22話
「さてと、次は父さんだな」
「お、おう」
「…なんで身構えてんの?」
見ると父さんが何か覚悟した様子で構えていた。
「だって…なあ」
「「うん」」
理由はなんとなくわかるけどさあ。
「じゃあ行ってみよう!」
無理やりテンションを上げ、空気を変える。
「父さんにはベルトね」
「ほお、これはシンプルでいいじゃないか。普通で安心したぞ!」
むっ、甘いぜ父よ。
「これは呪われし神獣の皮を使って、留め具にはやはりオリハルコンなどの希少鉱石を使った合金です」
「……」
「そしてこれには、【身体能力強化】、【天駆】、【回復速度上昇】がついてる。天駆には、空中で二段ジャンプができるようになるよ。それ以外は言葉どおりだね」
「…………」
ドヤっ。
「うおらあ!」
「うお!?なに!?」
急に父さんが殴りかかってきた。
「おお、本当に体が軽いぞ!」
「危ないな!」
「スマンスマン」
このクソ親父!
「まあ、当たらないんだし。当たってもダメージないんでしょ?」
「……まぁ」
でも父親としてそれはどうなの?
「じゃあ最後に鈴音な」
「ゴクリ…」
鈴音は覚悟を決めたように喉を鳴らす。
「お前は学校生活であまり目立たないようにしようと思ってな」
そう言って取り出したのは1つの髪留め。
「とりあえず学校ではこれをつけてもらおうと思う」
「とりあえず?」
「流石に髪留め程度じゃエンチャントできるのが限られるからな」
そう言って更にアイテムボックスから取り出したのは
「ネックレス?ヘアピンだけじゃなくて?」
「そうだ。さっきも言ったけど、ヘアピンだけだと付与出来るのが限られてしまうからな。優劣があるのは不公平だろ?だから、休日とか出かける時とかはこのネックレスをつけておいてほしい」
「…わかった。ありがとうお兄ちゃん」
「なあ、どうでもいいけどたまに僕のことをお兄ちゃんって呼ぶね」
「べ、別にいいじゃん!」
「まあそうだけど。で、効果だけどヘアピンの方は身体能力強化くらいだね。で、ネックレスの方は思考速度上昇、身体能力強化、雷魔法だね。母さんに渡したブレスレットと同じで、魔石の光沢が少なくなると使えなくなるから」
「わかった」
「あと、念のため言っとくけどむやみに使うなよ。母さんと父さんもだけど」
「わかってるよ。説明できないしね」
うむ、物分りが良くてよろしい。
「下手したら解剖されるぞ」
「父さん怖いこと言うなよ」
その可能性は考えたけど。まあ、バレたとしても記憶をいじったり、最悪…殺せばいい。って、やばいな。考え方が異世界のままだ。簡単に人は殺しちゃダメだろ。
「それと、全部のアクセサリに付けてるんだけど、【即死無効】と【超速回復】つけてるから。大怪我とかを負った時に自動で発動する。一回だけだし、使ったら壊れちゃうから」
「…やべえな」
「そうね…」
「事故とかあっても大丈夫ってこと?」
「まあそうだね」
もっともそんなことが無いのが一番だけどな。
「それでも死なないってことじゃないからな。血が無くなれば死んじゃうから気をつけてよ」
「成る程。毒とかどうなんだ?」
うーん、どうだろう。
「大丈夫だと思うよ。この世界にそこまで強力なものがあるのかわからないけど」
レベル100以上の人外に効くほどの毒があるのかな?
「とまぁこんなもんですわ。繰り返すけど、くれぐれも悪用しないでよ。…そんなにバカな家族じゃないと思うけど」
「当たり前じゃん!」
「任せろ。せいぜい仕事で役立つくらいだしな」
「母さんはバリバリ家事に使うわね」
それくらいなら全く問題ないな。
「じゃあ明日学校だしもう風呂入って歯を磨いて寝るね」
「わかった」
今日は濃い1日だったな。
この日は自分が思ってる以上に疲れていたのか、爆睡した。




