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あなたとみた、あの星空に。  作者: 半崎いお
20/32

再帰・変調

目を開けた時に、一瞬だけ見えたのは、真っ白い部屋

ひろい、ひろい、真っ白い空間に美しく鮮やかな、一つの姿

薄いクリーム色とピンクのロングドレスを纏った女性が泣いている姿が一瞬見えたのだ

そのひとは「ごめんなさい」とつぶやきながら、涙を流していた

驚いて、じっと顔を見てしまったのだが、なんだかその顔がよくわからない。

ものすごく美しいお顔なような気がするのだが、よく見えない気がするのだ。

こんな近くなのに。


それよりも。なぜごめんなさい? 

なにを? と、不思議に思っているのに、同時に妙な納得も得た。

なんだ? 何に謝っているんだ?


そして、ひとつ、大きな目眩。

いや、ほんとうに揺れたのかもしれない

目の前が大きく歪んで、形を崩す



そして

その瞬間、目に映る景色は、全く変わってしまっていた。

また、生き返ってしまったのかと嘆く暇すらないままに



+++++++++++++++++++++++



あまりに大きい目眩にすがめてした目を再び開くと

そこは日差しが燦々と降り注ぐ、煌めく場所だった

落ちていく最中の、わたし。



この、落ちていく感覚は知っている。

いつもと同じだ。

殿下のすぐ近くの空中に突然ポンってわたしが現れて、少し落ちて、

そして


そして、「侵入者だ!」って叫ばれて、ころされる、やつだ。



でも、ちがう。

ここはあの重厚でうすぐらい、室内じゃない。

どう見ても、もっと、静謐で朗らかな、場所にみえる。

さっきの場所とも違うけど、キラキラして、緑で、暖かくて美しい



一体ここはどこなんだろう。



落ちている時間なんてすぐに終わる

いつもどおりに、難なく地面に降り立ったのだが

覚え込まされている体は冷徹に、微動だにしないほどに硬直してしまう。

あの、張り詰める空気。

少しでも、瞬きだけでも、訪れてしまう、死。

さっき死んだ時と同じように、今までが頭によぎる



あの時は、ああ死んで

その前は、こう死んで……


痛いのはもう嫌だ。

叫び出したい

破裂する寸前の風船みたいな感情だ



けど?




場所だけじゃない。

何かが違う気がする。





ん?




そういえばあの、声がしない。

いつもなら、とっくにしているはずのあの声が。

きこえてこない。


そもそもあの人がいないようなきがする。

黒っぽい服の王太子、そしてその側近たちが

「侵入者だ!」と叫ぶ、あの声が、ない。

瞬時に向けられる、敵意、殺意が、向かって、こない。





目を伏せたまま、横目でチラリと、辺りを伺う。

室内ではあるようだが、見える限りでは壁はない。

静かに水の流れる音が聞こえると思ったら

なんだか泉のようなものまでしつらえてあるのがチラリと見えた。



そして、誰もいないのかと思ったら、床に何か大きな袋のような?

とおもったら白装束? って? なんで平伏してるの?!

わたしに向かって?



いわゆる「五体投地」のようなポーズで平伏するのは10人ほど

頭から白い布をかぶるなどして、いるため、砂地に落ちたポリ袋みたいになっている

平伏? なぜ?

あまりの驚きにポカンと立ちすくむ

いけない、動いてしまった、と思ってハッとしたその瞬間、大きな声が、響き渡った。






「「「「聖女様!ようこそいらっしゃいました!!」」」」




……なんですと?



…………せいじょさま?



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