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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:本編後日談2
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新たな仲間

2019.10.24 アルプを追加。

◇ユティ神国・ダンジョン【ヒトリ島】◇


 神国で流行したペストが治まり、ヒトリ島にユティ神(ファントム)目当ての信者が訪れるようになって暫くの事。

 私は悩んでいた。


「う~ん……」

「どうした、マスター?」


 マツが、悩んでいる私に声をかけて来た。


「うん。土産物でも売ろうかと思って」

「土産物? ……聖獣コドクの肉とか?」

「売らないよ!」


 聖獣食べるなんて、無いよね! ……無いよね?


「でもよお、土産物って、その土地で採れる物とかだよな?」

「確かに、この島で獲れる物はコドクぐらいだけれど」


 そこへ、カシもやって来た。


「マスターは、何も思い付いていないのか?」

「う~ん。私が思い付いたのは、『木彫りのユティ神像』とか『木彫りの聖獣コドク』とかなんだけど……」

「それ、土産物に分類して良いのか?」

「それで悩んでたんだよね~」

「じゃあ、マスターの友達に聞けば?」

「ああ。そうだよね」


 悩んでも解る訳じゃないし、皆に聞けば知っている人が一人位はいるかも。




『授与品かな?』


 皇国の皆に『コール』で聞いてみると、ダンジョン【墓地】のダンマスである(そう)が口を開いた。


「授与品?」

『うん。神社でお守りとかあるよな? あれを授与品と言うらしいから』

「へ~」

『だから、払うのは代金じゃなくて、奉納金。お金を供えて、お守りとかを授けて貰う訳だ』

「そうなんだ」

『ねえ、コドク』


 私が納得した所へ、ダンジョン【美術館】のダンマスである美絵(みえ)が話しかけて来た。


「何?」

『その木彫り、誰が彫るの?』


 盲点だった!


「こ、交換リストに……」

『無いと思う。前に交換した肖像画は、過去に神国の誰かが描いた物らしいけれど、木彫りのユティ神像は私のリストには無いから』


 イージーモードのリストに無いなら、ノーマルモードの私のリストにも無いだろうけれど、一縷の望みをかけて検索してみた。

 が、やっぱり無かった。


『カスタムで彫刻のスキル付けた眷属を召喚すれば良いよ~』


 そう教えてくれた水海(すいみ)は、ダンジョン【水族館】のダンマスだ。


『甘やかすなよ。少しは考えさせろ』


 ダンジョン【動物園】のダンマスで彼女の双子の兄だった天地(てんち)が、水海を窘める。


『あはは。うん。次はそうする』

「えっと。兎に角、ありがとう。早速、召喚してみるね」




 コールを終え、暫く考え込んでいると、マツが話しかけて来た。


「マスター。召喚しねえのか?」

「ちょっと、待って。名前、考えてから」


 今居る眷属が、『マツ』と『カシ』だから、植物系にしようかな?

 そう言えば、マツの名前の付け方が、我ながら酷いよね~。

 マッチョだからマツとか。


「あ。そうだ。戦える奴を召喚してくれよな」

「え? 何で?」

「だって、ユティ神像と聖獣像を作ったら、後やる事ねえだろ? なら、もしもの時に戦える奴じゃねえと」

「確かに。ダンジョンに吸収すれば、DPで複製出来るもんね」


 戦える眷属か~。

 マツが戦士タイプ・カシが魔法使いタイプだから、他に必要なのは……何だろう?

 う~ん……。あ。カシ一人で攻撃・防御・回復は大変かな?

 じゃあ、攻撃魔法特化か・回復魔法特化?


「カシ」

「ん?」

「攻撃魔法と回復魔法、どっちが得意?」

「攻撃魔法かな?」

「解った」


 じゃあ、新入りは回復魔法担当にしよう。

 私は、リストを流し見した。


 ナイチンゲール

  和名:サヨナキドリ

  鳴き声の美しい鳥。

  眷属は、回復魔法を使える。(眷属召喚リストより)


 回復魔法を使えるのか。

 私は、召喚ボタンを押す。

 私の手より少し大きい鳥が召喚された。


「なあ、マスター。それって、彫刻出来るのか?」

「忘れてた!」


 回復魔法の事しか頭に無かった!

 二人の目が冷たい。


「取り敢えず、お前の名前は『さよ』です」


 さよは、美しい鳴き声で返事をした。


「部屋は、『たまご』達と一緒で良いかな?」


 私はさよを移動させ、再び召喚リストに目を通した。


 ドワーフトロル

  エルフ種。日光が苦手なので、昼は寝て、夜に活動する。

  物作りが得意で、魔法も使える(眷属召喚リストより)。


 これにしよう。

 他の候補は、童子鬼(三つ目)・サイクロプス(単眼)・一つ目鬼(単眼)だしね。

 



「初めまして。マスター」


 召喚されたのは、赤い髪の4・5歳位の女の子。


「あれ? 二十代を指定したのに……」

「エルフ種は、老化が遅いんだよ。マスター」

「あ! そうか!」


 そう言えば、水海達も2・3歳位だった。


「宜しく。貴女の名前は、カヤ」

「うん。宜しく」

「で、あっちの大きいのが、オーガのマツ。その隣がオークのカシ」

「宜しく」

「おお」

「仲良くやろうぜ。後輩」



「ところで、エルフ種って、見た目どれ位で老化が止まるの?」

「えっとね。大体、アルプが六歳・ドワーフが七歳・エルフが八歳・ドラゴエルフが九歳・ドワーフトロルとフェアリーが十歳だよ」


 若過ぎない?!


「それまで、何年位かかるんだ?」


 カシがカヤに尋ねる。


「アルプが四十八年・ドワーフが五十六年・エルフが八十年・ドラゴエルフが七十二年・ドワーフトロルが五十年・フェアリーが三十年」

「長っ!」


 私は驚いて声を上げた。


「寿命に比べれば短いよ~」

「そう……」

「えっと、一歳までだとどれ位だ?」

「エルフが十年・ドラゴエルフとドワーフとアルプが八年・ドワーフトロルが五年・フェアリーが三年だな」


 マツの質問にカシが答えた。


「赤ん坊の時間長過ぎるだろ……」

「それより、六歳で子供作れるの?」

「そういう種族だから。ヒト種の六歳とは違うからね」



 その後、食堂を広くし、マツの部屋の隣にカヤの部屋を造った。

 そして、私の部屋の北に工房を造り、カヤの部屋から出入り出来るようにした。


「カヤには、ユティ神の木彫りの像と、聖獣コドクの木彫りの像を彫って貰いたいの。ダンジョンに吸収してDPで増やすから、一体ずつで良いよ」

「解った~。早速作るね」

「後、明日の夕飯は、カヤの歓迎会をするから」

「ありがとう」

「じゃあ、私達は寝ます。お休み~」




 数日後。


「おはよう。マスター。出来たよ」


 食堂に行くと、カヤが作った像がテーブルに並べてあった。


「色んなポーズで作ってみたけど、良いのが無いなら別のを作るよ」

「ううん。大丈夫。ありがとう」


 芸術的な良し悪しは判らないけれど、巧いと思う。


「じゃあ、寝るね。お休み~」

「あ、うん。お疲れ様」


 そう言えば、昼夜逆転生活、独りだけで寂しく無いかな?




「別に寂しく無いけど」


 夕飯の席で聞いてみると、カヤはそう答えた。


「そう?」

「でも、暇だと困るから、何かやる事ある?」

「そうだな~。今の所、無いかな? 何か作りたい物があったら、材料を出すけれど」

「……じゃあ、ガラスビーズでアクセサリーでも作ろうかな?」


 カヤは、少し考えてそう言った。




「カヤのお陰で、土産物も充実したね~」


 私は、土産物売り場の人だかりを見ながら、感慨深くそう言った。


「そうだな」


 現在ヒトリ島にあるのは、桟橋・宿屋(土産物屋が併設されている)・神殿(この裏の物陰に、メインダンジョンへの入り口がある)・授与所・管理人小屋(此処から私達の居住区へ)・観光牧場(聖獣コドク)である。

 宿屋はカシが経営している事になっていて、島の管理人はマツと言う事になっている。

 で、私が授与所を担当している。

 カヤが夜行性じゃなかったら、授与所の担当を変わって貰えたのにな~。



 ヒトリ島に渡る為の桟橋があるファン達が住んでいた村は、急速に発展している。

 島の宿は、そんなに大きくないし、宿泊料も安くないので、代わりの宿が必要だった訳だ。

 宿だけではなく、飲食店や春を売る店も乱立しているらしい。

 遷都した方が良いんじゃないかと言う噂も聞こえて来た。

 何か、大事(おおごと)になったな~。

 でも、神都の住民は、神女(しんにょ)こそがユティ神でヒトリ島のユティ神は偽者と考えている人が多いらしい。

 武力衝突は起きないと良いけれど。

 だって、私の所為でそうなったら嫌だものね。


「は~。今日も忙しかった。痩せたかな~?」

「え?」

「え?」


 疑問の声を上げたカシに、私は首を傾げた。

 何も変な事は言っていないよね?


「本日のマスターの夕食の摂取カロリーは」

「止めて、カヤ!」


 私は、聞きたくないと耳を塞ぐ。


「こりゃあ、痩せるのは無理だな」


 マツが、諦めたように呟いた。

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