第42話 晩餐会
「ところで、気になっていたのですが。前の生を合わせると、あなたは今おいくつになるのでしょうか?」
16歳で死んで、今は16歳で・・・。
でも、お母様のお腹にいた期間はどうカウントするんだろう?
「えーと、32歳か33歳です。前世はトラの年に生まれました。」
「トラ・・・、じゃあギリアンと同じですね。」
ローランドは後ろに控えるギリアンに視線を向けた。
皇子から話を振られ、ギリアンは無言で頷いた。
「同じ年に生まれたと聞いただけで、一気に同級生って感じで親近感があがりますよね。ギリアン様」
リーナが笑顔で話しかけると、ギリアンは眉をひそめつぶやいた。
「同級生?」
現在16歳のリーナは可愛らしい感じなので、どちらかというと年齢より幼く見える。
一方のギリアンは身体も大きく年齢より上に見えるタイプだ。
今の2人が並ぶと、親子といっても違和感がないだろう。
「トラ年生まれの女性は気が強くて夫と上手くいかないという言い伝えもありますし、私はトラ年生まれが嫌でウサギの年に生まれたかったんですよ。ギリアン様はどうでした?」
先ほど口にしたように同級生というだけでリーナの中でギリアンへの親近感があがっていた。
リーナは親しみを込めてギリアンに尋ねた。
「俺はトラで良かったと思ってます。男らしくて勇敢な感じなので子供の頃から気に入っていました。」
「まあ、男性はそうかもしれませんね。」
同じ年に生まれたということで会話を弾ませている2人を見て、ローランドがウィルに小声で話しかけてきた。
「フィリーナ嬢は稀有な方ですね。見た目が少し怖いので女性も彼を敬遠しますし、ギリアン自身も女性が苦手なので、オストールでは女の人と話しているのを見たことがなかったんですよ。」
「そうなのですか。百戦錬磨の大佐にそんな苦手があったとは・・・。まあ、リーナは前世が平民だったので男女分け隔てなく話す習慣が身についているのが大きいのでしょうね。」
「私も彼女のような素敵な伴侶に巡り合えるよう、お二人の出会いについても詳しくお伺いしたいですね。」
「うーん。初めの出会いはあまりロマンチックでもないんですが・・・。まあ、またゆっくりお話させていただきます。」
その時ギリアンとの会話に一区切りついたのか、リーナがウィル達の方へ戻ってきた。
「明日、ケイオス様に先生のお墓に案内して欲しいと頼まれたのですが殿下はどうされますか?」
「魔女殿の墓ですか?それは是非ご一緒させていただきましょう。陛下。そのような予定でよろしいですか?」
ウィルは笑顔で頷いた。
「はい。では、明日の午前中は時間を空けるよう調整させます。私にも縁のある場所ですのでリーナと一緒にご案内いたします。」




