夕闇の力
雨だね~関節が痛いな~いい薬はないかな~
「は~あ、ねむーいよ~。ふーう。おそようございまぁーす。サラ。」
寝ぼけながら、夕方にサラ研究所に立ち寄ったエリーは一足早く来ていたクラウディアにかなりおそい挨拶を交わした。
「おいおい、エリー何時だと思ってるんだ。もう夕方の6時だぞ。アルバイトのおばさんなら帰るころだぞ。」
エリーは昨日のお酒が残っているせいか逆切れをしだした。
「クラウディア!あんたは遅刻してないの?朝5時まで一緒に飲んでたでしょ!。」
クラウディアは逆切れしたエリーを本気で怒鳴ろうとしたが、半分笑いも出てきた。あまり怒りすぎると笑いが出るなんて不思議に感じていた。
「エリーさん。5時半ぐらいにサラの研究所から呼び出しがなかったかしら!」
「だから、今、研究所に来たんでしょ?」
クランディアは目が血の色に染まっていくのを感じた。
「だから、連絡があったのは12時間前なんだよ!今は夕方の18時!!」
エリーは一気に二日酔いが覚めたかのように冷静になっていたが、周りから見ると、青ざめて気持あるそうにも見えた。
「アレー、この時計時差があったのかなー。ちょっとうたた寝しただけだとおもった・・ハハハ。」
「ごめんなさいは!エリー!」
半分笑いながら、仁王立ちをするクラウディアのオーラという覇気に委縮しすぎたエリーは土下座をした。
「ひぃ!ごめんなさい。クラウディア様。お助けしてけろ!!何でもします。おらが悪かっただ!」
クラウディアはあまりにもエリーの土下座っぷりに怒る気が失せ始めた。
「しょうがないわね。みんなも同じようだしね。」
「アレー、他のみんなは?」
エリーはあたりを見回したがいなかった。クラウディアを見ると会議室を指さした。ドアが開きっぱなしの会議室をのぞくと、昨日の夜に出歩いていた格好のままの仲間がいた。
クラウディアは首を横に傾けながら指で頭のツボを押した。
「気に入ったメンズモデルをお持ち帰りをしたかったんだけど、みんな呼び出されてね。挙句の果てに実験手伝わされて、みんな倒れたようにねちゃてるのよ。私も寝たいんだけで検証待ちで起きてたんだけど、エリーがきたから寝れわね。あとはサラによろしく・・・お休み~。」
クランディアは不眠不休で苛立っていただけなんだと勝手に解釈をしたエリーは少しほっとした。
さすがに家にかえったほうがいいよ!なんてやさしい言葉をかけるなんて思う余裕さえなかった。
エリーは足音も立てないようそおっと、廊下をあるき始めようとあとずさりし始めようとしたら、何かにぶつかってしまった。
ゴン!ザッシャーン!あまりにも静寂な研究所を引き裂くようなガラスのわれた音。
「アツーーーーあたたたた。ちゃんと前見て歩きなさいよ。エリー!」
「サラ所長!すいません。ちょっと、不吉な者の遭遇したもので!申し訳ありません。」
あたりにただよう、香ばしいコーヒーの香り。そして立ち上る湯気!コーヒーに染まった白衣のサラ。
「不吉な者ってあたしかなエリー。そうよ、ろくに睡眠もとれない私のこと。あんたは美容のために男より睡眠をとる、意識高い系の女だからって、酷くない。」
エリーはあらためてサラの疲労ぶりを見て、何か事件が起きたことを確信した。
「そうよ私はいい女。だから、サラ私を尊敬すれば、あなたもいい女になるわよ。信じなさい。落ちない男はいないのよ。今からあなたもいい女よ。胸に手を置いて、10回目をつぶって、エリーみたいになりたいと10回唱えてみなさい。」
サラは無意識に目を閉じて唱え始めた。
「エリーみたいになりたい。エリーみたいになりたい。エリーみたいになりたいはーぁ。エリー・・・みたいに・・なり・・た・・・」
エリーはガッツポーズをした。
「やっしゃー。うるさいのが寝ましたわ。このまま寝かしてあげましょう。みんな疲れてるみたいだしね。」
しかし、その瞬間背後からおもいきり、げんこつを食らってしまった。
「エリーさん。サラを寝かしてどうするんだよ。」
目が血走ってるクラウディアと他のメンバーが眠そうな顔をして起きてきた。
すかさずミーナがサラの頬にビンタをする。
「早く結果を教えなさいよ!。私たちは帰りたいのよ!」
状況が読めないエリーはオロオロしだした。
「何があったんですか?みなさん。実験って何なんですか?」
サラはハッ目を覚ましあたりをきょろきょろ見回した。それをみながら、クラウディアはエリーに状況を説明した。
昨夜、血だらけで騒いだユージは店で潰れてしまった。しかし、あまりにも出血が多く吸血鬼のオーナーヴァンに治療をしてもらった。そして、早く回復できるように、吸血鬼の秘術ともいえる『楽園の果実』をもらい食べた。しかし、魂さえ鍛えていたユージは第一進化ともいえる状態を発動してしまった。
「そういえば血水芸なんていってはしゃいでいたユージがいたけど、元をただせばクラウディアがビンで後頭部を殴ったのがいけなかったのね。ユージの第一進化の発動って何よ!」
エリーがそう聞くと、クラウディアの胸ぐらを摑みドスの聞いた声でサラは答えた。
「ほー、クラウディアがユージを襲った人狼の正体なのね。ユージが人浪60人で襲われてもこれほどの血は流れるはずはないはわね。納得ができたわ。」
クラウディアが寝ないで起きて実験の結果を待ちわびていたのはユージを殴ったせいだとサラはわかった。
サラは少しでも、みんなが反省しているのがわかったので実験の検証を教えることにした。
「ユージは安心しろ大丈夫だよ。それより生きた人間の魂の第一進化をエリーも確認したまえ。」
サラがそういうと、ある研究治療室というべきラボの前に連れてこられた。
ガラス張りになった病室の中のベットの上に寝かされているユージがいた。サラが部屋の明かりを全部消して、ある装置に手を伸ばしながら話を始めた。
「エリー、驚くなよ。これは君たちなら当然できうる可能性と思ってくれ。」
そういいながら、部屋の中の機器が動き出し、ユージにある光線を照射し始めた。次の瞬間ユージの体の周りが少しだけ光だし。寝ているユージの上に人らしいものが見えてきた。
「エリーこれは能力をもった守護霊みたいなものじゃ。守護霊というのはごへいがあるかもしれないな。お前たちの魂の一部が超能力をもって体からでてきてるのじゃよ。」
サラはエリーにわかりやすいように伝えたつもりだが、まったく理解できないような不思議なものを見ているようなエリーがそこにいた。
理解できないエリーを見て、頭をなでなでしながらクラウディアが教えは始めた。
「エリー、吸血鬼の『楽園の果実』を食べると一時的に吸血鬼の不死に近い能力がもらえるらしいんだけど、ユージは魂の特訓しすぎたせいで、魂の一部が進化が吸血鬼の能力を使えるようになったのよ。あまりにも強力な能力と魂だから・・・まだ上手く使いこなせないようで体からあふれ出てきたみたいなのよ。」
エリーは複数のアバターBODYを使いこなすために魂を分かれる私たちも『楽園の果実』を食べるとこうなる可能性も理解した。
「すごーい。もしかしたら、吸血鬼の能力以外にも能力ができないかな~。サキュバスの能力があれば、クラウディアも男にも苦労しないんじゃない?」
エリーの頭をなでなでしていた手が、鷲掴みに変わったクラウディアと、アイアンクローを仕掛けるシオリがいた。
「そんな能力があるのなら、この女には絶対やるなよ。むしろ、私がその能力を身につけてもいいぞ。サラ。」
「シオリもクラウディアも同時にしゃべらなくても、気持ちは同じだよ。」
サラは拳を握りながらユージと同じように、何か別なものが出てくる気配さえ漂わせていた。
やれやれといいながらミーナは冷静にサラに聞き始めた。
「ユージに副作用とかはないの。サラ。魂の一部が進化って言ってるけど、体とかの異常はないの。なければ、吸血鬼以外の能力を使えるように研究して、第二、第三の楽園の果実を作って!」
突然声を発する人が現れた。
「そんなに別味の『楽園の果実』がご所望ならすぐお持ちしましょうか?」
と吸血鬼のクラブのオーナーのヴァンがいた。そして、その後ろにはピンクドラゴンと研究員の若い女性がったっていた。
ピンクドラゴンにくぎ付けされたミーナは飛びついた。
「かわいい~。私はこれがほすぅーいよ。」
エリーはミーナをバシっとひっぱたくと、研究員の顔を確かめた。
「オリビアって、もしかして、このピンク色のアンドロイド型のピンクドラゴンはゼロおじさんなの?」
研究員のオリビアは少し照れるように話し出した。
「エリー、父のゼロってわかっちゃった。驚かすつもりはなかったのよ。たまたま、仕事の関係でお父さんが道端で酔いつぶれていたユージがいたもんでここに運んでくれたの。」
ピンクドラゴンの目がキラっと光、エリーはゼロの姿がイケてるダンディな紳士に変わったように見えた。
「お嬢さんすまない。オリビアが徹夜で働く父を心配に思い、私に連絡をしてきたとき、たまたま。たまたま、道端で血だらけで寝ている汚物が見えたもので放置しようとしたが、娘がどうしても、研究所に連れて来いと、しつこくいうもんだから・・・ついな。」
エリーは一目ぼれをしたようにピンクドラゴンを見ている。
「ゼロお父様はお優しいのですね。感動しましたわ。このエリーも昨日はあまり調子が悪く今まで起きてこれませんでしたわ。次は父様に看病してもらいたいです。」
オリビアはポカンとした顔からピンクドラゴンの首根っこを摑んだ。
「お父さん。なんで、エリーに『魅了』を発動させてるの!早く解除しなさい。」
少し涙目に見えるピンクドラゴンの目が光った。
「ごめんなさい。オリビア。娘が一番です。」
そんなやり取りを横目にヴァンとクラウディアそしてシオリは話し始めていた。
クラウディアは「ユージのようにサキュバスの能力が本当に発現するのかオーナーヴァン。」
シオリは「一晩に三人以上を腰を立たせなくできるのか?」
クラウディアは「サキュバス以外にも他にどんな能力があるのかオーナーヴァン。」
シオリは「惚れさせる以外にも心がよめたり、貯金がどれくらいあるかとか分かる能力はないか?」
クラウディアはシオリが少し痛い子だったと痛切に感じたが、良かれと思い流すのであった。
ヴァンはやれやれという顔でこたえるのであった。
「昨晩の件でユージさんを含めSKIES-ANGELさんには大変にお世話になりました。血だらけになっていたユージさんには特別に早く元気になってもらおうと、秘儀と言われる『楽園の果実』と言われる知恵の実を与えました。これは人間にとっては一時的な不老不死の良薬でしたが、大量のアルコールの摂取に加えて、ユージさん独特の魂によって、副作用ともいえる効果が出てしまいました。」
ピンクドラゴンのゼロはさりげなくヴァンに聞いた。
「副作用でも死者が蘇る良薬はないかね。仕事がら役に立ちそうなんだけどなー。」
ヴァンはせき込みながらピンクドラゴンをにらんだ。
「死者は蘇らせてはいけない。まわりに不幸を呼ぶだけだぞ。ゼロ。」
話を戻すかのように続けざまにヴァンは語りだした。
「今回は特殊なケースですけど、サラさんがあなたたちとこの老いぼれた吸血鬼に実験を手伝わしたのには理由があるのです。それは、特殊な訓練を受けたとはいえ、人間の進化につながる可能性と、吸血鬼の呪いを解く方法に他なりません。だから、私も嘘をつくこともありません。正直に多種族の能力を一時的に使える『楽園の果実』を提供しましょう。サキュバスに人狼それに、マーメイド・・・いろいろありますよ。」
オリビアはガラス越しにベットにいるユージをみながら大声を発した。
「見て、ユージが目覚めるは!みんなアバターBODYに着替えて、取り押さえてちょうだい。新しい能力を使えるように指導しないと、朝のようにオーマ様の手を煩わせてしまうわ。」
SKIES-ANGELはアイテムを出し、アバターBODYに着替え魔法陣を発動させた。
そして、起きたばかりのユージと訓練所に転移するのであった。
ユージは寝起きで大きなあくびをした。
「あーよくねた。なんか調子いいな。すっきりだぜ。あれー頭の傷も治ってる。さすがヴァンオーナーからもらった薬は違うなーって、ここはどこ?え!!なんでみんな戦闘状態で俺の前に立ってるの?なんか,俺やらしいことした??されたの!!うそー!」
ドガッ!
寝起きのユージのみぞおちにとがったハイヒールのつま先で蹴って、とがった踵で尻を踏むミーナがいた。
「ユージ、朝の記憶はないの?ね!記憶がないからって、力を利用して、あれやこれや、そんなことをしたのは帳消しにならないからね!」
シオリは悶えているユージの髪の毛をつかんで顔に唾を吐きかけて言い放った。
「そんなに気持ちよくなかったの?私の胸!かじったから傷になっちゃたんだからね。もう、私の奴隷決定よ!」
慌てて仲裁に入るクラウディアがユージを保護した。
「いい加減にしろ、ユージは無意識だったんだからね。」
ミーナとシオリは同時に言い放った。
「無意識でもクラウディアだけにはユージは優しいのが許せないのよ。まったく!」
サラの実験で、エリーは無意識で吸血鬼の能力を使い、ユージが大体何をしたかわかった。
ユージは何が何だかわからないまま、抱きしめてきたクラウディアの胸を堪能しているのであった。
「ユージ何か、変わった感覚はある?」
優しく接するクラウディアに顔を赤らめ答えるユージ。
「なんか、クラウディアのこと考えると・・・」
と言いかけると、クラウディアはユージを放して、腰から砕けるように座ってしまった。
エリーはこれは!と感じてユージに指示した。
「ミーナとシオリを見つめてユージ。」
わけわからぬまま、ユージはミーナとシオリを見つめた。すると、怒りに満ちていた二人の動きがピタッと止まった。その瞬間にエリーはもう一度ユージに支持をする。
「ミーナとシオリの下着は黒よ。想像してユージ!」
その声を聴いてすぐさまエロい顔でユージは想像してしまった。見つめられた二人も腰から砕けるように座り込んでしまった。
エリーは興奮したようにはしゃぎ始めた。
「すごいユージ!やればできるじゃない!」
何が何だか未だにわからないユージだが、一時間後、みんなで夕飯を食べながら、新たな能力を知ることになった。そして、送別会を開いて、今日にでも旅立つ予定が、この件によって、順延になることを知るのであった。
また、ヴァンはサラとオリビアに『楽園の果実』の秘密を話すのであった。
ぼちぼち更新します。




