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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:クリサンセマム皇国(17人) VS 聖剣使い(34人)
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【墓地】

本日二度目の更新です。


カニバリズム。



2018.04.04 一部丁寧語に訂正。

◇クリサンセマム皇国・ダンジョン【墓地】◇


 ダンジョンマスターに転生して、俺の名は、墓守(はかもり)(そう)になった。

 イージーモードのクリサンセマム皇国にダンジョンエリアを与えられ、天領カラーにダンジョンを構えている。


 俺のダンジョン【墓地】は、説明するまでも無いよな?


 天領は、クリサンセマム皇国の君主である天皇の領地だ。この国では、日本と同じく『天皇』が君主の称号となっている。


 カラーには、かつて【中央ダンジョン】が在った。

 その崩壊に巻き込まれた街は、復興される事無く廃墟と化していた。


 俺は、瓦礫等をダンジョンに吸収し、回収されずに残されていた遺骨を、ダンジョンに埋葬した。

 【鑑定】で判った名前を墓石に刻み、骨壷に入れた骨をカロート(納骨棺)に納めた。

 出身地が判れば、遺族を探して返した。希望されれば、此方で引き取った。

 ただ、多くは親兄弟・親戚も此処に在った街に暮らしていたので、墓が減る事は少なかった。


 やがて、各地の災害等で亡くなった無縁仏も、埋葬を頼まれるようになった。



「こんな事を頼める義理ではありませんが、どうか、両親の為にユティ教式の墓を造ってください」


 そう言って頭を下げたのは、元ユティ教徒の少女だった。


「構いませんが、法的に大丈夫なんですか?」

「あ、ありがとうございます! 大丈夫だと思います。私は、両親がユティ教徒だからそうだっただけで、猫が好きだから何時か改宗するってずっと思ってて。ただ、両親は禁教令が出される前に亡くなりましたし……。ユティ教の聖剣使いの所為で亡くなったのが……哀れで」


 彼女の目に涙が滲んだ。

 しかし、まあ、聖剣使い達に言わせれば、邪神を崇める街にいる方が悪いのでは?


「御両親は、何故、この街に?」

「うちは、数年前からこの街で宿屋を営んでいました。ダンジョンに挑む聖剣使い達をこっそり泊めていたんです」


 故・ゴールドマン伯爵に手引きされた聖剣使い達は、討伐完了するまで彼女の両親の宿屋に匿われていたのか。


「それなのに、奴等は【中央ダンジョン】自体まで壊して!」


 ダンジョンだから形を保てていた場合は壊れるが、普通はダンジョンコアを壊しただけでは倒壊しない。


「貴女は、よく無事で……」

「私は、元々暮らしていたゴールドマン伯爵領に残っていましたから」


 つまり、伯爵を通しての神国の命令で、此処で宿を始めたのかな?

 地元の墓は、禁教令に伴って変えられたのだろう。


「なるほど。でも、ユティ教徒のご両親は、ダンジョンに埋葬されたくないと思いますよ」

「あ……」


 少女は、うっかりしていたと気付いて赤面した。


「そ、そうですよね」

「ところで、ユティ教式の墓って、どんな感じですか?」

「あ、はい。墓石に、『○○の全てはユティ神のもの』と刻みます。○○の部分は名前です」


 ああ。神国では、死体吸収しているんだろうね。同意の上だって言い訳の為かな?



「じゃあ、両親の遺骨は持ち帰ります」

「それが良いでしょう」


 俺は、遺骨を骨壷毎渡した。


「見付けてくださって、ありがとうございました」

「どう致しまして」




「紅星帝国の墓って、どんなの?」


 俺は、先日手に入った三人の奴隷達に尋ねた。

 彼等には、墓参りに来た人の案内等をさせている。


「うちの墓ですか」

「半球形に土を盛って、手前に墓石を置く」

「土葬」

「へ~」

「ただ、近年食料難だから……」


 一人がそう口にして、言い淀んだ。


「食べるのか?」

「あ、うん」


 俺が二歳児の姿をしているから、気を使ったのだろう。


「食べられずに埋葬された者は、幸運だ」

「裕福な家庭なら、大丈夫なんじゃないのか?」

「裕福な家だって、客を持て成す為に家人を殺すのさ」

「え? 何で家族を?」

「そりゃあ、家畜だって、良い物食ってる方が良い肉になるだろう?」


 いや。でも、家族だろう? よく殺せるな。

 そう言えば、こいつ等獣人なんだよな……。


「ん? もしかして、味が気になる? 豚とか牛とかと一緒かどうか?」


 俺がジッと見ていた豚獣人が、見られている理由に見当を付けた。


「ああ」

「俺達獣人は、人間の味だよ」

「獣化する連中の味は知らん」


 伝聞形じゃない……。


「ドラゴエルフって、どんな味なんだろう?」

「回復魔法で治せるよな? ちょっと食わせて」

「主人が奴隷に食わせる訳無いだろう!」

「そうでした」


 俺に、食べられる趣味は無い!

 欠損を治せる回復魔法の使い手に食べられたい願望がある人がいたら、食べたい人達は合法的に食べられるのかな?




 深夜。日付が変わった頃。


『皆! 起きろ! 来たぞ!』


 遊戯(ゆうぎ)の強制コールが入ったので起きた俺は、迎え撃つ準備をした。


 うちのメインダンジョンは、アンデッド系モンスターを使っている。

 埋葬した人達は使っていない。埋葬していない人達も使っていないので、念の為。


『いや~! 気持ち悪い!』


 聖剣使い達は、聖剣から魔力を飛ばしてアンデッドをぶった切って行く。

 【女神製ダンジョン訓練所】が在るだろうに、慣れていないらしい。

 ワイトにうっかり捕まってレベルを下げられたり、ドラウグルに鎧を腐らせられたりしながら進む。


 そして、地下四階手前で、リッチとの戦闘になった。

 ダンジョンキラーは聖剣と呼ばれているが、別にアンデッド特効効果は無い。

 なので簡単には倒せず、聖剣使い達の命は削られて行った。

 弱い人間は、リッチを見ただけで死ぬ。

 彼女達はLv40以上あるが、無事ではいられなかったようだ。

 まあ、こいつLv100だからな。



 結局、聖剣によってリッチが倒されるより、彼女達の命が尽きる方が早かった。

 レベル差が高いと、聖剣が有ってもどうしようもないんだな。

 普通に地下四階に入れても良かったんだが、折角リッチ召喚したし、この機会に戦わせようと思ったのだ。


 でも、それなら、何故、【中央ダンジョン】は討伐されたのだろうか?

 高レベルのモンスターに見付からないようなアイテムか魔法でも、使ったのだろうか?

 謎だ。

次から、後編です。

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