【植物園】
◇クリサンセマム皇国・ダンジョン【植物園】◇
ダンジョンマスターに転生して、私の名は、草木実花になった。
イージーモードのクリサンセマム皇国にダンジョンエリアを与えられ、レッド侯爵領にダンジョンを構えている。
私のダンジョン【植物園】は、多種多様な植物の展示・販売を行っている。
勿論、地球の物だけではなく、この世界の物も扱っている。
切り花・鉢植え・リース・果物・ジャム等の他に、園芸用品・栽培方法が書かれた本等も売っている。
そして、旬のものは安く、そうでないものは高く売っている。
『ドロボー!』
なのに、盗む人が居るんだよな~。
私は、警報を聞いて溜息を吐いた。
そんなに、盗むのが好きか。
「放せ! 『花盗人は罪にならない』んだぞ!」
「盗んだ奴が言うな。厚かましい」
眷族に捕まり図々しい事を言う男を、私は白い目で見る。
「何だ! 子供のクセに!」
「大人のクセに、泥棒した揚句、勘違いした態度取って恥ずかしくないの?」
「んだとぉ?! 恥ずかしいのはこのダンジョンだろう!? ダンジョンのクセに金を取りやがる! 普通はなあ! 自分で取りに行けばタダで手に入るものなんだよ!」
う~ん。至極ごもっとも。
でも、さっきの態度から考えると、此処がダンジョンじゃなくても盗ったんだろうな~。
「でも、ダンジョンに入る前に説明あったよね? 窃盗等の犯罪行為を行った場合、皇国の法の裁きを受けて貰うって」
「だから! それがおかしい」
「おかしいなら、無罪になるんでしょう? なら、良いよね?」
ダンジョンがおかしいからって、態々罪を犯さなくても良いだろうにね~。
「放せ~!」
男は喚きながら、役人に連行されて行った。
私のメインダンジョンは、最初、幼児ぐらいの身体の大きさでないと通れないようにしていた。
そして、火属性の魔法を当てないと開かない扉・水属性の魔法を当てないと開かない扉……と言う風に全属性に対応する扉を設置しておいたのだ。
更に、入り口は、百kg以上ある像を退かさないと開かない扉付きの台座で塞いでおいた。
台座は、例えるならコップを逆さまに置いた様な造りで、扉が開くと地面に開いたダンジョン入口(幼児大)が見えるのだ。
因みに、ダンジョン入口は普通塞げないんだけれど、扉が付いていて開けるのが簡単ならOKらしい。
百kgの像を動かすのが簡単に分類されるとは、どうなっているんだろう?
でも、ダンジョンキラーで壊されるから意味無いと判ったので、皆と同じようなダンジョンに変えた。
例の扉は使っているけどね。
先日来た紅星帝国人達も、その扉で詰まっていた。
彼等は、ユティ教に雇われていたから奴隷になったけれど、奴隷的な仕事って思い付かなかったから、普通に植物の世話をさせている。
植物の世話と言えば、コドクがじゃが芋を植えたそうだけど、上手く育っているかな?
あ、魔法の【耕作】使うって言ってたから、上手く育つに決まっているね。
是非、品種改良を頑張って、より美味しいじゃが芋を食べられるようになって欲しい。
深夜。日付が変わった頃。
『皆! 起きろ! 来たぞ!』
遊戯の強制コールが入ったので、目を覚ました。
着替えて、モニターを確認すると、二人の少女が扉を壊しながら先へと進んでいた。
使える属性の扉は低レベルの魔法で開けた方が、魔力の消費を抑えられるのに。
聖剣使い達は、マタンゴをバッサバッサと斬って行く。
そして、ジャイアント・ホグウィード(日光に反応し、人体を炎症・壊死させる。数年続く可能性も)、ギンピ・ギンピ(棘が刺さると二年以上、下手をすれば二十年以上、激しい痛みが持続する)等が群生している地下三階へと到達した。
【毒無効】・【解毒】を覚えていたり、万能薬等を持っていたら、突破出来るだろう。
しかし、どうやら、どれも無かったらしい。
私は、メニューの『回収』で地下三階のアイテムを回収・『吸収』で聖剣使い達の死体を吸収した。




