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福見福子の最終定理 第1章 始まりの仮説  作者: 黙定六
始まりの仮説
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第陸捌話 Steam explosion

そのとき、


「心を強く!!」


 礼次の声が村中に届くほど大きく響き渡る。

 この声に呼応し、昭二は自ら化け物に飛び込んで行く。


「アレをやれと言うのか!!」


 私は激痛の走る全身の経絡を再び酷使して、残った全ての気を錬る。

 すると、化け物の体がみるみる小さくなって行く。そして、ヒビ割れの場所に飛び込んできた。


 そのタイミングで地面が盛り上がる。


「今です!!!!!」


 誠の声だ。


「フン!!!!!!!!!」


 誠が盛り上げた土に、極大の炎熱気弾を撃ち込んだ。





「ドゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!」

「キュイーーーーーーーーーーーーーーン、、、、」





 盛り上がった土が一瞬でマグマになり、そこに化け物が飛び込んだ瞬間、大爆発が起こる。

 一瞬で半径5mほどまで爆風が広がるが、そこから一気に収縮し、あっと言う間に消えてしまった。


 礼次が空気の壁で周囲を覆った中を、昭二が水で満たし、それに誠と私が作ったマグマを放り込む事で水蒸気爆発を起こす。

 四位一体で放つ、最高威力の奥義『甕速(みかはや)』という技が炸裂したのだった。

 そしてその爆炎は、化け物の中の穴へと吸い込まれていった。





 爆炎が消えた地点をみると、一見すると焦げ跡すらない地面が平然と横たわっていたが、よくみると、半径50cm程の地面が、半透明に透けているのが分かった。


 激痛が走る体を引き摺り、穴の縁まで歩いて行くと、穴の向こう側から同じように縁に立ってこちらを覗いている昭二と礼次の姿が見えた。2人は、この地面の裏側に立っているようだった。


「無事だったか!!」


 声をかけるが、2人は微笑んでいるだけだ。


「聞こえないのか!?」


 返事はない。

 その場で跪いて、穴に手を入れようとするが、地面の感触に阻まれるのみだった。


「首領様には、まだ、こちらでやるべき事がございます。」


 誠の声がする。

 誠は周囲に飛び散り再生した草の化け物を集めている。ヒビ割れから離れたところで再生した株は、ただの雑草になっていた。それらの根を千切らないよう、丁寧に掘り起こしている。土属性で土を操って。


 そして、全ての株を集め終ると、静かに穴の方にやってくる。そして、


「ちょっと、行ってまいりますね!」


 優しく私に声をかける。

 そして、気絶したままの司と、その傍に付き添う翔太に、愛おしげな視線を送ると、そっと目を閉じ、穴に飛び乗るように、ちょこんとジャンプした。

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