【学園都市】
◇クリサンセマム皇国・ダンジョン【学園都市】◇
ダンジョンマスターに転生して、俺の名は、学舎保育になった。
イージーモードのクリサンセマム皇国にダンジョンエリアを与えられ、ライム侯爵領にダンジョンを構えている。
俺のダンジョン【学園都市】は、幼稚園から大学院まで、教育を与えるダンジョンだ。各種専門学校も存在する。
因みに、医学校は、療のダンジョンにあるが、看護学校はうちに在る。
毎日、転移魔法陣で通う事も出来るし、寮に入る事も出来る。寮は、親子用も在る。
皇国は、他国に比べて識字率・就学率が高い。
その為か、より高度な教育を求めてうちに入学する人が結構居た。
「虐めは、虐められる方に問題が有るんですよ」
教員のスカウトにある私塾に出かけたら虐めを目撃したので、注意したらそう言われた。
「虐めを止めろ? 虐められている方が死ねば、良いだけです。それで円満解決ですよ」
「ふーん。じゃあ、俺がお前を虐めるから、お前は死ねよ? 手本を見せろや」
こういう問題がある奴に限って、自殺しないんだよな~。
「は? 何言って! 私は虐められるような人間じゃ」
「臭いから黙れ。はい、これ虐め。じゃあ、死ね」
「冗談じゃない! 誰が死ぬか!」
軽く殴る。
「ぼ、暴力を振るうなんて! 訴えてやる!」
「虐められている方が自殺すれば、円満解決なんだろう?」
「ヒッ!」
おっと、怒りの余り【威圧】が自動発動したか。
気を失いやがって。面倒臭いな。
「さて、お前等。刑罰を受けるのと、謝罪して二度と虐めないのとどっちが良い?」
俺は、虐めっ子達に優しく尋ねる。
「ご、ごめんなさい! 二度としません!」
「謝る相手が違う!」
「ヒィッ!」
子供は素直で良いねえ。
さて、この死にたがりはどうしよう?
自殺教唆だか強要だかよく分からないけど、罪になるのかな?
まあ、連れて行けば判るか。
皇国では、自殺は犯罪だった。つまり、自殺しろとは犯罪しろと言う事で、犯罪強要。
勿論、有罪。
ただ、今回自殺は行われていないので、鞭打ち十回で済んだ。後、私塾は解雇された。
「ただいま~」
「お帰り、マスター」
ダンジョンに戻った俺は、丁度顔を合わせた奴隷に帰宅の挨拶をした。
この奴隷は、先日愚かにもユティ神国に雇われて、皇国にダンジョンの情報を得る為にやって来た奴等の一人だ。
信じても居ない他所の宗教の為に命をかけるなんて、理解出来ない。
彼等が言うには、金に目が眩んだらしいけれど。
「ところで、俺等、何をすれば良いんで?」
「う~ん。どうしようかな?」
正直、奴隷の扱いには困っていた。
うちは学校だから、奴隷にやらせる仕事なんて無い。
普通の学校なら草むしりとか色々あるけど、うちダンジョンだからな~。
何処かに売ろうかな? 遊夜の所とか。
「何か、すっごい嫌な予感が!」
「その予感は、神国に雇われる時に発揮すれば良かったのに」
仕方ない。事務仕事の手伝いでもやらせるか。
深夜。日付が変わった頃。
『皆! 起きろ! 来たぞ!』
遊戯の強制コールが入った。
起きてモニターを確認すると、二人の少女が転移して来て、キメラと遭遇した。
一人が手にした聖剣に魔力を思いっきり注ぎ、キメラを真っ二つにする。
一撃で倒すのはストレスも無くて良いだろうけど、後で魔力切れで困らないのかな? 幾ら交替しても、普通、奥に行くほどモンスターは強くなるんだから。序盤で無駄遣いするのはどうだろう?
彼女達は、四則計算が出来ないと開けられない扉や、歴史――勿論、皇国の――を知らないとパスワードを入力出来ない扉等を、聖剣でぶっ壊して進む。
まあ、これは仕方ないだろう。神国の就学率は低いし、皇国の歴史を知っている筈も無い。
そして、地下四階への階段手前の扉まで到着した。
『全てを失う? どういう意味?』
『そりゃあ、死ぬって事でしょう』
『ああ。ダンジョンに食われて死体も所持品も残らないもんね。……でも、何で態々書いてあるのかしら?』
『挑発でしょう。行こう』
二人は会話を終えると、罠を警戒したのか、この扉もぶった切って階段を下りて行った。
床に、所持品や鎧等の装備品が落ちる。
「ダンジョンキラーを手に入れた!」
聖剣を掲げて呟いてみた。
アイテムを回収してモニターを見れば、武器やレベル等を失った聖剣使い達は、仲間割れをしていた。
『貴女が行こうって言うから!』
『何よ! どうせ、結論は先に進むになるでしょうが!』
近付くモンスターに気付く事無く、キャットファイトを始める。
まあ、当然の事ながら、彼女達は命も失った。
「本当、短絡だなあ」
モンスターが居るのに、武器も防具も失って最初にするのが仲間割れの取っ組み合いって、自殺行為だろう。
「神国は、エリートでもこの程度なのか?」
多分、女冒険者に聖剣を与えただけなんだろうな。
【中央ダンジョン】を討伐した時は、多分、物凄く運が良かったのだろう。
「さて。この分なら、皆も心配いらないだろうし、寝るか」
俺は、寝室へと戻った。




