国王直轄地になった
2018.06.10 投稿
2020.04.11 第88部分に変更
◇神聖マユミ王国・ダンジョン【ヒトリ島】◇
十二月。今度は、国の役人がやって来た。
「どのようなご用件で?」
今回も応接室。
代表と言う事になっているマツが尋ねる。
「この度、この島は、国王直轄地となった。ついては、居住や宗教活動等を認める代わりに、税を納めて貰う」
払おうとは思っていたんだけれど、何処へ納めたら良いか判らなくて放っておいたんだよね。
「ところで、『此方の』ユティ神は、玉座に興味は御有りなのか?」
「いいえ。『政治は人の領分』と仰っておりました。それは、信者も知る所です」
「そうか。それは喜ばしい事だ」
興味有るとか答えて居たら、討伐するつもりだったんだろうな~。
私は、【鑑定】で表示させているステータスのスキル欄を見た。
そこには、【鑑定】がある。
私がダンマスである事は、ばれているとみて間違いないだろう。
護衛の男二人は、いずれもLv50を超えている。
まあ、『非殺傷エリア指定』しているから、何とかなると思うけれど。
その後、特に問題は無く納税の仕方などを教えて貰った。
国に喧嘩を売らないなら、放置なのか? ユティ以外は邪神なんでしょう?
新国王は何を考えているのか?
話が終わったので帰るだろうと思ったが、役人達はこの宿に泊まるらしい。
ダンジョンだと判っていて泊まるんだから、凄い胆力だよね~。
それとも、侮っているのかな?
「お食事は、お部屋の方へお運び致します」
宿の主人と言う事になっているカシが、そう説明する。
「そうしてくれ」
「本日は、近海で獲れた魚料理ですが、宜しいでしょうか?」
「ああ。問題無い」
「畏まりました。それでは、お部屋にご案内致します」
カシ(に限らない)が敬語で話していると、違和感がある。
「売って欲しい物が有る」
役人がやって来てそう言ったのは、夕食の前の事だった。
態々ダンマスを呼ばせての事だから、売店で売っている程度の物ではないのだろう。
「何でしょうか?」
「部屋に備え付けのトイレだ。あれは、素晴らしい!」
「王都で使うとなりますと、下水道の整備が必要ではないかと」
魔力で動く物がリストにあるから、発電所は必要無いけれど。
「むぅ。下水道か……」
多分、そんな技術無いよね。道に捨てているんだからね。
「そのような技術は、隣国にも無いだろう」
そう言うと、男は考え込んだ。
後日。
例の役人が、代官として赴任して来た。
それほどまでに、トイレが気に入ったのだろうか?
こんな小さな島に、代官なんて必要無いよねえ?
代官って、知事みたいなものでしょう?
後で水海達に言ったら、小さくても直轄地なら代官を置くんじゃないかと言われた。
それから三ヶ月。
代官達は、代官屋敷を建てる事無く、宿のスイートルームで仕事と生活をしている。
一体、何時屋敷を建てるのだろう?
それとも、此方が造らないといけないのだろうか?




