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あなたとみた、あの星空に。  作者: 半崎いお
19/32

見上げた空に

すみません。家族に不幸があって、書けなくなっていました

再開します


血走った目

荒い吐息

なのに、なんだか、救いを求められているような、探るような眼差し



「ひっ、魔女だ!!!」

突然、大きな声が上がった。

「人を、食ってやがる!!!」



あ。

じょるじぇさまの、だ

わたしのくちのなかにある、ゆびわ

そして、ボロボロになった、彼の腕

あきらかに口元を汚して、いる、わたし



これは、だめだな



これは

どっからどうみても確かに魔物にしか見えない

わたしでもそう思うわ




なんて、冷静に思った。



+++++++++++




気がつけば見慣れた光景の中にいた、

嫌になる程、見慣れた、この景色

最近はなかった、とはいえ

何度も、何度も見てきた

わたしを取り囲む、武器と、殺気。

今にも放たれようとしている攻撃と、殺意。



あれだけ慣れているはずなのにもかかわらず

やっぱり、全身が粟立つような悪寒が走った

それにすらも慣れている、この、おぞましさ



でも、違う。彼らの、その武装の見た目は見慣れたものとは全然違う

それは、みるからに“ありあわせ”

手に手に取られた、その得物には、鍬や鎌……包丁まであるみたいだ

その、武器ともいえないような武器たちはあの騎士たちみたいにキラキラなんてしてなくて

汚れたり、かけたり折れたり、ボロボロなものが多い

なのに、その持ち物にそっくりにも見えるその人々はギラギラとした目でこちらを見ている


何10年もほっとかれたみたいなズタボロの刀もある。

あれはなかなかきつそう。



あんなもので今から切りつけられるのか、と思う

いままでにない痛み、なのかもしれない

肌慣れない恐怖に身が震える。

ああ、やだな。

なんでわたし、もうこんなにナチュラルに、刺されて死ぬことを考えているんだ

思わず自分に苦笑する


決まったわけではないでしょうに…ほとんど確定だとしても



ここで、わたしの人生は終わることになるのだろうか

おわれるのだろうか

せめて、そうであってほしいと、思う。

終わってくれたらいいのに、と



一度だけ、救われた

あのひとに、すくわれた

それだけでもう、良い、良いと思えるのだ

もう、あの部屋のあの場所には戻りたくない

ジョルジェさまに、もう一度会いたかったけれど

この、あのかたの一部とともにあることができるだけで良い

とろりと、温かい、ムーンマーガレットのミルクの香り

わたしは、あの時に報われたのだ。



そんなことをおもっていたら無意識にひざまづいていた

ジョルジェ様の腕を抱きしめたまま。

つめたくて、ちまみれの、ぼろぼろの、それを、てばなせない、まま。



「命乞いをするつもりか!」なんて声が聞こえる

違うよ

命の終わりを、祈っているんだ。

目線を上げれば満天の星。

冷たい空気



冷たい、あの人の、手。

ぎゅっと、握り締めても硬く、冷たくなってしまっている、あの人の手



次の瞬間

慈悲のように

無慈悲な刃が

わたしを貫いたのであった



+++++++++++++++++++++++++++++++++++



うっわ、


感想としては、シンプルに「うっわ」だった。

いや、今もう投げてくるかな。

しかもそんな、やばそうな刀をさ

そんなぼやきのような感情が最初に持ち上がってくる時点でおかしいのだろう

痛みは、激しい。

この世界で誰かがわたしに投げたものはただの棒切れでさえ刺さるだろうから

こんな鉄の塊投げつけたら一発で貫通しちゃうんだよ

予想外だっただろうけどね



ぱたり、と倒れるわたしに、どよめく群衆

聞こえてくる、怒鳴り声

また暴走パターンか。

やめてよね、手違いで、人の命刈り取っていくのはさ



ぐるぐる、頭の中に何かの光景が浮かぶ

いわゆる、走馬灯だろう

今回は、走馬灯されるほどの時間が、あったんだなと、涙がこぼれる

ジョルジェ様、ジョルジェさま……

ボロボロと、涙がこぼれる。

あなたを失うのが、こんなにも悲しい。

力が入らなくなっていく指先で、なんとかかき抱く、あの人の一部



もう、いい、これだけでいい

これだけでいい、なんて思っていたら

ふわっと、意識の終わりはやってきた



これで、終わりに

   してください……





って、おもっていたのに

またもや、わたしは、目覚めてしまったのだった。





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