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「ヨホホホ! 圧勝じゃわいなぁ〜」
ゼロにゴーレムの攻略方法を聞いたジジイにとって、それはもはや敵では無かった。【裸の王様】で近付いて弱点部位を破壊。剥き出しコア目掛けて手投げ弾を撃ちまくる簡単なお仕事だ。
本来パーティープレイを想定してのHP設定のボスモンスターだが、ジジイのイカレ火力なら1人でも余裕のゴリ押しで勝利出来た。
「ぬぅ、やっつけても渦巻き出んか」
ダンジョン攻略目的はそもそもノームへの手掛かりだったわけで、もしかしたらサイクロプスの時の様に倒せば転移ポーターが出現するかもと期待していたジジイ。残念ながら転移ポーターは出現せず、ガックリと肩を落とした。
そんな意気消沈の中、ジジイにフレンドコールが届いた。
「おろ? ユキちゃんかい。なんか用かの?」
「あ! お爺ちゃん! 私、お爺ちゃんに聞きたい事があるんだよ!」
「ほぅ、聞きたい事とな?」
「あのね、精霊様の事で――――」
時をさかのぼる事、ジジイがゼロにゴーレム撃破情報を聞いて別れてからの事。走り去るジジイの背中を見送るゼロに話掛けてくる者が。
「やっほー。ゼロさーん。何してんのこんなとこで」
ササメユキである。
「おうササメユキか。今ちょっと爺さんと話ししてたとこだ」
「お爺ちゃんと?」
「ゴーレムにやられて死に戻って来たんだよ。だから攻略方教えてやった」
「あちゃー、ゴーレムかぁ。確かに攻略方知らないと厄介だよねぇ」
「あら? ゼロさんにササメユキさん?」
と、今度はソフィーまで現れた。
「江藤さん!」
「ソフィーが草原の街に来るとか珍しいな」
「いえ、少し前まで森林エリアでお爺さんのクエストに付き合ってたのですよ。それで別れた後にたまには覗いてみようかなと思いまして、来たらお二人がいました」
「お爺ちゃんのクエスト手伝ってたの?」
「つー事はゴーレムか? いや、違うか、お前が手伝ってゴーレムには負けねぇわな」
「はい、ゴーレムではありませんね。それが森林エリアのイバラ姫を解放したんですよ!」
「うっそ! マジか!」
「えぇ!! イバラのお姫様を!? お爺ちゃんと2人で!?」
流石に斜め上の情報に驚くゼロとササメユキ。そんな2人にソフィーは続ける。
「それがあのお姫様、何と風の精霊様だったんですよ!」
「嘘ぉぉぉっ!! 精霊様!? 江藤さん教えて教えて! アタシ精霊魔法覚えたいぃぃ!!」
ササメユキは種族エルフで魔法職。精霊魔法なぞ垂涎の極上情報だ。身を乗り出してソフィーに詰め寄る。
「ご、ごめんなさい、教えて差し上げたいのは山々なのですが、私もほとんどわからなくて」
と、ここでソフィーはあった事をわかる範囲でありのままに教えた。
「つまりだ。爺さんはおそらく精霊関係のチェーンクエストの最中で、何かしらのアイテムを求めている。風の精霊はそのアイテムを持っていなかったと。んで、風の精霊以外に水の精霊にも会っているって事だな」
「はい。風の精霊様解放後、お爺さんにしか見えない転移ポーターが出ていたようですね。ですから水の精霊様に会うのがチェーンクエストの始まりなのでしょうか?」
「水の精霊様もいるのかぁ〜、江藤さん! そっちの情報は?」
「すいません、残念ながらまったく」
「そっかぁ」
気を落とすササメユキ。そんな彼女を不憫に思ったのかソフィーが提案する。
「あの、教えて貰えるかわかりませんが、思い切ってお爺さんに聞いてみたらいかがでしょうか?」
「お爺ちゃんに? 直接?」
「はい、もちろん相応の対価をお支払いする必要があるとは思いますが」
「でもでも、Gで換算したらどんくらい? かなりヤバめの情報だよ?」
「私達3人で出し合えば何とかなるのでは?」
「俺も入ってるのか? それ」
「な〜に〜ゼロさ〜ん。連れないじゃ〜ん」
「いや俺、魔法職じゃないし」
精霊魔法とか言われてもなと、大盾大剣ゴリゴリのインファイターゼロにしてみれば、もっともな反応だ。
「いや、ゼロさん。魔法職では無いと言う部分ならお爺さんもですよ? 気になりませんか?」
「なるほどな。確かに……………… よし、その話乗った」
しばし熟考したゼロは、ジジイの突拍子も無い何かの一端に触れる事が出来るかもと、話に乗る事にした。
「やっりぃ〜! じゃ、お爺ちゃんに早速コールしてみるよぉ」
「あ、一応言っておくが、爺さんの説明はかなりフワッとした説明だからな、まるっと理解出来るとか思うなよ」
「オッケー! それじゃしてみる〜」
こうしてササメユキはジジイに連絡を入れたのであった。




