居間に声が響き渡る。
「じゃが、あの子以外に後継はおらんじゃろうて」
「なに!?俺の息子じゃ力不足かババア!」
「お、落ち着いて下さい!」
お祖母様が何か言って、叔父様が怒鳴っていました。
そこからだと何を言っているのか聞こえませんでした。なのでもっと近くに行ってみました。
「何故、お主はあの子が…茜が女だというだけで反対しておる?」
「ハッ!女なんぞ戦闘の役に立たない足手まといにしかならねえだろうが!家で大人しく待ってりゃいいんだよ!」
叔父様とお祖母様の声が聞こえました。どうやら私が女だったせいで喧嘩になってるみたいでした。
「おじさまおばさま。わたしがつよかったらいいの?」
「な、なんで茜がここにいる!世話係は何をやっていた!」
「茜。聞こえておったのか」
「えと、はい。すいませんでした。でもおばさま!おじさま!わたしがよわいせいで、ケンカになってるんでしょ?だったらわたし!つよくなる!」
ーーーというわけで、今も強くなるために怪…あの化け物のことです、と日々戦っていたのですが、あの日急いで行ったら怪の妖気が消えていて、何事かと思ったらあなたがいたんです」
「へー」
「…『へー』で終わらせて欲しくないのですが」
「いや、だってうんまああれだよ」
何も浮かばないぞ。お疲れ様でしたくらいしか浮かばない。
「うん。お前頑張ってるんだな。素直にすげえって思ったよ」
「っ!!そ、そうですか。えと、ありがとうございます…」
何故礼を言うんだ?
「別に礼を言われるようなことはしてないだろう」
「その、私の行動を褒めてくれるのはごく稀なので…。嬉しかったというか」
「はあ?家族が仲違いしないように考えて、小さい頃から努力してるんだ。充分すごいだろ」
僕が思った通りのことを言うと茜は驚いたような表情を浮かべて、とても嬉しそうな顔をした。その笑顔がとても眩しくて、異世界でいろんなことをやってしまった僕とは正反対のような…尊く、絶対に守らなきゃいけない気がした。
「ありがとうこざいます」
そう言ったのちスッキリしたような表情して、くるりと向きを変えて軽い足取りで出て行った。…….ん?
「いやおい待てバカ!」
ガラガラガラ!
僕の声は一瞬遅く扉が開いてしまった。
「「(ビクッ!)」」
開けた扉の前に人がいたせいで驚く茜と一人の生徒。僕は無言で隠密系のスキルを発動させ、静かに立ち去る。
「見つけたああああぁぁぁぁ!!!!」
「しまっ!あれ!?タツキ!タツキは!?」
部屋の隅で見ていたが数暴力の前に泣きながら茜は逃げ惑って行った。




