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【完結】乙女ゲームの表と裏  作者: あまつ冴
10 【閑話】フェルディオとナナの旅路
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得意な魔法は?

 馬車の中はミントの香りで充満しているが、ナナはぐったりしている。それでも、馬車酔いは今までより軽いかもしれない。


気を紛らわすために何か会話をしよう。


「ナナは風魔法が得意なの?」

「ええっと、攻撃魔法は全属性使えるけど、魔力温存のために主に風魔法を使ってる」


魔法は無から有を生み出すときに魔力を多く使用する。近くに火や水が無い場合、火や水を生み出さないといけない。土の地面があれば、その土を利用して攻撃や防御魔法にできる。魔力消費量は無から有にする魔法の1/3。風は常にあるためどんな時も利用できる。

「風魔法は応用も利くし便利だから」

「ふーん。自分を吹き飛ばしたりとか?」

「あ、あれは…仕方なかったの」

ザッオールとの手合わせで、負けたようにみせる演出をしてたが、あんなに飛ばなくてもよかったのではないか…、と思う。

「あの時は、初めてナナを抱っこをした記念日だね」

「記念にするなっ」


 ナナは途中の町で買ったクッションにもたれている。

私ではダメか?と言ったのだが、ダメ!と言われてしまった。

「ルディは?」

「んー…。攻撃系は一通り使えるけど、やっぱり火かな。私も、魔力温存のために、風魔法をもっと使えるようにしよう」

勉強になった。魔力温存も一理ある。戦いで1番懸念なのは、魔力の枯渇だ。パートナーの剣がいるとはいえ、魔力が枯渇すれば、補助も攻撃もできなくなる。どれだけ効率よく魔法を使えるかが大切。

「ナナ、雷を剣に集中させたのは、アレも風魔法?」

「そう、雷は高くて尖ってるところに落ちるんだけど、剣を掲げて雷を剣へ落として、あとは風の向きを替えて吸い込む感じにしたの…うまくいってよかったぁ」

「吸い込む…か。思いつかなかったな」

まだまだ、ナナから学べることはありそうだ。自由な発想と応用。


 もうすぐ私の国の王都に着く。学園も始まる。

「ナナ、選択の儀式はどうする?」

「ずっと悩んでいたんだ。でも、わたしは…」

まっすぐ、強い眼差しを私に向ける。

「剣にする!」

この強い眼差しが好きだ。揺らぎない信念で、誰かの為に、自分の為に。

「そうか。では、急ごう!」

「え?えぇ〜!」

ナナの隣に座り、ナナを抱えて自分の膝に乗せた。

「着いたら、私の父に挨拶と、学園の準備だな」

「ちょっ…、なんで膝に乗せるの〜!!」

御者に合図を、送る。

「これからスピードを速めるからさ。膝の上なら揺れが緩和するだろ?」

顔が真っ赤になると、抱えたクッションに顔を埋めてしまった。…クッションに嫉妬してしまいそうだ。

「外から見られちゃいますぅ〜」

「外からじゃわからないよ」

徐々に速くなり、揺れも激しくなる。一瞬馬車が跳ね上がった。

「ひゃぁ!」

ずっと、触れることを我慢してきたが、今なら大丈夫だろう。

クッションごと抱きしめ、頭を撫でた。

 今は、これくらいでいい。私が触れることに、徐々に慣れてくれれば。



 ナナの住み慣れたところから離してしまった。寂しい思いをさせるかもしれない。

 私の国に連れて来たのは………

           私の……わがままだ……



読んでくれてありがたい。ここで完結です。

『ゲームの続編』としてのストーリーを考え中です。

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