#15
図書館で、気づいたんだけどギフトを無意識でかけていたらしい。だから、司書に声をかけても気づかなかったのね。恥ずかしい…
気を取り直して司書の方に声をかけることにした。
「スミマセン。ここって使用料かかりますか?あと筆記用具とか貸出していますか?」
「お早うございます。使用料はいただきませんが、筆記用具の貸し出しとランプ貸し出しの場合はかかります。あと、希少本や禁書を写本する場合もかかります」成る程。場所によると使用料がかかるけど、大きいところは掛からないんだよね。ここはそんなに大きくないから、筆記用具とかがかかるんだ〜。納得して使用料を払って筆記用具とノートを受け取る。
「あと、薬関係・土木関係・農家関係の本はどこにありますか?」
「内容によりますが、基本的なものは、入口付近に。専門的になると奥になっていきます」と説明しながら館内地図を渡してくれる。親切だな。
「お勧めってありませんか?庭を畑にする予定なんですが」
「成る程。でしたら解る!!基本農業と解る!!基本土木ですね」「成る程。あと、肥料・虫除けの薬が載った薬関係の本は?」
「ございます。簡単。肥料ずくり。という本があります。差し出がましいかと思いますが、初心者でも失敗しない農業と言う本もお勧めです。基本的な本は古いのでよろしいなら販売していますが?」
「考えてみます」といい紹介された本をさがして空いている席に移動する。
さて先に薬関係からいきましょうか。一応、本業だから簡単?だろうと思ってたが、以外と面白くて夢中になってしまいました。だって、雑草だと思っていた草が発酵を助けたり、調合しやすくなったりと勉強になりました。基本的なもの以外手を出さなかったから知らない事が沢山あった。もう少し勉強するべきだったか?後悔はしてないし、開拓が軌道に乗ったらまた、勉強すればいいか。
農作業の本は参考になりました。盛り土?日当たり・堆肥の成分でも変わるんだ〜。これは買いだな。絶対に後々使う事になるだろうし、基本が解れば応用だって出来るはず。しかも、最寄りの図書館はここみたいだから、解んない!!はい、調べましょう。とわ行かないからね。土木の本も為になったけど、農作業の本って万能じゃない?なんで、水路の引き方とか溜池の作り方まで記載されてるの?なんかもう開拓の聖書って良いくらい分かりやすいんだけど。作者だれ?と作者を確認したところ10代前の国王で、農作業の基礎を作った。と言われた人だった。成る程、わかりやすいのにも納得。これと薬の本を買って帰るか。
「スミマセン。これとこれを書いとりたいのですが」司書に声をかけると、言い笑顔で本を受け取っている。
「はじめての農作業と解説!!農家が必要な薬。ですね。お待ちください」と後ろの書庫に声をかけている。
「2冊で3銀になります」だろうね。古書でもそれなりに価値があるほんだから。は〜。仕方がないか。
「わかりました」カウンターの上に3銀を乗せて本を受け取る。外に出ると既に日が沈み始めている。夢中になりすぎて一食忘れた。ま、いつものことか。宿に帰ってお腹に優しい物でも食べよう。あぁ。その前に最寄りのギルドを聞かないと、バイトだけに2日とかかけていられないし。そもそも荒れ地と言っても村があるだろうから派遣されていると思うんだけどな〜
やる気のない足取りで、ギルドに寄り道をする。夕方、カウンターの交代の時間なんだろう。人が少ないし。夜のカウンターなんて暇だしね。ちらっと依頼板を見ても手持ちの薬や薬草は無いし、打っても安く叩かれそうだから自分で使うことにして。ゆっくりカウンターに近寄る。ひまそうなお嬢さんがいるだけだな。これなら何とかなるでしょ。
「スミマセン。ちょっとお聞きしたいことが」声をかけるとびっくりしている。
「なんでしょうか」
「荒れ地に移住する予定なんですが、荒れ地近くのギルド派出所と危険動物について知りたいんですが」
「わかりました。お待ち下さい」と奥に消えてしまったが、そんなに膨大な情報なんでしょうか?と考えながら待つこと数分。なんか偉い人が出てきたんですか。何ででしょう?
「スミマセン。私が変わらせていただきますがよろでしょうか?」
「別にいいですが、何か問題でも?」
「問題というか、荒れ地には、ギルドの派出所はありません。最寄りは半日くらい離れた場所にあります。」と地図をトントンと示している。成る程ね。ちょっと遠いんだ。じゃ、1日仕事になるな。
「それから、危険動物と言われましたが、ほぼ周りは危険動物です」危ないですよ?と暗にきいてくる。
「知ってます。でも、魅力的ですよね。開拓したら自分の物って」とキラキラした顔をしてみるとあきれられた。だめか〜。
「じゃ、獣避けを種類別ではなく、全種類用にしたらいいですね」とカウンターに確認して帰ろうとカウンターを後にしようとしたら呼び止められた。
「獣避け全種類用って作れるんですか!!」と驚いているが、簡単じゃないの?
「自分用ではできますよ?市販できるような物は無理ですけどね」じゃ。これで。とカウンターを離れようとするとローブを捕まれた。
「ぜひ、作って下さい。他の職人さんに頼んでも、できなかったんですよ!!」
「無理です。さっきも言った通り、私専用ですから。私が居れば、近づいて来ない雑魚は対象外で大型の熊とか蛇とかが対象です。一般向けは、小物の鳥とかも対象ですよね」確認をしてみると困っている。
「無理ですか?大型抱けでも…」
「そもそも、村用の獣避けって害獸よけですよね?大型なんて近寄らないじゃないですよね?じゃあ、いいじゃないですか」断りギルドからでる。カウンターでは、まだ唸っている。
そもそも、銀が影にいる場合は大型も来ないし。来るとしたら狂いだけだし。来たら来たで、プチっとやっちゃうしね〜と考えながら宿にもどる。
「スミマセン。もう一泊していいですか?」声を掛けながら夕食を注文すると「大丈夫だ。部屋は違うがな」と言われたが、それは仕方がない。了承してご飯を待ってると普通に寄ってきた4人。腹黒商人と夫婦はわかるけど、ロバァーはわからん。
「こんばんは。家の受け渡し書類がありまして」と書類をのせている。
「あ。忘れてた。書類くださいな」と笑うと「いえいえ。私どもも、ライズさんの注文を受けるのに集中していましたし。こちらの書類が受け渡し証書となっています」書類をいけとる。平屋と小屋の支払い証書と持ち主証明書。支払いは、兄貴の方が払って暮れるって言ってたけど、薬と獣人の報酬だったりして…今度聞いてみよ。なんか国のお金?ぽいし。へそくりためまくってんだけどね。
「確認しました。ありがとうございます。何かありましたら。また、お願いします」
「こちらのお願いします」と商談終了。ホクホク顔の商人。良い仕事しましたね。
「勝手に置いてくなよ」知らんがな。勝手に…一応、荒れ地までの依頼だったっけ?
「ご免。つい本に呼ばれてね。そう言えば、農作業の手順とかわかってる?そこら辺は、自分で調べなさいよ」
「あ〜。忘れてた。うちも米を作りたいからそこら辺も調べたかったんだ」
「文字読めるの?」
「俺はダメだがな」と隣に座っている嫁を見ている(膝に座らせられないぐらいに成長してるから)
「ふ〜ん。じゃ頑張って。私は装備を直したり弄ったりするから〜」
「そうか。俺も、直した方が…でもな」と悩んでいるが知らんがな。
「じゃ。出発は明後日で良い?」
「そうだな。準備もあるしな」
「いい加減。無視するな」と怒っているロバァーをそのままに夕飯を食べ始める。うん。このサラダ上手いわ。スープも美味しいな、肉なしスープなのに。いい加減煩いロバァーをどうにかして欲しいな。左右来ないかな〜。南の英雄様は煩い。