第陸漆話 Revolt
私は倒れた2人に目もくれず、白蛇に炎熱を載せた気弾を撃ちつつ、草の本体に向って突進する。
バチュン!!
気弾は白蛇に穴を開けて突き抜けたが、すぐに穴は塞がってしまった。ダメージがあるようには見えない。
「これも通用しないか。ならば!」
草の本体に向けて火炎を載せた気弾を打ち出す。
ジュジューーーーー。
白蛇がすぐに身を挺して気弾を受け止めると、簡単に炎を消されてしまった。
しかし、白蛇が横に動いたので、一気に胴体を飛び越えて本体へと迫る。
体勢を立て直した昭二と誠も追いかけて来る。白蛇も進路を変え、こちらに向ってくる。
私は結界を解き、全速力で本体目掛けて走り込む。
一瞬早く、私が到着するかに思われたが、本体の茎からは、新たな虫の群れが湧き出していた。
「まずいっ!」
手で顔を覆うのがやっとだった。赤黒い虫の群れに集られる。昭二と誠に気弾が打ち込まれ、とどめに白蛇が頭から私を飲み込もうとしていた。
その刹那、
バシュン!!
私の気が膨れ上がり爆発した。
結界を解いたのは、走るのに集中するためではなく、丹田に気を練るためだった。この気を使って涅槃寂静を発動させたのだ。
虫たちは弾け飛び、昭二と誠はその場に膝から崩れ落ちた。しかし、白蛇はふっとばされたものの、ダメージを負った様子は無かった。
「『とっておき』が台無しだな。」
思わず愚痴る。しかし、
「う、う、ううっ、何が起こったんだ。」
昭二が正気に戻ったようだ。誠はまだ倒れている。
「昭二!動けるか!?」
「はい。なんとか!」
「俺はもう動けん!礼次に合図を送って、誠を連れて離れろ!!」
「何をおっしゃるんですか!?
動けない首領様を置いて、逃げるわけがないでしょう!?」
「今は時間が無いんだ!!
ワシの言う事を聞け!!!」
「・・・・・・わかりました。」
渋々答えると、上空に向けて水流を噴水のように打ち上げた。舞い散る飛沫に虹が浮かぶ。
昭二は誠の元へと向かう。しかし、逃げようとせず、目を覚まさせようとしている。
「おい!何をやっている!!
離れろ。命令だ!!」
「そんな命令は聞けません。
そんな事をしたら、こいつに愛想を尽かされます。」
と言うと、私に向かって突進して来た。
「やめろ!うわっ!!」
体当たりを食らって、吹っ飛ばされた。昭二が今、ヒビ割れのある地点に立っている。
そこへ向けて、合図を受けた礼次が突っこんで来る。すぐあとをつぎはぎの化け物が追う。
あと少しと言う所で、突如、礼次がスピードを緩め化け物に飲み込まれた。
「えっ!!!」
何が起こっているのか、一瞬だけだが、全くわからなくなってしまった。




