第202話 私はなぁに?
悲報、精霊界にいったら1/5神様になって1/2精霊になりました。
問題です、カコちゃんの人間の割合は幾つでしょう。
暇な皆は計算してみてね。
「って数学の授業か!」
まさかの合成トラブルで神精霊人になるとか誰が想像できるよ! あと語呂悪いな!
「はっ! そうだ! こんな時の検索能力! 急募、人間に戻る方法!」
『ありません。神は上位存在なので下位存在の人間世界で神に影響を与える物は作れません』
「詰んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ノータイムで導き出された無慈悲な回答に絶望する。
「じゃ、じゃあ神様になったらどうなるのか検索!」
『データがありません。本機能は合成の加護関連限定の機能です』
「肝心なところで役に立たないーーーーっ!」
『使用者の検索性能が反映されているだけです』
「それはそう! ……って今何か余計な事言わなかった?」
『……』
気のせいかな?
「いつまでものたうち回ってないで現実に帰ってくるのニャ」
「うぐぐ、現実で考えてたんだもん」
「そう難しく考える事ないわ。髪の毛の色が変わったようなものよ。人間だって年を取ったら色が変わるでしょう? それの凄い版と思えばいいわ」
種族が変わるのは大問題では?
「それで神様精霊になると私って何か出来るようになるんですか?」
「さぁ? そんな事になった人間の話は聞いた事もないから分からないわ」
と赤い服の少女が他の精霊王達に視線を送ると、彼等も知らんとばかりに首を横に振る。
「おおぉ……結局私はどうなったんだ」
自分に何が起きたのか分かんなくてめっちゃ怖いんですけどぉー!
「精霊なら自分の属性の力を自由に使えるようになるわね」
と、ミズダ子が精霊の力について教えてくれる
「って事は私もこの人の力が使えるようになったって事?」
「可能性はあるわ」
おお! ファンタジー世界で私遂に魔法デビュー!?
「あの! 貴女はどんな力が使えるんですか!?」
「ママ」
「え?」
ニッコリと優しい笑みを浮かべて赤い服の少女が二言だけ言う。
「マ・マ」
「いや、その力について教えて欲しいんですけど」
「あなたとか他人行儀なのはいやだわ。ちゃんとママって呼んでくれないと」
「いや別に本当の親子って訳じゃ……」
「マ~マ」
うぐぐ……
「……ママ」
「はーいママよー」
このままでは話が進まないと観念して呼ぶと、赤いドレスの少女はニッコニコで返事をして私を抱きしめる。
「うふふ、私の力はね、空間の構築よ」
「くうかんのこうちく?」
何それ?
「ほら、この世界ってあそこからあそこまでどのくらいの距離があるって分かるでしょ。それは私が創った概念なの。だから私が作らないとそれがあやふやになって遠くなったりちかくなったりするのよ」
なんか凄く世界の法則っぽいのきた!?
「概念属性の精霊ニャ!? まだ存在していたのニャ!?」
赤いドレスの少女の力を聞いたニャットが珍しく本気の驚きの声を上げる。
「なんか凄いの?」
「物質や自然現象の精霊と違って概念や法則を司る精霊は神話の時代、神々が世界を創造した頃の超原初精霊ニャ! 既に全員世界に溶けたと思っていたがまさか存在を維持していたとはニャ……」
よーわからんが凄い事みたいだ。
「ふふふ、そんな大したものじゃないわ。精霊界の奥でプカプカ浮いていただけよ。あとはそうね、この子達が私が消えない様に色々手を尽くしてくれていたからね」
「それも殆ど役には立たなんだがの。他の原初の方々は皆世界に溶けてしもうた」
と地の精霊王のお爺ちゃんが残念そうに肩を竦める。
「それが節理というものよ。役目を終えた精霊は世界に溶けて世界の一部になるの」
けど精霊王達はそれが嫌だったのかな。
「少し違うな。我々はただ役目を全うするだけでなく、余生と言えば良いのかな。それを楽しんでほしかったのだ。世界を作り出した我等の始まりの方々に」
つまり働きづめだったお父さんお母さんに老後は楽しく暮らしてほしいみたいな気持ちだったのかな。
「ふふふ、その気持ちだけで嬉しいわ」
「はえー、なんかよくわかんないけど、結局私にもその空間を何とかする力があるって事? でもそれってどんな力になる訳?」
空間の概念を作り出すとか言われても正直何が出来るわよくわからん。
「分かりやすい所だと魔法の袋ニャ。アレも実際の大きさと中身の大きさが違うのニャ」
「ああ成る程!」
って事は今の私は魔法の袋が作り放題って事!? アレ作れる人はもういないから滅茶苦茶レアなんじゃなかったっけ!?
って事は大儲けの予感!?
「でもどうすればいいんだろ? 中身広くなれーって念じれば良いのかな?」
「そもそもおニャーは純粋な精霊じゃニャーしそうそう都合よく力を使えるようになるとは思わんほうがええのニャ」
うぐぐ、それは確かに。
「でも私の力が混ざっているのは事実だから神の力の部分も合わせて使える可能性はあるわ。そうね、私の下で1000年くらい修行すればすぐに使えるようになるわよ」
「長命種特有の時間感覚ぅーーーー!」
それ使えるようになる前に寿命で死ぬ奴!!
「あとここで1000年修行してたら外の世界で何千年も経過してるのニャ」
そうだった! 精霊界って時間の流れが違うんだった!
外じゃどのくらい時間が経ってるの!?
「あわわ、早く外に出ないと!」
「慌てるな。此処は精霊界の深部だが外では精々三週間程度だ」
「めっちゃ経ってるーーー!!」




