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経緯 、

荷物を使用人に任せて邸内に入る。


王都から半月馬車を飛ばし、懐かしの我が家にやっと帰って来れた事を実感し、目から涙がこぼれそうになり顔を上げ天井を見上げる。


「?」

「どうしました?アナタ」

何故、邸内に鳥が居るのか。


「、、疲れてるのかな」

目の錯覚か、思っている以上に疲れているんだろうな。


「ふぅ」

目がしらを揉み込みひと息つく。

目を開けると、そこにはアライグマが居た。


※※


うーん、そうかあアライグマかあ。


手紙には無かったが、知らない内に邸内でペットを飼うようにしたんだな。


アライグマが爪とぎをするとは聞かないし、

洗って食べるくらいだから存外に賢いのかもしれない。


妻娘も私が館に居なくて寂しい思いをしたんだろう。


ペットの一匹や二匹で騒ぐ事は、邸の主人として如何なものかとも思う。


よし!整ったぞ。

ここはひとつ、伯爵の度量を見せるべきだな!


「キミも出迎えに来てくれたのか、ありがとう」

私がそう言うと、アライグマは軽く頷き、握手をして来たのだ。


※※


「ラキネルです、お父様」

「そうか」

「そしてこちらがキイロです、お父様」

「、、そうか」


娘が小鳥を呼ぶと、小鳥が娘の肩に止まり羽を下ろす。

見間違いじゃなかったのか。


「、、他にはいるのかい?これで全部かい?」

「アオです」

そう言われた先に、黒髪の若者が居た。


※※


「成る程、彼が手紙にあった付与魔術師なのか」

「はい、食客として邸内に部屋を取って貰っていますの」

「うむ、歓迎しよう。何か不便があれば言ってくれたまえ」


食客は既にエルヴァナが居るが、伯爵領は安定している、食客を預かるのに一人も二人も変わらんしな。


「今はエルヴァナとお付き合いをしておりますのよ 」


あっ、伯爵様が崩れ落ちた。

限界だったかぁ。


※※


皆でお茶をしていると、サロンにアオが入ってくる。


「どう?あの人は大丈夫そう?」

「『安眠』に『快癒』を枕に付与したので、その内に回復するでしょう」

私とアオが話ているのを息子が顎を手で揉みながら見ている。

この子が何か言いたい事を我慢する時のクセだ。


「エドヴァルド、どうしたの?」

「いえ、、随分と館に慣れているなと」

ふむ、確かに意識を失った邸の主人と食客を二人きりにするというのは気になる所ですか。


ちゃんと次期領主としての警戒心が育っているみたいで安心ですね。

しかし『共鳴』があるせいで、アオの考えは垂れ流されているのよね。


「彼は頼りになる人よ?エルヴァナも彼の人柄に惹かれたのだし」

エルヴァナがお茶を器官に吸い込んだのか、小さくむせる。


「そう!エルヴァナ様ですよ!どういった経緯で貴女は彼とお付き合いを!?」

「げふっ、、経緯とは?」


経緯と来たか。

しかしそりゃあ若い男女が部屋を同じにして、しかも相手が飛び切りの美人さんなんだもの。

そりゃ、若い男は我慢も出来ないってもので。


大体エルヴァナさんも距離が近いんだよな。

意識して無かったのもあるんだろうけど、ちょいちょい胸がからだに押し付けられたら、

男の側からしたら勘違いもするってもんで。

だし、あの時は結構俺も酔ってたし。

酔ってたと言えばエルヴァナさんはあの時に、、


「、、、!!」

エルヴァナさんが耳飾りを勢い良く外す。

「おまっ、お前!いい加減にしろよっ!?」

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