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「うんそう! 水の精霊様は何処で会ったのか知りたいの! お爺ちゃんが知ってるって聞いたからさ! もちろん情報料はちゃんと払うから教えてくんないかなぁ?」
ササメユキは水の精霊に会いたい旨をストレートに伝えてみる。
「情報料なんぞいらんわい。うんでーねちゃんなら草原の湖のほとりじゃ。テラスで茶をすすっとるぞい」
草原エリアに湖なんて無いけどなぁ…… テラスでお茶…… やっぱりわかんない。
ジジイは転移ポーターで移動した事については言って無いのでこうなる。別に悪気があって教えて無いわけでは無い。『何処で会ったのか?』と聞かれたから会った場所をただ言っただけなのだ。
「う〜ん。ちょっとわかんないなぁ、なんて言うかこう、どこそこに言ったら行けたぞ! みたいなの無いかな?」
「渦巻きに入るんじゃよ」
「渦巻き? 転移ポーターの事だね。えっと、その渦巻きは何処にあるの?」
「1つ目小僧やっつけたら出たぞい」
「1つ…… サイクロプスだ! あれ? でもアタシも何回も倒してるけど渦巻きなんて出ないけどなぁ」
「ほぅ、なんでじゃろの」
「なんかさ、倒した時こんなだったとか無いかな?」
「ぬぅ…… どうと言われてものぉ…… ちゃっちゃとやっつけただけじゃしのぉ」
「ちゃっちゃとかぁ。特に変わった事はして無さそうだねぇ。うん、わかった。お爺ちゃんありがとう。少し色々と試してみるよ!」
「あんまり役に立てんですまんの」
「そんな事無いよぉ〜。また聞きたい事あったら連絡するねぇ!」
「あいよ〜。またの〜」
出来うる限りの情報は引き出したが、肝となる部分がどうにもわからない。ポーターの出現条件だ。
「どうだった? 情報聞き出せたのか?」
「うん、八割くらいかな」
「また微妙な。何かわからない部分もあるのですか?」
「うん。サイクロプスを倒すと転移ポーターが出る。これは確定。ただそのポーターの出し方がサッパリ」
「サッパリって、爺さんが出したのにか?」
「う〜ん。狙ってやったと言うより、なんか倒したら勝手に出た。みたいなニュアンスだったよ」
「それは困りましたね。手掛かり的なものは何も無しですか……」
「ちゃっちゃと倒しただけだからわからんて言われた」
「ちゃっちゃとなぁ。爺さんらしい表現だが」
「待って下さい。それ、答えなのでは?」
「うん? つまりどういう事だ?」
「タイムアタック的な? 何分以内撃破とか?」
「なるほどぉ〜! 江藤さん冴えてるぅ」
「なら話は早いな。俺達3人掛かりなら爺さんより遅いって事は無いだろう。善は急げだ、早速行ってみようぜ」
流石は歴戦のトッププレイヤー達である。おおよその見当がほとんど正解だった。ただ、まだソロ狩りの答えまでは導き出せていないが。
サイクロプス撃破のタイムアタック。ダンジョンとはいえそこは草原エリアのダンジョン。苦戦などはまるでしない。サクサクと歩を進め、サイクロプスもあっという間に撃破したが。
「出ないな」
「出ませんね」
「遅かった……とか?」
もちろん転移ポーターは出ない。
「かなり早いと思ったがな」
「とりあえずもう1度チャレンジしてみますか」
「そーだね。もっかいやろう!」
で、サイクロプス撃破。
「やっぱり出ないな」
「相当早かったですよ今回」
「お爺ちゃんがこれ以上早く撃破出来たって事?」
「いやいやいや、それは無理だろ」
3人掛かりで本気の本気で急いだのだ。当然べらぼうに早い。いくらジジイの火力がズバ抜けてようが、そんな問題では無い。
「となると、タイムアタックは関係無かったとかですか……」
「かもな。俺達3人掛かりのこのタイム以上って事は考えられん」
「だよねぇ。アタシ達3人よりお爺ちゃん1人の方が早かったら自信がグラつい……ちゃ…… そっかぁ! そこだ!」
「え!? ササメユキさん、何か気付いたのですか?」
「お爺ちゃんは1人だったんだよ! アタシ達と違って!」
「あ! なるほど! そう言う事ですか!」
「つまりソロでタイムアタックって事か」
「うん! やる価値はあると思う」
と、言うわけでパーティーを解散するとそれぞれがダンジョンへと再び潜る。例え1人といえど、ここらで手こずるレベルでも無い。3人は順調に歩を進めると。
「ダッメだぁ〜! 出ない〜!」
「お疲れ。お前もダメだったか。俺もだ。好タイムだと思ったんだがなぁ」
ゼロ、ササメユキ共に転移ポーターは出なかったようだ。
「道中はダメージ無視して突っ走れるけどなぁ、すこしサイクロプスに3人の時より手こずるのがマズったのかもな」
「アタシはサイクロプスは大魔法で素早く処理出来るんだけど、流石に被ダメ無視して道中走るってのは……」
どうしたってお互い得手不得手と言うものがある。決して悪いタイムでは無い。むしろ好タイムだ。しかし隠しクエストの転移ポーターがそうやすやすと出るわけにはいかない。トッププレイヤーでもかなりシビアな設定なのだ。
「あれ? でも江藤さん遅いね?」
「俺達より遅いって少し変だよな。まさか?」
とか噂をすれば、満面の笑みでソフィーが戻ってきた。
「お二人とも! 出ました! ポーター! お会いしましたよ水の精霊様に!」
ついに朗報が訪れたのだ。




