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ダンジョンマスターは神様です  作者: ひつじかい
番外編:クリサンセマム皇国(17人) VS 聖剣使い(34人)
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【夜の街】

◇クリサンセマム皇国・ダンジョン【夜の街】◇


 ダンジョンマスターに転生して、俺の名は、花街(はなまち)遊夜(ゆうや)になった。

 イージーモードのクリサンセマム皇国にダンジョンエリアを与えられ、ネイビー公爵領にダンジョンを構えている。


 俺のダンジョン【夜の街】は、スナックやバー等の飲み屋の他に性風俗店もある。寧ろ、こっちがメインか。

 此処では、奴隷達を働かせているが、この国でも他所でも奴隷が身体を売らされるのは普通だ。

 奴隷省が管理する奴隷は、戦争奴隷・犯罪奴隷・借金奴隷・短期借金奴隷の四種類。他に、違法に奴隷にされた違法奴隷が偶に居るらしい。


 戦争奴隷は、給料を貯めて自分を買えば、奴隷身分から解放される。

 犯罪奴隷は、刑期満了で、奴隷身分から解放される。

 借金奴隷・短期借金奴隷は、借金を返済し終えれば、奴隷身分から解放される。


 奴隷に与えられる仕事は、大抵きつい・汚い・危険な仕事で、男性奴隷が優先される。なので、女性奴隷は、娼館で働く――春を売るのも、きつい・汚い・危険な仕事だとは思うが――位しか出来ない。まあ、うちには男娼もいるけどな。



「どうして、私が身体を売らねばなりませんの!」


 喜んで娼婦になる者は少数派なので、ままならない現実を受け入れられず喚く者も居る。

 親等の借金や親等の犯罪で奴隷になる者は、特に。


「どうしてって、お前の父親が仕事せずに借金したからだろう?」

「お父様を陥れた男が悪いのです!」


 この少女は貴族なので、高級娼婦館で働かせようと思っていた。


「その後、友人知人に紹介された仕事を全て断ったのは、お前の父親だろう?」

「お父様は誇り高いのです!」

「誇り高い奴が、娘を奴隷にするかよ」

「無礼者! それ以上言えば、捕らえさせますわよ!」


 う~ん。どうするかな? 嫌がってたし、出来ればこのままうちに置いてやりたいんだが。


「此処には、身体を許さない仕事もあると聞きましたわ!」

「お前、父親の借金額が幾らだと思ってんだよ?」


 どうしても身体を売るのが嫌なら、仕方ないな。あの男に売るか。


「お前を身受けしたいって貴族が居る」

「あの男でしょう!? 絶対に御免ですわ!」


 こいつが奴隷になる前、こいつとの結婚と引き換えに援助すると言われていたらしいが、人間性が受け付けないとかで断ったんだそうだ。

 他に援助の話は一切無かったらしいが。普通の縁談も無かったそうだが。


「身体を売りたくないんだろう? 良かったな。売る前に身受けされて」

「嫌だと言っているでしょう!」

「じゃあ、手続きして来るから」

「止めなさい!」


 少女が掴みかかって来たがヒョイと避けて、俺は奴隷省に向かった。



 少女は奴隷身分から解放され、貴族の男に連れられて去って行った。

 俺が調べた限りでは、彼に変態趣味は無いし・性格も真っ当だった。【鑑定】でも人格障害とは出なかったし、どの辺りが受け付けないのか不明だ。顔は人間性には含まれないよな?


「何で駄目なんだよ!? 俺は客だぞ!」


 受け付けが騒がしいので行ってみると、一人の男が眷族に詰め寄っていた。


「ですから、性病をお持ちの方は、お通し出来ません」

「性病が怖くて、娼婦が抱けるか!」


 何言ってるんだろう?


「お前は性病を娼婦に感染させたいのか? 商品損壊は罪だぞ。牢屋に入るか?」

「何だ、このガキは?!」

「マスター」

「『マスター』だあ? このガキが?」


 この国ではダンマスは畏れられているのだが、中にはこういった恐いもの知らずも居る。


「ブルー侯爵領のダンジョン【病院】で治してから来い」

「ふざけんな! 俺は客だぞ! 客!」

「娼婦に病気を感染させるつもりなら、お前は客じゃなくて犯罪者だ。ゴールドマン伯爵と同類だ」

「あんな奴と一緒にするんじゃねえ! あいつの所為で!」


 ゴールドマン伯爵に何か恨みが有るらしい。男は激高した。


「病気を広めた伯爵とこれから広めるお前と、何が違うんだ?」

「俺は……。だって……。感染するとは限らねえし……」


 男は、同じと気付いて愕然としたのか、勢いが無くなった。


「ゴールドマン伯爵も、ペストがあんなに広がるとは思っていなかったかもなあ」

「……帰る」

「ちゃんと【病院】で治せよ。治ったら問題無いんだからな」


 俺は、足取り重く帰って行く男に、そう声をかけた。



 ゴールドマン伯爵で思い出したが、数日前にユティ教に雇われた紅星帝国人を捕らえた。獅子獣人・牛獣人・鳥獣人の三人だ。

 彼等は皇国の法律によって裁かれ、犯罪奴隷になったので、うちで男娼として働かせる事にした。

 他のダンジョンでは普通の雑用をさせているだろうから、ちょっと可哀相かもな。


 可哀相と言えば、前世で友人だったコドクだ。

 仲間内で一人だけハードモードのユティ神国にダンジョンエリアを与えられて……。

 訂正。敵地にダンジョンエリアを与えられて……。

 敵が居なければ、ハードモードでも大して問題は無い筈だ。


 ユティ教は、ダンマスを邪神として滅するべきと説いている。信者達は、ユティもダンマスだとは思っていないようだ。

 そんなに俺達に邪神であって欲しいのならば、今後もしユティを捕らえたら、望み通り邪神の如く触手モンスターにユティを与えてやろうと思っている。




 深夜。日付が変わった頃。


『皆! 起きろ! 来たぞ!』


 遊戯(ゆうぎ)の強制コールで起こされ、メインダンジョンのボス戦部屋に待機する。



 侵入者は、聖剣を持ったのが一人・持って居ないのが一人だった。

 聖剣の使用に魔力を必要とするので、交替して使うのだろう。


 聖剣使いは、襲いかかる触手モンスターを、奇声を上げながら無駄に魔力を込めて斬り捨てて行く。

 セックスしないと出られない部屋も、壊されてしまった。


 直ぐに二人は、地下四階へと続く階段の手前の部屋に辿り着いた。

 其処には、インキュバスが居る。


『そ、そんな……。聖剣の攻撃が効かない?!』

『残念でしたね。私には、女性の攻撃は通用しません。寧ろ、力になります』


 二人は、女性に攻撃されてパワーアップしたインキュバスに眠らされた。


 俺は、其処に転移してダンジョンキラーを拾い上げた。

 ダンジョンキラーによる攻撃も、女性が振るうのならば通用しないとは、思惑通りだ。

 それなら、こいつをユティ暗殺に送れば良いんじゃないか?

 ふむ。後で提案しよう。

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