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第3話:デルタの誓い、砕かれた残骸(デブリ)


 「信じられん……あの動き……本当に、お前が豊なのか?」

 ジャッジメント・ダイスを粉砕した戦士ZEROの姿に、秋月は呆然と呟いた。美希もまた、恐怖と希望が入り混じった眼差しで豊を見つめている。

 0.01ミリ秒の転身解除。豊は再び生身の姿に戻り、深く息を吐いた。

 この世界の「初代ザボーガー」の残骸を見つめながら、豊は静かに語りかける。

「秋月。俺は、この世界の豊じゃない。並行世界から来た、もう一人の大門豊だ」

 豊の言葉に、秋月は眉をひそめる。

 だが、豊は初代ザボーガーの胸部を指差し、言葉を続けた。

「そして……俺が乗っていた『零式(ZERO)』は、父さんが最後に俺たちに残した、次元を超えるための最後の希望だ」

 秋月は、初代ザボーガーの胸部に刻まれた、かつて豊が与えた傷跡を見つめる。

 そして、意を決したように、重い口を開いた。

「……信じるしかねえな。その化け物みてえな力、俺たちの世界じゃ見ることができなかったものだ」

 秋月は、初代ザボーガーの残骸に歩み寄ると、その冷却システムが破壊された右腕を撫でた。

 

「初代ザボーガーは、アイツの魂を喰らいすぎて壊れた。OMEGAの要塞に特攻したあの日、限界を超えたエネルギーが暴走したんだ。だが、死の直前、大門博士は『別の設計図』を俺に残した」

 秋月が奥の壁に投影したのは、初代ザボーガーとは異なる、新たな設計図。

 そこには、初代ザボーガーのフレームが、異世界の『ZERO』と完全に合体し、まったく新しい姿へと変貌する「構想」が描かれていた。

「大門博士は、ZEROがこの世界に来ることを予見していた。この初代ザボーガーの残骸は、貴様と合体し、次元の歪みを修復するための**【デルタ・ユニット】**になると」

「デルタ・ユニット……?」

「ああ。それは単なる合体じゃない。お前の持つ次元の力と、この世界のザボーガーの残した『魂のデータ』が融合し、新たな存在、**『デルタΔザボーガー』**へと生まれ変わる。次元の歪みを正し、OMEGAを完全に破壊するための、究極の兵器だ」

 豊は、初代ザボーガーの残骸に触れた。ひんやりとした金属の奥から、この世界の「もう一人の自分」の、そして「初代ザボーガー」の、熱い魂の鼓動が伝わってくる。

「……デルタΔザボーガー。それが、この世界の豊の、最期の願いだったのか」

 その時、地下ドックの天井が再び激しく揺れた。

 先ほど撃退したはずのOMEGAの部隊が、より強力な増援を連れて、再び上空へと集結しているのだ。

「ちっ……OMEGAめ、しつこい奴らだ! デルタ・ユニットの起動には時間がかかる。時間を稼ぐしかねえ!」

 秋月が、レジスタンスの仲間たちに指示を飛ばす。

 豊は、デルタ・ユニットへと視線を向けた。

 これが、この世界と、そして自分の世界を救う、ただ一つの希望。

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