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【完結】乙女ゲームの表と裏  作者: あまつ冴
7 それぞれの思い
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15/25

リリアーナの不安

 夏季休暇が終わり、新学期になった。


新学期になって、イザベラを見かけることが、ほとんどない。2階の廊下を歩く姿を一瞬、見かけたと思ったら、別の生徒で見えなくなって見失うことが多々あった。


ーイザベラからの嫌がらせはない。


 ザッオールの気持ちは私にあるが、【悪役令嬢】から何もないと不安な気持ちになる。

ザッオールの気持ちを受け取ったときのことが、胸に残り不安な気持ちは薄くなるが、何もない日々が続くとやはり(イザベラが邪魔をしてくる)と考えてしまう。


 失敗になったイベントもある。もしかして、好感度が足らなくて、最終的にハッピーエンドにならなかったら……どうしよう。


 イザベラ…は……悪役になってもらは…ない……と…


 わたし…は……ヒロイン…!


 みんな……に…愛される……存在!


ふらふら歩いていると、見覚えのある……階段…

階下にこちらに近づいてくる、聞き覚えのある声がする。ザッオ…ール…

「あぁ!」

何かに押された感じがした。体が宙に浮き、下へ……


……落ちる!


遠いけどザッオールと目が合った。目を丸くしてる。

「あぶない!」

このまま階下の床に叩きつけられる、と思ったが風が体を纏い(まとい)、抱えられた。

目を開けると、イザベラの騎士。

……なぜ、ここに?

「お怪我はないですか?」

やさしく声をかけてくれる。

「リリアーナ!」

ザッオールが駆けつけてくれた。落ちた階段を見た。そんなに段数はないけど、でも、怖かった。


この見覚えのある階段……イベント!【悪役令嬢】とヒロインのイベントだ!


「ぃ…イザベラ様です!わ…私を後ろから…押したんです!」

「なに!?」

勢いよく捲し立てる私を、抱えている騎士が背中をさする。

「落ち着いてください。貴女が落ちた時、誰もいませんでした」

「で、でも!」

「リリアーナの言うことを疑うのか!?」

騎士は私をゆっくり降ろす。ため息が聞こえた気がした。

「殿下も落ち着いてください。イザベラお嬢様は、今、王城にいます」

「な、なんでお前はここにいる!護衛だろ!?」

確かに、イザベラの護衛なら、ここにいるのはおかしい。イザベラを庇っている?

「お嬢様が王城にいる時は、王城の騎士が護衛をします。今私が学園にいるのは、お嬢様に課題を持っていくようにと、頼まれたからです」

「疑うのでしたら、学園長にでも確認してください」

ザッオールは、言い淀んだ。知らなかったのだろうか。騎士は私の両肩を掴み、ザッオールに押し付けた。一瞬のことでビックリした。

「リリアーナ嬢は階段から落ちて、ショックのあまり混乱しています。慰めてあげてください」

そういうと、騎士は立ち去ってしまった。


階段イベントも失敗した。うまくいかない。


なぜ?……どうして…?


いつも…!いつも……!


モブの騎士が!邪魔するの!


イザベラも!ゆるさない!ゲームどうりにしないの!

ゲームどうりにならないの!



 それからも、イザベラは遠くで見かける程度。1つ気づいたことがある。イザベラを見かけたとき、あの騎士はいない。何か理由があるのか、分からないが護衛がいないなら、邪魔なイザベラをどうにかできるんじゃないか。


 何日も何日も、イザベラを探し続けた。


冬も近くなった、秋の終盤。とうとうイザベラを見つけた。今日の授業が終わり、生徒が少なくなったころ。

周囲に他の生徒は、いない。騎士もいない。


今だ…!

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