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ついに安全に手投げ弾爆殺プレイが可能になったジジイ。身体中の穴と言う穴から、汁という汁を垂れ流して歓喜した。
そしてまた爆殺の毎日を――――
とはならなかった。それよりもジジイはカスタムクラフトの可能性に興味が引かれたのである。
自分のやりたい事に忠実なジジイ。暫くの間、引き篭もりジジイとしてクラフトに没頭していた。
爆発物はもちろん、今まで貯めてきた素材をクラフトしまくった。時にはなかなか優秀な装備なんかも作れたが、タンスの肥やしとして封印はもはや安定だろう。
「さてさて、とりあえずはこんなもんじゃろかい」
散々作り上げ、ようやくクラフトに一区切りを付けたジジイ。自分にはまったく役に立ちそうも無いものから、爆発物に至るまで結構なラインナップである。
「まさか手投げ弾が濃縮対象じゃとはのぅ。マックス濃縮はスリングショットでも安全圏が確保出来んとは…… これも何とかせにゃならん課題じゃの」
他に有用視しているのはTNT爆薬、各種地雷。クラスター爆弾など、物騒この上も無い。
「うひひひひ、さてさて何処ぞで爆発させるかのー」
本当に物騒この上も無い。
ジジイが恍惚とした表情でヨダレを垂らしながら爆発物を眺めて、エリア進めるのも有りじゃのーとか考えていると、運営からのお知らせが届いた。
◯月☓日△時 イベントを行います。
拠点防衛イベント【四神の脅威】
四方から襲い来る四神軍団から拠点を守れ!
プレイヤーはランダムに複数のサーバーに振り分けられます。拠点防衛ポイントを競い合い、より優秀なサーバーに豪華賞品が授与されます。
奮ってご参加下さい
「なんと!? またしてもイベントとな? ぬぅ、しかし前のイベント報酬しょっぱかったからのぅ…… 参加するのやめたろかな」
いやいやいや、前イベ報酬【退魔の宝剣】はしょっぱいどころかぶっ壊れ性能である。
とは言うものの、確かに報酬が装備も出来ない武器だったジジイからみれば、しょっぱいと言われても仕方がない報酬である。何しろ使用した爆弾の数量が延べ10万。二の足を踏むのも頷ける。
ジジイが参加するか否か、考慮しているとコールが届いた。ゼロである。
「コオロギさんお疲れ様です。コオロギさんはイベント参加するんですか?」
「おお兄ちゃんかい。どうしよう思ての。またぞろしょーもない報酬もろてものぉ」
しょーもない報酬て…… 【退魔の宝剣】はぶっ壊れだろ。
相変わらず理解しきれないジジイの感覚に、ゼロは苦笑し続ける。
「とりあえず参加するのを俺はお勧めしますよ。こういうのはお祭りみたいなものですから、大勢でワイワイするのも楽しいもんですよ」
「なるほどの! 踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損じゃな」
「はい。もし同じサーバーに入れたら一緒に踊ってやりましょう」
「おうよ。ほなの」
ゼロからの通話を切るとジジイは思った。
「サーバーってなにかの?」
まだまだジジイを甘くみているゼロだった。
そんなわけで一応イベントへの参加を決めたジジイ、そうなってくると必然やる事は決まっている。
爆弾の量産である。
前イベの事を考えるなら、余りにも残弾が少ないのだ。
「いっぱい作らにゃならんの。ほうじゃ! 新作の爆弾やら地雷やらイベントで使たろ! そうと決まれば素材集めからじゃ〜」
ジジイは方針を決めるといざ素材集め。やはり主戦力は手投げ弾であろうと火薬を掘りまくった。
クラフトに移ると濃縮別に量産体制に入る。
拠点防衛と聞いている為に、地雷などは有用なのではとも考え、たんまりと用意する事にした。
「な、なぁ便所コオロギの、アンタ戦争でもおっ始めるつもりか?」
その圧倒的な爆発物の物量を見て、冷や汗を流す工房の親方。
「似たようなもんじゃ。拠点防衛なんじゃと」
「そりゃまた御苦労なこったな。何にせよ頑張ってくれ」
「あいよ。ところで親方、クラフト資金がもっといっぱい欲しいんじゃが、なんかこう、がっぽり儲かる方法ないかの?」
「がっぽりか……。ならクラフトしたアイテム売っ払うのがいいと思うぞ。物によっては高値の付く物もある。鉱石関連なら宝石も作れるしな」
「なるほどの。銀鉱石やら金鉱石も掘れちょるし、いっちょ作ってみるかの」
で、ジジイが実際作った貴金属はかなり高値で売れた。クラフトレベルだけならトッププレイヤーにも劣らないのだ、品質は折り紙付きである。
「資金難も解消出来たの! イベントまで気張ってクラフトするぞい!」




