↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/11

殿下を私のものにしたい


 その後私の部屋をアーティファクトに記録させていた為殿下に瞬間移動での帰宅を強制的にさせられました。


 私はもう少し殿下と出かけたかったのですが血塗れで出歩くのは周囲の人間を驚かせてしまうので無理なのはわかっています。


 でも殿下と外に出掛けられなくとも殿下と一緒に居たかったので引き止めることにしました。

 殿下と一緒にいることで初めて私は興奮という人間らしい物を手に入れられた。だからもっと殿下といれば私は人間らしくなることができるのではと思ったのです。


そして私を部屋に送り、椅子に座らせると自分はそこから去ろうとしている殿下に声をかけました。


「殿下、今日はお父様が1日空けているので屋敷には誰もいないんです。一人になりたくありません。」


私がそう言うと殿下は何も言わず泣きそうな罪悪感に支配されたような顔で私の手を強く握ります。


「…公爵が帰ってくるまで部屋にいるから」


殿下がポツリと言った瞬間また私は激しく鼓動する心臓を感じました。


 殿下が私だけに感情を向けて私の為に行動してくださっている。殿下という1人の少年が私の物になったかの様な高揚感に包まれました。


 しかし殿下は一度会っただけの私を憐れみ外に連れ出したのは、殿下は自分にとっての善い事を誰にでも差し出す偽善者であったから。外はいいところなのに外に出ない私を可哀想と考え殿下は連れ出したのです。そんな人は今現在は私に色んな感情を向けてくださっていても、少ししたら別の人へ殿下の感情というか興味が移ってしまうでしょう。


 そしたら今感じているこの高揚感も何もかも全てが無くなってしまう。

殿下がずっと私のことだけ考えてくださるようにすることはできないかと。


 私のこの執着は人間らしい感情のようなものを求めてなのか、それとも殿下を求めているのか。

そもそも今までお父様にも優しくしていただいていたのにこの様な執着が湧いたのは殿下だけだったのはなぜなのでしょうか。

 もしかしたら初めて外に連れ出してくださった人でもともと特別だったのに関わらず、初めて私だけの為に想ってくださったことでずっと私だけを想って欲しいと考えてしまったのかと私の思考を推測します。


「ルリア嬢、本当にすまなかった。俺が今回連れ出したせいでこの様な目に合わせてしまったこと詫びる。」


殿下は相変わらず暗くてさっきも泣いていたのにまた一筋涙が頬を伝っていくのが見えました。


「いえ。今回私は生まれて初めて外に出て見るもの全てが新鮮で楽しかったです。それに殿下と話しながら街を歩く時間も心地よかったです。」

「ずっとお父様は忙しいくてあまり時間がなくてずっと1人で寂しかったので、殿下さえよければまた私と一緒に出かけてくれませんか?」


私の言葉を聞いて殿下は一気に顔を明るくさせ頷きます。


予想通りの反応で何より、殿下が求めているであろう反応で私は言葉を返したのですから殿下の反応も予想していました。


 お父様は忙しい中でもできる限り食事の時間だけはと時間をとってくださいますし、時々庭園を連れてってくださいますので滅多に会わないというわけでもありません。

それに私は寂しいという感情は感じたことはないですし、外の世界への興味も知識知っている物と現実の違いを知りたかっただけです。


 それでも私がこんなことを言うのは自分を寂しい思いをしている可哀想な少女ということにすれば殿下は自らの善という手を差し伸べようとするでしょう。

 それが私が見ていた殿下という人ですから。


「5日後にまたアーティファクトで私に会いに来てください。今日のようにお父様が忙しくて屋敷にはいらっしゃらないので。」


私が笑顔を作り次回の約束をしようとしていますと殿下がなんだか口籠りつつ言葉を紡ぎます。


「なあ、好きなものあるか…?次回プレゼント用意してくる。」


急に出たプレゼントという単語に驚きつつも私は作った笑顔で返します。


「好きなものというのならば殿下は何も持たずに来てくださって構いません。私は殿下が好きなので」


すると殿下は顔を真っ赤にして大きな声をあげました。


「女が簡単にそんなこと言ったら駄目だろ!」


思わず出てしまったというようなその怒鳴りを声にしたあと殿下はハッとして、


「あ、えっとでけえ声出してわりぃ…」


とさっきとは打って変わってか細い声で申し訳なさそうにしました。


殿下は自分のせいで私が血塗れになるような事になって負い目を感じているのでしょう、言動一つ一つ気を使いながら話しているのが伺えます。


「殿下、私はしおらしい殿下より少し粗暴になろうとしつつ粗暴さが滲み出ている殿下が好きですよ。」

「…うるせぇ一言多いんだよ。」


 私がそう言うと殿下は少し嬉しそうな顔をしつつ拗ねたようにそっぽを向きました。


 殿下が感じている負い目につけ込んで殿下に私のものになってもらうのは簡単な方法だと思います。ですが私は心を開いて全て曝け出した本当の殿下を私のものにしたい。


 だから殿下は何も気が付かないまま沢山の感情を私だけに向けて私のものになってください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。