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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:アケビア半島
83/191

ダンジョンバトル

2018.03.20 投稿

2020.04.11 第83部分に変更

◇アケビア半島東部・ダンジョン【ナツメヤシ園】(続き)◇


「ダンジョンバトルだ! このダンジョンのマスターとのバトルで、私が勝ったら願いを叶えて貰うぞ!」


 代償をどうするのか尋ねられたマリクは、そんな事を言い出した。


夏芽(なつめ)は関係無いだろう! 巻き込むな!」


 俺は、勝手な言い草に頭に来て怒鳴る。


「夏芽は、勝負を受けるそうだ」


 ロードアーク様がそう言うので振り返ると、夏芽が此方に歩いて来ていた。


「夏芽! どうして?!」

「だって、チャンスでしょう? あんたのリストを元に戻して、ダンジョンに帰れるようにする!」

「貴様! 何だ、その格好は!?」


 マリクが変な事を言い出したので、俺達は顔を見合わせた。


「何って、普通の格好だけど?!」


 夏芽は、長袖Tシャツと膝丈スカート、スニーカーと踝丈靴下を身に着けている。


「体型が判るではないか! しかも、脚まで出して! 髪も隠さなければ駄目だ! 恥ずかしくないのか! これだから、異教徒は!」

「レイプ被害を減らす為に、脚も体型も髪も隠すよう言ったんだよね」


 困惑する俺達に、ウィニクさんが補足してくれた。


「脚と体型は解りますけど、髪も?」

「うん。女性の髪は、男を引き付けるからね」

「……はあ。そうですか」


 髪フェチでは無い俺には、良く解らなかった。


「私のダンジョンの地下入り口は男子禁制だから、問題無し! これ以上文句言うなら、ダンジョンバトル受けないから!」

「グッ……」


 マリクは、悔しげに文句を飲み込んだようだ。



「では、夏芽よ。勝利の暁には何を望む?」

「さっき言った通りよ」

「釣り合わぬ。他に何を望む?」

「え? じゃあ……、仕方ないな。ウィニクさんも戻してあげて」


 夏芽は、渋々と言った様子でそれを口にした。


「まだ釣り合わぬ」

「え~? じゃあ……、ウィニクさんをダンジョンから追い出した年数分、マリクを動物に変身させておいて」

「良かろう」

「待たんか! それは無いだろう!?」


 マリクが異を唱える。


「私が負ける訳は無いが、万が一という事もある!」

「じゃあ、止める?」

「……仕方あるまい。その条件で勝負だ!」

「では、今回ハンデとして、夏芽には、ウィニクと明豆(めいず)の助言を許可する」


 それで五分五分になるのだろうか?


「制限時間は三時間。期限までに勝負が付かなかった場合、よりダンジョンコアに近い方を勝者とする。それでは、これより三十分の準備時間だ。始め」


 二人の姿が消えた。



 俺とウィニクさんは、ロードアーク様が空中に映した夏芽の映像を見ながら、『コール』で助言を行う。


「それまで」


 あっという間に三十分が経ち、ダンジョンバトルが始まった。




 マリクが造ったダンジョンに飛ばされた夏芽は、見渡す限りの砂漠にうんざりした。

 驚いていないのは、ウィニクと明豆の時もそうだったと聞いていたからだ。

 夏芽はロック鳥を召喚し、空から階段などを探した。

 目当ての物は見付からなかったが、すり鉢状の窪地を五つ見付けた。


「蟻地獄の巣みたい」

『そのどれかが地下への入り口だったりして……』

「え~」


 夏芽は気が進まなかったが、他に手がかりも無いので、ローグオークを召喚して偵察に向かわせた。

 蟻地獄型モンスターが出て来て、砂で攻撃してくる。

 しかし、五つの内一つだけは何も出て来ず、暫くして『地下に到達した』と『コール』が届いた。


「うえ~……。砂が口に入ったりとかしたら嫌だな~」




 一方その頃、夏芽が造ったダンジョンに飛ばされたマリクは、生垣の迷路を彷徨っていた。

 広場になっている所に足を踏み入れると、幾つかの彫像が立っていた。


「異教の神の像か」


 先へ進む為に近付くと、突然それ等が動き出して襲って来た。


「ガーゴイル!?」


 【アディア】では、動く彫像型モンスターがガーゴイルだ。だから、悪魔の姿とは限らない。


「フン。他愛無い」


 あっさりと破壊したマリクは、先へ進む。



「何だ、これは?」


 先へ進む為の扉は、四つの数字を入れないと開かない仕掛けが施されていた。

【ヒントはこのフロアの何処かにあるよ】

 そう書かれたプレートが貼られている。


「ふざけおって……!」




「出来るだけ足止めして、時間切れで勝ちたいかな?」


 ダンジョンを造っている時、夏芽はそう口にした。


「足止めか……。夏芽って、脱出ゲームした事ある?」


 脱出ゲームは、閉じ込められた部屋から脱出する為に、室内を探索して仕掛けを解いていくゲームだ。


「あるよ。なるほど、それなら時間稼ぎ出来そうだね」




 と言う訳で、マリクは扉を開ける為のヒントなどを探して回る破目になったのだった。

 そして、見付けた数字とヒントが此方。

 『1088』・『1645』・『1706』・『1980』。

 『3690>3817>3725』。


「どういう事だ、一体?!」


 マリクは、頭が固かった。

 ヒントを見ても、答えが思い付かない。

 そして、タイムリミットとなった。




「それまで。勝者、夏芽」


 ロードアーク様が勝敗を告げた時、夏芽は、三層目でマミーと言うミイラ型アンデッドと戦っていた所だった。

 直ぐに、二人共転移させられて戻って来た。


「ふふふ……。やったあ! 勝ったよ!」

「良かった! ありがとう! 夏芽!」


 勝利に喜び、俺達はハイタッチする。


「あの問題は何だったんだ?! 如何計算したら答えが出るんだ!?」

「あれは計算問題じゃない。『3690>3817>3725』を良く見ると、数字に丸い部分が在るだろう? 6と9と0で三個・8で二個・丸が無いので零個。だから、『1088』・『1645』・『1706』・『1980』の丸の数が、5・1・2・4。多い順に、5421と入力すれば正解だ」

「何だ、それは!」


 答えを教えてやったが、納得行かないのかマリクは叫んだ。


「では、マリクを動物に変身させる」

「止めろ!」


 ロードアーク様の言葉を聞いて、マリクは嫌がった。


「ウィニクさんとお揃いの猪かな?」

「否」


 夏芽に対して予想を口にすると、ロードアーク様が否定した。

 そして、マリクは動物の姿へと変えられた。


「猫か」

「良かったね」

「ああ。好きなんでしたっけ、猫?」

「うん」


 ウィニクさんがマリクにかけた言葉で、そう言えばマリクは猫を聖獣としていたなと思い出して、ウィニクさんに確認すると肯定が返って来た。


「この私が、猫に……」


 何猫かは判らないが砂色の猫にされたマリクは、落ち込んでブツブツ呟いていた。


「それはそうと、折角夏芽から食料を貰ったのに、直ぐにリストが元に戻ってしまったな」

「戻らないより良いよ」

「お礼は何が良い?」

「あ、僕もお礼しないとね」


 夏芽は、何が良いか考え込んだ。


「じゃあ、ウィニクさんは、さっき明豆に渡した食料分のDPを代わりに払ってくれれば良いよ」

「今DP無いから、後払いで良いかな?」

「うん」


 そして、夏芽は俺に向き直る。


「明豆は、クラーケンの肉リストに入れたって言ってたよね?」

「ああ」

「それで良いよ」

「悪いな」


 それだけで良いなんて、申し訳ないな。クラーケン倒したの、俺じゃないから。



「では、其々ダンジョンへ送ってやろう」


 夏芽にクラーケンの肉を渡した直後、ロードアーク様の声が聞こえ、俺は自分のダンジョンコアの目の前に戻っていた。

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