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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:本編後日談3
86/191

強盗とファントム

2018.06.05 投稿

2020.04.11 第86部分に変更


◇神聖マユミ王国・ダンジョン【ヒトリ島】◇


 ユティ神国の正月である八月の中頃、ユティ神国は国名を神聖マユミ王国へと名を改めた。

 でも、浸透していないのか、未だに誰もがユティ神国と言っている。

 私達も、『神国』の方が言い易いので、新たな国名の方で呼ぶ事は無い。


 そんなある日の事、強盗がやって来た。




 その男は、『魔物使い』がファントムをユティ神と偽り、金儲けをしている事が許せなかった。

 だから、その金を頂こうとヒトリ島へとやって来た。

 しかし、手に入れた金をユティ教の為に使う……そんな考えは毛頭無い。


 現在ヒトリ島には入島制限がかけられており、一日百人までとなっている。

 そして、島の宿に宿泊出来るのは、最大三十名だった。

 だが、幸いにもこの日は巡礼者が少なく、男は島の宿を取る事が出来た。


 宿は清潔で、従業員は身綺麗で態度も良く、食事も美味かった。

 男は同じ位の値段の他の宿に泊まった事があったが、それとは比べ物にならなかった。

 何故、質の割には宿代を安くしているのかと、男は訝しんだ。

 それに、昼間に見たお守りの値段も安かった。

 ユティ教では、もっと高値を付けている。

 金儲けの為にやっているのだろうに、何故安い値を付けているのか、男にはサッパリ解らなかった。



 深夜。皆が寝静まったであろう頃。

 男は、宿の経営者の部屋を探してフロントに向かった。

 すると、フロントに一人の女性従業員がいた。

 こんな時間に起きて仕事をしているのかと、男は驚いた。

 しかし、直ぐに気を取り直して、その女に案内させる事にした。


「お客様。どうされましたか?」

「大人しくしろ」


 男は、オークの女の首にナイフを突き付けた。


「金は何処に在る?」

「あ」


 ふと、女が入口の方に目を遣り、何かに気付いたのか声を上げた。

 誰か来たのかと男も其方を見ると、ユティ神が居た。


「何だ。ファントムかよ」


 男は、興味を失った様に女に向き直った。


「ほら。さっさと、出すか案内しろよ」

「え、でも……」


 ファントムは、モンスターである。

 決して、無害だと安心出来る存在では無い。対処出来る力が有るのなら兎も角。


「命が惜しくねえのか!?」


 ファントムが、男に手を伸ばした。




「心不全と言う事で」


 寝ていた所を『コール』で起こされた私は、事態を報告して対処を窺うコナラにそう答えた。

 コナラは、七月末日に召喚した眷属の内の一人で、茶色い髪のオーク女性だ。


『解った』

「それにしても、ファントムだと判っていて、何で逃げなかったんだろう?」

『不思議だよね』


 何で私の眷属は、私に丁寧語を使わないのだろうか?

 まあ、良いけどね。


 後で、メインダンジョン以外を『非殺傷エリア指定』しよう。

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