26話
「さて、ここでいいか」
「あの、本当にここでいいんですか?」
「問題ない。とりあえずこの中とここの周りに今は生徒がいないからな」
「でもここ体育倉庫の中ですよ?」
そう。僕たちは今体育倉庫の中にいる。そのうち誰か来そうだが、今いなければ問題ない。
「茜、あの時張っていた人避けの結界というのをやってくれないか」
「いいですけど、そこまで万能のものじゃないですよ」
そういって何かを唱えだす。
僕はそれを解析していく。
【思考速度上昇】【加速】【超解析】………
僕は思考系解析系のスキルを多用して結界を分析する。ふむ、使っているのは魔力に似ているが少し違うな。これは…氣とも呼ぼうか。氣を使い術式も似ているが少し違うな。これは何のために?なるほど…だとしたら…………
解析完了。
術式は大体理解できた。魔法と似てたおかげであまり時間をかけずにできた。思考速度を伸ばした中で大体二、三日くらいか。
そして術式が理解できたことで魔力での代用ができるようになった。僕はまだ氣の使い方がいまいちわからないので、魔力で作ったものを茜のに重ねがけしていく。
「なっ!?」
よし、これで一安心だ。スキル解除。
………
「ふはー!」
息を吐き出す。疲れたー、いやーでもまた一つ強くなれたね。この世界でも学べることがあったなんてな。びっくりだよ。
「な、何を…したんですか…?」
「ん?ああ、それも今から説明するよ」
「あれ?なんだか雰囲気が変わったような?」
きっと【明鏡止水】のことだろう。精神系のスキルを使うと少しだけ性格が変わるからね。
「さて、何から説明しようかな。…信じられないだろうけど、ぼくはーーーーー」
長い時間をかけて全て、いや大体のことを話した。細かいことは端折った。
「ーーーで、茜の術式が理解できたから魔力で応用して結界を重ねがけしたわけ」
「な、なるほど」
「なんか質問ある?」
「…タツキさんは異世界ではどれくらいの強さだったんですか?」
「結構強い方かな」
即答。実際神である邪神を倒したんだから強い方だろう。
「ま、数は力だぜ!って言うからな。何人も束になってこられたんじゃ困る」
「…無理とは言わないんですね」
「ん?ごめん聞こえなかった」
「聞こえないようにいったんです」
「えぇぇ」
悪口か?悪口なのか!?何故だ悪いことしたか?…したな。わりと。
「…………」
「…………」
無言になってしまう。気まずくなって辺りを見渡す。あれ…?今更だけどここ体育倉庫?…なんでエロゲ?
いや、自分で連れて来たのはわかってるんだけど何してんの僕?もしかしてだけど僕変態って思われてる?
いきなり体育倉庫の中に連れてこられたと思ったら自分が勇者だとか言うやばい奴って思われてる!?
「あの…」
「ひゃい!?」
びっくりして思わず変な声を上げてしまう。
「大丈夫ですか?」
「お、おおう」
落ち着け、落ち着け。
「次は私の番ですね」
「あ、ああちょっといいか」
「なんですか?」
「僕たちってもう浅い関係じゃないだろ?だから僕のことタツキって呼び捨てにしていいぞ。僕もそうしちゃってるし」
「わかりました。そうします」
こういうのは早いうちに決めておかないとあとあと気まずくなるからな。
「では、まず私の生まれから話します。ーーーー」




