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錬金術? いいえ、アイテム合成です!~合成スキルでゴミの山から超アイテムを無限錬成!~  作者: 十一屋 翠
第7章 背徳の廃都編

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第200話 レッツ合成クッキング!

久しぶりの更新なので冒頭は前回のあらすじ風にしてあります。

 精霊界の奥深くで原初の精霊王と呼ばれる赤いドレスの少女と出会った私は、彼女から真っ赤に輝く後継者の宝珠を手渡された。

 しかも彼女曰く、


「後継者は後継者よ。神の後継者」


 なんてとんでもない情報を明かされたもんだから詳細を聞こうとしたんだけど、彼女は答えることなく眠ってしまった。

 そんな訳で真実を知る為、私は精霊が好む力に満ちたモノを合成することになったのだった。


「さて、それじゃあ始めようか」


 まずは何を合成しようかと考えていると、コツンと肘に何かがあたる。


「これは、木の実?」


 そう言えば精霊界にはいろんなものが精霊の力と混ざって生まれるんだっけ。


「よし、これを使おう!」


 料理を作る際には同じ土地の土や水で育った食材同士だと相性がいいってなんかの漫画で読んだ覚えがあるし、合成も似たところがあるかもしれないからね!


「という訳でこの木の実と……こっちの宝石を合成だ!」


 ピカッと光ると手の中に宝石で出来た木の実が現れる。


「うわぁ綺麗。何だろコレ、鑑定!」


『宝石樹の実:宝石で出来た木の木の実。この実を条件の整った土で育てると宝石の樹が育ち、宝石で出来た木の実が実るようになる』


「……いきなり戦争の原因が出来た気がする」


 こんなの元の世界に持ち帰ったらあっという間に奪い合いが起こるよ……


「でもこれなら最高品質にしたらよさげだよね……って同じものないな」


  周囲を見回すと色んな素材が浮いているんだけど、全く同じ物が見つからない為に品質アップが出来なさそうだった。


「あちゃー、どうしよう」


「ふむ、何か困りごとかね?」


 と、土の精霊王が声をかけてくる。


「同じ素材同士を掛け合わせないと品質を上げられないんですよ」


「成る程、それなら精霊達に声をかけて近隣にある物を集めて貰うとしよう。その中から同じ物を選別すればよかろう。おーい地の精霊達よ、近くに浮いている物を集めて盛って来ておくれー」


「「「いいよー!」」」


 地の精霊王の呼びかけを受けて、あちこちにいる精霊達から返事が返ってくる。


「おっと、それなら我々も協力させてもらおう」


「水の精霊達よ、力を貸しておくれ!」


 他の精霊王達も自分達と同じ属性の精霊達に声をかけて素材を集める様に呼び掛けてくれた。

 その結果、近隣に浮いていたアイテムが文字通り山になる程集まった。


「って言うか多すぎ! チェックしきれないよ!」


「なーに、そこは我が眷属に任せるといい。風の精霊達よ、ここに集まった品を同じ物同士に分けておくれ」


「「「はーい!」」」


 すると今度は風の精霊達があっという間に素材同士を分別してくれた。


「わー、精霊の力すっごー」


「私の方が凄いわよ」


 精霊達の仕事の速さに驚いていたら、ミズダ子が嫉妬したのか私の頭に乗っかってくる。

 浮いてるから重くはないけど何か別のものが重い気がする……


「ともあれ、これだけあれば同じ素材が……あ、あった!」


 仕分けされた素材の中から宝石樹の実の合成素材が見つかったので、それらを一気に合成。

 そして宝石樹の実同士を合成する事で最高品質を越えた超過品質へと生まれ変わる。


「「「「おおっ!!」」」」


「「「わー美味しそー!」」」


 精霊王だけでなく精霊達も合成した宝石樹の実に興味津々みたいだ。


「手伝ってくれたお礼に皆にも後でご馳走するからね」


「「「わーい!!」」」


 無邪気に喜ぶ精霊達の姿にホッコリしながら、私は赤いドレスの少女が眠る蕾に宝石樹の実を近づける。

 すると大きな赤い蕾がわずかに膨らみ隙間からもぞもぞと手が伸びてくる。

 なんか目覚まし時計を止める為に布団から手だけを出してモゾモゾしてるみたいな光景だなぁ。

 ともあれ私はその手に宝石樹の実を乗せると、手は蕾の中に戻っていった。

 シャクシャクという宝石とは思えないような咀嚼音が鳴って少し経つと、蕾の隙間から光が漏れだす。


「ふわぁ~~」


 あくびと共に蕾が開き始める。


「「「「おおっ!?」」」」


 精霊王達が期待の声を上げると共に……


「やっぱ眠いわ~」


 シュルルルと光が収まって蕾は閉まってしまった。


「「「「ガクッ」」」」


「駄目だったかー」


「い、いや、手ごたえはあった。これを繰り返せば彼女は強い自我を取り戻すに違いない!」


「頼む、力ある品を産み出してくれ」


「う、うん」


 とりあえず素材は沢山あるし、手当たり次第に合成すれば満腹になって起きてくるでしょ……と思っていたんだけど。


「ほい次ーっ!」


『超過品質の世海の純水:どこかにある世界の最も清く純粋な水。この水の前にはいかなる不純物も存在できない』


「ぱかー……ぐぅ」


「次っ! あちちっ!」


『超過品質の真光太陽の木漏れ日:あらゆるものを照らす中心の地を照らす太陽の光の欠片。この光に照らされたものは何よりも健やかに育つ』


「ぐぐぐ、すぴー」


「これも駄目かーっ!」


 何度も光が溢れて蕾が開きそうになるものの、完全に開く前に蕾は閉じてしまう。


「うぐぐ、あれだけあった素材ももう殆ど残ってないし」


 文字通り山ほどあった素材は今や落ち葉の山程度の量にまで減っていた。


「ああ、めっちゃ貴重な素材がもうこれだけに……」


 うう、帰る時に貰えるはずだったのにもったいない。


「でもこれだけ合成してもダメとなるとどうすれば……」


 そもそも最高品質よりも上の超過品質でも駄目となると単純にアイテムの質の良さに頼るしかなくなるんだけど、これだけ大量のアイテムを合成しても効果がないのは何でなんだろう。


「まぁしょうがニャーのニャ。今のコイツは穴の開いた袋なのニャ」


 と、ずっと沈黙を保っていたニャットが口を開く。


「穴の開いた袋?」


「そうニャ。コイツは永く存在し続けた所為で擦り切れて穴の開いた袋のようなものニャ。穴が空いてたらどれだけ詰め込んでもその穴から零れ落ちていくのニャ」


「そんな……」


 まさかこんな理由があったなんて……


「って知ってて黙ってたのかおめー! 折角の貴重な素材が全部パァじゃん!」


「途中で諦めると思ってたんだニャー!」


 そうと知ってたら他の方法を探したのにさ!


「それならエリクサーで治してから合成したアイテムを渡せば!」


「エリクサーは肉体を治療する薬だニャ。魂や精神を治療するようなモンじゃニャーのニャ」


「ええ!? 駄目なの!?」


 そんな! エリクサーならなんでも治ると思ってたのに!


「神でもニャい存在に生命の寿命をどうこうなんて出来ニャーのニャ。コイツはもうゆっくり休む時が来たのニャ」


 ポンと私の頭に肉球を当ててくるニャット。

 精霊王達はまだこの子と一緒に居たいと思ってるのに……神様じゃなきゃ助ける事も出来ないなんて……


「ん? 待てよ神様?」


 ふと私は赤いドレスの子からもらった後継者の宝珠と、これまで合成してきた後継者の宝珠を取りだす。


「なら、神様の後継者になるアイテムを渡せば何とかなるんじゃない?」


「は? ニャに言って……」


「後継者の宝珠を合成!」


「あっ、馬鹿!」


 一か八か私は合成を行う。

 すると二つの宝珠が虹色に輝きだし、一つになろうと近づいてゆく……


「って、手が離れない!?」


 いつもならピカッと光って一つになる筈の素材が、今回に限っては私の手の上で輝いたまま物理的に近づいてゆく。

 しかも接着剤で固定したみたいに私の手を引っ張って!


「どうなってんのこれ!」


「すぐに合成を止めるニャ!」


「止め方わかんない!」


 慌てるニャットにこちらも慌てて答える。


「後で繋げてやるから我慢するのニャ!」


 ニャットがガバッと腕を振り上げて下ろす、って死ぬーっ!!


「うひゃぁぁぁぁぁ!」


 バキィィィィィン!!


「フニャァァァァ!?」


 しかしそんなニャットの振り下ろした爪はまるでバリアのようなものに弾かれる。


「た、助かった……って助かってない!」


 なおも私の腕を引っ張って引き寄せ合う後継者の宝珠。

 このまま合成したら私どうなっちゃうの!?


「なら無理やり引っ張れば……って、何これ力強っ!?」


 ミズダ子が私の腕を掴んで無理やり離そうとするけれど、宝珠の引き寄せあう力はビクともしない。


「こうなったら一か八か!」


 少しでも宝珠がくっつかないよう腕に力を込めながら蕾に向かって駆けだす。


「ニャにをする気にゃ!」


「こうするのーーーっ!!」


 そのまま勢いよく蕾の隙間に腕を突っ込んだ、その時。

 眩い七色の光が蕾からあふれ出したのだった。

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― 新着の感想 ―
面白い〜〜
 アホの子かな?
思いついたら即実行なんだから!!!
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