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エピローグ・プラス:鋼鉄の遺産(レガシー)


 ネオΣとの決戦から数年。

 世界の平和を取り戻したサーキットに、再び猛烈なエキゾーストノートが帰ってきた。

 大門豊が跨るのは、父・大門博士がかつて設計し、ガレージの最奥に封印されていた幻の機体――『ザボーガー零式(Type-Zero)』。

 それは、豊と融合して消えた「ザボーガー」のプロトタイプでありながら、父が提唱した「人機一体」の理想を最も純粋に体現したマシン。最新の技術でレストアされたそのボディは、かつての相棒よりも一回り小さく、より無骨で、研ぎ澄まされた日本刀のような鋭さを放っていた。

「……調子はどうだ、相棒」

 豊がハンドルを握ると、メーターパネルに懐かしい蒼い光が灯る。

 かつてのザボーガーのような自律AIこそ搭載されていないが、豊がアクセルを開ければ、まるで自分の手足のように、いや、自分の意志そのものが路面を蹴るように反応する。

「お兄ちゃん、そろそろ予選の時間だよ!」

 ピットから美希が旗を振る。その横には、リハビリを終え、穏やかな表情でモニターを見つめる父の姿があった。

 秋月というかけがえのない友を失った悲しみは、今も消えてはいない。しかし、豊はもう一人ではない。

「行くぞ、零式。……秋月、お前も見ててくれよな」

 豊がヘルメットのシールドを下ろし、スロットルを回す。

 その瞬間、零式のマフラーから、あの決戦の時と同じ蒼い火花が一閃した。

 それは亡霊の怒りではなく、未来を切り拓く希望の電流。

 大門豊とザボーガーの伝説は、形を変え、新たな時代の風となって走り続ける。

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