今明かされる衝撃の真実?!
2018.04.04 一部加筆修正。
◇ユティ神国首都・ユティ神城◇
私は今、水海達に連れられて、ユティの目の前に居る。
彼女は、私達と一緒に居る男性を見て、目を見開いて驚いていた。
「どうして、【ローダルク】が生きているの!?」
ユティの叫びを聞き、私は背後を振り向いた。
其処に居るのは、オレンジ色の髪をした【ロードアーク】様。他には誰も居ない。
「ロードアーク様って、ローダルクさんにそっくりなの?」
「本人だよ。神様って、名前複数あったりするよね」
水海に尋ねると、そんな答えが返った。
そう言われると……。でも、大抵、他の神様を取り込んだりとかしたからじゃなかったっけ?
「【最も高きダンジョン】である【中央ダンジョン】は壊したのに、どうして?!」
ローダルク様は、叫ぶユティを小首を傾げて見やって答えた。
「【最も高きダンジョン】と【中央ダンジョン】は、別のダンジョンなのだが」
ツボに入ったのか、遊夜が「プフッ」と吹き出した。
「な……! じゃ、じゃあ、【中央ダンジョン】は貴方と無関係だと言うの!? それなら、貴方が皇国で崇められているのは、おかしいじゃない!」
「【中央ダンジョン】は、我のサブダンジョンの一つだ。何もおかしくない」
「あはははは!!」
遊夜は、床を叩いて笑い転げている。
「ちょっと、遊夜。ユティの勘違いの所為で、皇国の人達無駄に死んだんだよ。笑い事じゃないって」
「ユティ教の教えではサブダンジョンも破壊対象だから、別に無駄ではないよ」
遊夜を窘めた私に、小雪がそう言った。
「そもそも、『ユティの勘違いで無駄死に』ってユティ教視点じゃないか。皇国側から見れば、どちらにしろ何の益も無い死だよ」
「そう言う言い方は酷いよ」
「はいはい。全員酷いって事で」
水海が話を強引に終わらせる。
その『全員』に、先程笑いを堪えていた水海達は含まれているのだろうか?
「何、大笑いして! 失礼なガキね!」
「おばさん、ごめんなさい」
「誰がおばさんですって!?」
「おばあさん?」
「違う!」
ユティは怒りに顔を歪め、床を踏み鳴らした。
「何処からどう見ても十代にしか見えない私を『おばさん』だの『おばあさん』だの、頭おかしいんじゃないの!?」
「十代? それは無理がある」
そう呟いたのは、療だ。
「いい加減にしなさい!」
ユティはメイスを出すと、遊夜と療に向かって振り降ろした。
そして、倒れる。
「此処は、非殺傷エリアだぞ」
ローダルク様が、気絶したユティを見下ろして呟いた。
「ローダルク」
暫くして気絶から回復したユティは、ローダルク様を睨み上げた。
「【最も高きダンジョン】は何処にあるのよ! 私が知る限り、最も高いと言えるのは【中央ダンジョン】しか無いのに!」
「【最も高きダンジョン】は、紅星帝国南部に位置する『世界一高い山』サガルマータ山に在る」
「そんなの、分かる訳無いじゃない!」
「麓の国では有名だが」
ユティは、情報収集しないのかな?
「何よ! 馬鹿にして! 直ぐに討伐してやるから、覚悟しておきなさい!」
直ぐって千年ぐらいだろうか? 【中央ダンジョン】だって、三年前まで討伐出来なかったんだよね?
「また勘違いしているようだが、【最も高きダンジョン】もサブダンジョンだぞ」
ローダルク様の言葉に、ユティは怒りに絶句した様子でわなわなと震えた。
「ダンジョンバトルを申し込む! 私が勝ったら、一発殴らせなさい!」
「我が確実に勝利するバトルなど、行う意味は無い」
「やってみなければ分からないでしょう! 怖気付いたのかしら!?」
「それほどしたいなら……」
そうして、二人はダンジョンバトルの準備を行い、勝負が開始された。
ユティは、ダンジョンキラーの使用を許されていた。
しかし、開始早々、ローダルク様が、ダンジョンコアまで一直線に消滅させて決着する。
「こんなのインチキよ! ハンデを寄越しなさい!」
「さて、我が勝利した場合の事を決めておかなかったな。では、一発殴るか」
「でも、非殺傷エリアじゃ……?」
私が尋ねると、ローダルク様は何でもない事のように言った。
「我は、仮想空間だろうが現実空間だろうが、設定変更可能だ」
流石、ガチ神様。私達のような神様もどきとは違う。
「男のくせに女を殴るの!? そもそも、悪いのは貴方じゃない!」
「何百年も生きているくせに、自分が勝手に勘違いしておいて、逆切れ? 少しは大人になりなさいよ」
遊子が、呆れた様に口を挟んだ。
「殺害宣言しておいて、こっちは女なんだから反撃するなんて酷いだと? 甘えてんじゃねーよ」
続いて、天地も口を開いた。
「年上を敬うべきだって事も知らない貴方達に、言われたくないわ!」
「年上殺そうとしているのは、誰だよ?」
「私は良いの! ローダルクも貴方達も皆、邪神なんだから!」
「邪神に敬われて当然って、邪神をどんな性格だと思っているんだよ?」
「邪神に敬われるなら、お前も邪神だな」
「邪神が女を殴らない訳が無いし」
男性陣が寄って集って言い返すと、ユティは顔を真っ赤にして怒った。
「関係無いくせに! 引っ込んでなさいよ!」
「命を狙われている者同士手を組んだので、関係あります」
「屁理屈よ! 皆して、酷い!」
本物の邪神の酷さは、こんなものじゃないよ?
「全方向に敵を作った自業自得だよ」
「まさか、敵は絶対に攻めて来ないとでも?」
「自分だけが袋叩きにする方だと思ってた?」
女性陣も黙っていない。
「煩い煩い! 貴方達がダンジョンマスターなのが悪いのよ! 特別な存在は私だけで良いの!」
煩いと言われて口を噤んだ水海達が【威圧】を発動し、ユティは恐怖の余りか気を失った。
「はっ?!」
ユティが再び意識を取り戻した時には、戦争の決着は着いていた。
勿論、神国の敗北である。
「女神ユティの加護が無かったと、信仰心が揺らいで居るな」
「加護が無くても信仰するのが真の信仰、って良く言うよね」
葬が、そんな事を言う。
「良く言うっけ?」
「聞いた事無い」
「適当言った」
私達が足止めだったと気付いたユティは外へ駆け出そうとしたが、未だ仮想空間なのでそれは叶わなかった。
「ところで、ユティよ。我を殺して何とする?」
「貴方を殺せば、仮想空間でのダンジョンバトルという邪魔が入らなくなるわ。残りのダンマスを殺すのも捗るってものよ!」
「我を殺せば、DP関連は全て終了なのだが」
「どう言う事?」
ユティのその疑問には、同意せざるを得ない。
「DPを得る事も使用する事も、我が提供しているサービス」
何ですと?!
「つまり、地球でよくあるポイントサービス?!」
私は思わず声を上げた。
「然り。ポイントと引き換えに、我が力を行使する」
「え? じゃあ、ローダルク様が亡くなったら、死体の吸収も出来なくなるんですか?」
「左様」
出来なくなるのは、死体等の吸収・ダンジョンの拡張・部屋の移動・眷属の召喚・アイテムの交換・温度等の設定の変更・コール・飲食不必要の生命維持。……後、何かあったっけ?
「死が無かった事になるのも、我の力あってこそ」
ローダルク様が生き返らせてたの?!
「あの、DP関連無くなったら、出来る事何も無くなるような……。私達、本当にダンジョンマスターなんですか?」
「ダンジョンマスターで間違いない。例えるならば、雇われ社長か?」
その例えは違うんじゃ……?




