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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:本編後日談3
87/191

偽神女

2018.06.06 投稿

2020.04.11 第87部分に変更

◇神聖マユミ王国・ダンジョン【ヒトリ島】◇


 強盗が来た後の十月。

 ユティ教の神官を名乗る男達がやって来た。


「それで、お話とは?」


 島の管理者代表と言う事になっているマツが、私の代わりに尋ねる。

 場所は、宿の応接室(急遽造った)。

 此方は、私とマツとカシ。相手は、男三人。


「ええ。実は、新たな神女(しんにょ)陛下が現れましてね」


 は? 神女って、ユティの器とされていたユティ本人だよね?


「ですが、『今なら、偽ユティ神をでっち上げた一味を許す』と仰っているのですよ」


 ああ。偽ユティ神女を担ぎ上げたいから、今後、ユティそっくりのファントムを人目に(さら)すなって事か。


「では、また【女神製ダンジョン訓練所】が出現すると言う訳ですか」


 マツが、そんな意地の悪い事を言う。


「それは……」

「以前の様に、神都では、怪我をする事も・怪我をさせる事も無くなる訳ですね」


 それ等をどうするか、考えていなかったのだろう。

 それまで口を開いていた男は、強張った顔で口を閉ざした。

 そこ重要なんだから、忘れるなよ。


「あの日、女神は我等を見捨てたのではない。皇国の愚か者共が、邪神の王の遺産を使い、女神から力を奪ったのだ! だから、それ等の奇跡は起こせない!」


 男は、何とか辻褄を合わせた。

 おお……! 凄い。


「邪神の王本人なら未だしも、遺産如きに力を奪われた、最早無力な神を、信仰し続ける信者は何割いるかねえ?」


 マツが、そんな失礼な事を言う。


「貴様等っ! 処刑されたいか!?」

「そっちこそ、偽神女を使って玉座簒奪を目論む逆賊だろう?」


 カシの尤もな指摘に、私は感心した。


「逆賊では無い! 神国の支配者たるは、ユティ神のみ!」


 激昂した男達が立ち上がった。

 今にも襲って来そうだ。


「落ち着いてください。この宿は、ユティ神のお力で、人を傷付ける事が禁じられています」

「出鱈目を! 高がファントムに、そのような力が有る訳が無い!」

「確かに、ファントムにそんな力はありませんが、【女神製ダンジョン訓練所】にもモンスターは居たでしょう? 女神が、人では無くファントムを器にしている。……コドク教の信者は、そう考えていますよ」


 ヒトリ島は、聖獣コドクの島……略して、コドク島と呼ばれるようになっており、此処にいるファントム(ユティ神)を信じる者達は、これまでのユティ教と区別をする為にコドク教と称するようになっていた。


「女神が、汚らわしいモンスターを器にするなど、有り得ん!」

「では、傷付けられない事実を、どう説明するのですか?」


 私がそう尋ねると、男の一人が剣を抜き、私を斬ろうとした。

 しかし、剣を落とし、倒れてしまった。


 あ~! 傷付けられないと解っていても、心臓に悪い~!


「馬鹿な……! いや。これは、何かの魔法に決まっている!」

「別に、信じなくても構わないが、信者は……陛下は、どちらのユティ神を信じるかな?」


 カシがそんな風に脅す(?)が、恐らく、何方も信じないだろう。

 だって、王位を譲りたくないだろうし。



 破れかぶれでなのか、私達を攻撃しようとしたらしい三人は、気絶して倒れた。


「じゃあ、こいつ等、逆賊として突き出して来るから」

「……うん。宜しく」


 まだ慣れないな。人の命を奪う事に。

 彼等は死刑になるだろう。

 恐らく、神女役の少女も。


 本当は、この三人だけ排除したい。

 でも、三人同時に心不全とか、三人供蜂に刺されて死ぬとか、不自然だよね?


 他人の命より、自分の保身の方が大事だなんて、私に(ぷりんせす)王子(ぷりんす)を責める資格は無いのかもしれないな。




 その後知った事だが、現在神国では、超自然的な力に憧れる年頃の少女達に、自分が神女だと思い込む『神女病』と言う精神疾患が流行っているらしい。

 うん。所謂中二病と言うものだろう。

 この国の大人達は、本当の精神的な病気だと思っているようだが。


 あの男達が、その内の一人を本物だと信じて(或いは、偽者だと解っていて)担ぎ上げようとしたのか、それとも、普通の少女に演じさせようとしていたのかは判らない。

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