後始末
夏の終わり、子供たちはやっと学校が始まるな~
ショウとジュドーはそれぞれ魔女2名と製薬会社重役の女性を保護すべき夜の街にそれぞれ消えたかと思われた。しかし、ショウは製薬会社重役ルミコからジュドーは魔女リズとラズから、それぞれ地球の未来について聞かされたのだった。
ともあれ、ユージとオッサンと死者5名は急いで冷凍倉庫に車で向かった。
「本当に体を復活すれば生き返るのか?」
「黙って運転しろよ。オッサン。こいつらの魂は回収してあるから、何ならこの体じゃなくてもよければすぐに復活できるよ。」
「本当なのか。急がなくてもいいのかよ。まったく焦らすなよ。まったく!オッサンて呼ぶな小僧。俺はオルガって名があるんだよ。覚えておけ!」
「急に粋がっちゃてね。ダメな大人は損するよ。まったく。ちなみに復活専用の体は1体10億はくだらないからね。ちなみにオーダーメイドだと5倍以上だからね。」
オルガはいきなり急ブレーキをかけ、車を止めた。
「・・・・・」
言葉が出なかったオルガをしり目にユージはオルガの肩にグーパンチを入れた。
「金持ちはいいね~。復活専用ボディーで生き返ることができて。」
オルガはユージの顔をみると顎で車を走らせたほうがいいよと言わんばかり顔をしていた。
「ははは・・50億なんて払えるか~!!!!」
ユージはオルガの顔が青ざめていること確認しつつ、頬をひっぱたいた。
「悪者が金もないなら他人に頼るな。前見て走ろ!!急げよオッサン!」
急発進させた車に乗った2人は無言のまま冷凍倉庫に向かった。
港近くの倉庫街に近づくにつけ、ますますオルガの眼は血走っていった。深夜にも関わらず倉庫街はトラックや人の出入りで明るく照らされいた。
死体5体を積んでから15分程度で冷凍倉庫についた。オルガはリモートキーで冷凍倉庫のドアを開けると、バンのまま冷凍倉庫に入っていった。
オルガは車のエンジンをつけたまま、ホークリフトで運搬用のパレットの上に部下の死体を乗せ始めた。
「本当に体が復活させればこいつらは生き返るんだな。小僧!」
ユージはバンから死体をおろしながら答えた。
「生命活動の源ともいえる魂を抜いたから、仮死状態だよ。生命活動を止めてるから必要以上の血も流れてないはずだからな。治療できないなら冷凍保存は間違ってはいないが・・・ちゃんと人体に適した冷凍保存できるのかよ。オッサン。」
ホークリフトに乗せた部下の死体を照らすようにフォークリフトがパレットを持ち上げた。ホークリフトからオルガは冷凍庫の中の別の扉を置けた。ホークリフトはドアの中を照らした。
「小僧見てみろこの中を!」
ユージもゆっくりと新たな扉の前にたち、冷蔵の中をのぞいた。そして、うっすらと真空パックに詰められたブタのように何百とつるされている精肉冷蔵庫のような光景が広がっていた。オルガは真空パック装置らしき前で、ホークリフトから降りた。そして、この冷凍室の中のスイッチを押すと、冷凍庫を照らした。
「小僧寒かったら、そこのジャンパーを着ろ。俺にも一着持ってきてくれ。」
ユージは明るくなった冷凍庫の地獄のような光景がとびこんだ。
「この吊るされた人や魔物は・・・」
オルガは平然と汗を流しながら吊るされた人達のように、部下を真空パックしようとしていた。
「安心しろとは言わないが、みんな生きてるぞ。この真空パックは特殊な魔法がかかっていてな、このフィルムの中にいれば時間が止まるだよ。でも、時間が止まるだけで、温度や外気の影響を受けるから、ちょっと特殊な冷凍技術を施して保存させてるだけなんだよ。」
ユージは寒さを感じていなかった。寒いというより、怒りと嫌悪感から体中の血液が沸騰しているのに築いた。
「お前。誰の指示でこんなことしてるんだ。正直に言わないとお前の部下も一緒に粉々にしてやるぞ!」
「まて、待ってくれ。正直に話すよ。確かにここの冷凍技術は盗んだものかもしれない。全部、製薬会社から頼まれたんだよ。それより、部下を助けないと。」
オルガは必至で懇願した。ユージはこれほど部下の命に執着しているのに不思議に感じた。
「お前の部下は何者だ。お前のなんなんだ。」
オルガはどぎまぎした様子で答えた。
「某大手企業のドラ息子達だよ。こいつらが死ねば仕事も俺も抹殺されちまう。」
「金出して復活させてやれば?」
「こいつらの親は金は出さないよ。妾の子だから・・・それに、全員、はみ出し者だしな・・・ははは。笑っちゃうだろ。まともに働くこともできない間抜けな奴らだが・・・俺にとっちゃあ・・・俺を兄貴としたってくれる・・・できすぎた息子みたいなもんなんだよ。」
「お前たちがした仕事の結果だろ!」
ユージは同情しようとはしなかった。なぜなら、今目にしている、地獄のような人身売買されるであろう真空パックにされた人々を目にしているからだ。
オルガは天井に顔を向けて叫んだ。
「助けてやる~待ってろ~」
ユージはオルガ後ろから肩をポンポンとたたいた。
「こいつ等を早く保存しろ。助けてやるから観念しろ。」
とユージはつぶやいて、位置情報を宇宙・異世界人犯罪対策課に連絡した。
ユージは冷凍庫から出て、事務所を探した。すると、あたりからいくつもの魔法陣が現れて光りだした。
1分と経たないうちに30名程の人が冷凍倉庫を取り囲んだ。
倉庫に併設している簡易事務所らしき建物に押し入ると事務員を取り押さえた。
「お前は隣の冷凍庫について詳しく知ってるか。正直に答えろ。」という叫び声とともに一斉に証拠という証拠を回収し始めた。
冷凍庫に向かうとすでに5人の部下は処置が施され、オルガも取り押さえられていた。
ユージは確認すると転移魔法でクラブに転移した。
店に入り、おもむろにVIPルームにはいるユージ。
「ただいま。帰ろうとしたんだけど・・・いろいろあって戻ってきちゃった。ははは・・・って!あれ!おまえら何やってんだよ~~!!!」
VIPルームではSKIES-ANGELたちがあられもない格好で若いモデルの男たちをむさぼっていた。
「ユージお帰り・・・一緒にどう?」
「どうじゃないよ。お前ら・・・どうしたんだよ。この状況?クラウディアお前まで・・・」
「お酒飲みすぎちゃった?」
「お酒は毎日飲みすぎてるだろ!!シオリお前も服が乱れてるぞ!」
シオリは腕まで落ちた肩紐を掛けなおしながら
「今日は私たちがクイーンらしいんだよね。いつもいるスーパーモデルたちが帰っちゃたんで・・・へへへ。」
ユージは右手で目を覆いながら呆れていた。
「へへへじゃないよ。どうせ、オーナーから男を紹介してもらったんだろう!ミーナもいい加減KISSをやめて話を聞け!」
「だってエリーがいつも、一番いい男をもってくから・・・今日は積極的に行ってみようとおもったの!」
ユージはこぶしも握りながらフーフー言い出した。
「落ち着いてユージ。私はユージ一筋だからね。テヘペロ。」
ユージはダブルのモルトウイスキーを飲み干して叫んだ。
「テヘペロって・・エリーさん・・・3人がかりでマッサージしてもらわなくてもいいんじゃないですかね。さーモデルの君たちはちょっと出ていただけますかね。出たほうがいいと思うよ・・・」
あいつやばい。殺し屋の目になってる。・・・ハイ・・・出ます。・・・お前ら行くぞ・・お姉さまがたまた今度・・・・連絡まってまーす・・・
みたいな感じでモデルの男たちは出て行った。
その瞬間、「バゴギャッシャーン」ユージの頭に酒のボトルがさく裂した。
クラウディアは目が座っていた。
「はい。ユージ君立ってないで、そこに正座。」
「クラウディア。ユージはすでに血だらけで土下座してますよ。」
ユージの後頭部の髪をわしづかみして顔を近づけるクラウディア。
「今、ここのオーナーに頼まれて実施調査している最中だったんだけど。この落とし前どうしてくれるのかなユージ。」
サラはクラウディアの手についた血をふくようにハンカチを渡した。
「血が着きました。ふいてくださいね。血の匂いで狙われますからね。」
ユージはこのまま吸血鬼の餌食になるのかなと感じだした。
「俺は吸血鬼にこの血を寄付するつもりはないよ。」
シオリは栄養ドリンクをみんなに配り始める。
「もうそろそろ、人狼が現れるよ。満月だからね。」
ユージは頭から流れる血を抑えながらクラウディアの手を振りほどいた。
「今からここで何が始まるんだ。」
クラウディアはハンカチで手を吹きながら呆れていた。
「ここのオーナーの馬鹿な娘を殺しに人狼60匹がやってくるんだとさ。この満月の真夜中にね!さっきのモデルはここの情報に詳しくてな、教えてもらっていたんだよ。」
「情報を聞き出しているとは思えなくて・・・悪かったよ。」
「気にするな。謝礼ができなかったから体で払おうとしていたところでな。」
「それ謝礼じゃなくで、自分へのご褒美・・・・そういうことにしておくよ。クラウディア。」
「外の様子はどうだ。ユージ?」
「相変わらず物騒だったよ。さっきも人さらいを捕まえたよ。何でも、異世界人は売れるらしいな。」
「人狼グループもつながってるかもな。厄介だからさっさと片づけましょ。ユージはそのまま血を流したまま店の裏に立ってな。」
「酒も飲まないで、いきなり囮かよ。まーいいや。そのかわり、取りこぼすなよ。」
「大丈夫、いつものように魂だけを回収しちゃうから。ユージも一応武器をわたしてくからね。」
「いつの間に・・・・武器を用意したんだよ。」
「秘密!大人の女の楽しみよ。ふふふ。ちょっと転送してもらったの!あまり気にしないでね。」
SKIES-ANGELは今晩も満月の光を満喫するように店の外に出た。
ユージは酔っぱらったふりをしながら店の裏で血だらけで倒れたふりをした。その瞬間、遠くから狼の遠吠えが聞こえた。しかし、それから1時間も何も起こる気配がなかった。店の中に戻りVIPルームに戻ると、デジャブを見ているような先ほどの淫らな光景とは違うが祝杯を上げてるような歓喜に満ちた宴席になっていた。
「遅かったわねユージ。」
「あれ、みなさん人狼60人は?」
「片づけたわよ。ちゃんと魂を回収してね。体の方は宇宙・異世界人犯罪対策課の連中が確保してくれたから早かったわよ。なんか、事前に情報があったらしくてゼロのオッサンが用意してくれてたみたい。本人はいなかったけどね。」
「だからさっきも、俺が連絡した時も30名も応援に来てくれたのか。・・もしかして、本当にさっきの冷凍庫の事件もつながってたかも・・・っておい!なんで呼びに来ないんだよ!お前ら!」
「だって、一回、帰るっていたじゃない。引き止めたりするのも面倒だし、いいじゃないのまだまだ夜は長いから。」
「まぁいいか。今夜は飲むぞ。外でひと眠りしたから、飲みなおすぞ!!俺の歓送迎会をわすれるなよ。」
ユージはある意味、俺がいなくてもSKIES-ANGELは大丈夫と確信して旅立てると感じた夜だった。
ぼちぼち更新します。




