第201話 再誕にして新生
一か八か、手から離れなくなった後継者の宝珠を蕾の中に突っ込んだ瞬間、虹色の光が蕾の中からあふれ出した。
「うわわっ!?」
それと同時に何かが私の手を伝って中に流れ込んでくるのを感じる。
「何か入ってくるーーーーーっ!!」
「カコッ!」
遂には視界まで虹色に染まり頭の中までにiiiiiiiiii.i.i.i.i「落ち着いて」
「っ!?」
その声に意識が引き戻される。
「え!? あ!? え!?」
「大丈夫、大丈夫よ。ゆっくり息をして」
思考が滅茶苦茶になった私は、声の言うがままにゆっくりと呼吸を行う
「すぅ~……はぁ~……」
深呼吸をすると頭の中が鮮明になっていく。
そうしてようやく目の前に誰かが居る事に気が付いた。
「貴女は……」
真っ赤なドレスの女の子、そう私達が躍起になって起こそうとしていた最初の精霊王と呼ばれていた少女だった。
「意識が安定したみたいね。良かったわ」
「ええと、私は……」
たしか後継者の宝珠を合成して、それで手から離れなくなって……
「驚いたわ。あんなとんでもない力を詰め込まれるんだもの。ビックリして目が冴えちゃったわ」
あっ、そうだ! この子を起こそうとして合成したんだった!
漸くゴチャゴチャになっていた思考のピースがぴったりと合う。
「よかった! 目が覚めたんだ!」
「ああ、状態も安定している。これで一安心だ」
と、精霊王達が集まってくる。
「あら、貴方達がこの子を唆したのね」
「唆したとは人聞き、いや精霊聞きの悪い。我々は貴方がこのまま世界に溶けるのを良しとせず協力を申し出ただけだよ」
「でもその所為でこの子は神様になってしまったのよ」
と、私を指差す赤いドレスの女の子。
「って、え? 神様?」
「ええそうよ。貴方は完全となった後継者の宝珠の力を取り込んで神様になったの」
「はぁ……って、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
私が神様!? 嘘でしょ!?
「半分だけどね。力の大半は私の中に注ぎ込まれたから、貴方の分は蕾の中に入った手の…。…そう考えると半分というより五分の一くらいかしら?」
「五分の一神!?」
ってそれでも神様は神様じゃない!?
「ホントに私神様になっちゃったんですか!? 何で!?」
「完成した後継者の宝珠の力を取り込んだからよ。後継者の宝珠はすべて集めて完全な状態にすると所有者を神に進化させるの。厳密には神様の見習いというところかしら」
神の後継者ってそういうことかー!
「でも何で人間を神様に何てするわけ!?」
「さぁ、それは神様でないと分からないわ。でもきっと何か意味があるのよ」
意味、ねぇ……
「あのバカ女神にそんな大層な理由なんてある訳ニャーのニャ」
と、ニャットが女神様に悪態をつく。
「こらニャット、女神様を悪く言ったらバチがあたるよ」
一応は女神様も私を転生させてくれた恩人なんだし。
「でも神様になったなんて、これからどうしたらいいんだろ……」
「好きにすればいいんじゃないかしら。貴女半分は精霊になったんだし」
「はぁ、半分は精霊にって、え?」
まってまって、何で精霊? 何で?
「あなた、さっき私の蕾のなかに後継者の宝珠を突っ込んだでしょう。その時に後継者の宝珠が私とあなたの両方に力を与えたんだけど、その時に私からあなたへも力が流れ込んじゃったのよ、私という精霊の器に神の力が流れ込んで、その分精霊の私の力がニュルンと抜けて貴女の方に入っていったの」
「そんなところ天みたいな!?」
「というかそんなものを注ぎ込んでカコの貧相な器は大丈夫ニャのか!?」
「だれが貧相な幼女だー!」
「そこまでは言ってねぇのニャ」
「それは大丈夫よ。さっきまでの私は世界に溶ける寸前まで摩耗していたから。大した量は注がれてないわ。まぁ、世界に溶けかけていた私を流し込まれた所為でこの子の意識が溶けちゃうところだったけど」
「さっきのそう言うことかーーーーーっ!!」
あっぶなー! 危うく私まで存在が消える所だったーー!
「だから考えニャしに合成するニャって言ったのニャ」
はいおっしゃる通りです。
「あらでも、そう考えると貴方って……」
「はい?」
赤いドレスの女の子がニッコリと優しげな笑みを浮かべて私を見つめる。
「私の、血を分けた我が子のようなものなのね」
「え? へっ?」
そうなの!?
「ママって呼んでいいのよ」
「はいーーーーーーっ!?」
悲報、精霊界に来たら五分の一神様(見習い)になって精霊も混ざってママが出来ました。
「情報量が多すぎるーーーーーーっ!!」




