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魔女の弟子のまあまあ楽しい2度目の人生  作者: らな


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35/50

第35話 オストールからの客人

皇太子は挨拶が済むと、自分のすぐ後ろに控えていた真ん中の護衛騎士の紹介を行った。

「こちらは今回の遊学で私の護衛としてついて来てくれた軍人のギリアン・ベルカントです。」


ベルカントの名に会場内がざわついた。

オストール帝国は15年程前から東側に隣接するもう一つの大国モアブルから、度重なる侵略戦争を仕掛けられていた。

しかし2年前、ベルカント中尉の活躍によりモアブル軍を完膚なきまで叩き潰し、オストールの圧勝で長き戦争に終止符が打たれたのだ。


ベルカントはその偉大な功績を評価され、戦後にオストール帝国軍の大佐に昇進した。

大国オストール帝国の英雄として、近隣諸国にもその名をとどろかせていた。


へえ、すごい有名人が来たのねえ。

すごい功績だけど、思ってたより若い人なんだ。


リーナはそんなことを考えながらひとしきりギリアンの顔を眺め、それに飽きると自分から一番近くに立っていた文官風の男性に視線を移した。


中肉中背で薄茶色の髪と瞳、可もなく不可もない顔立ち。

他の者に比べてあまりの印象の薄さに、逆に違和感を感じた。


あれ?この人、もしかして変身魔術がかかってる?


リーナは集中力を高め、目に魔力を込め男性をじっと眺めた。

じわじわと輪郭がぼやけ始めると、そこには長い銀髪に珍しい紫の瞳のとんでもなく美しい顔立ちの男性の姿が見えてきた。

耳にはやや尖りがある。


エルフ?

いや、違う。

ハーフエルフだ。

私は(先生は)この人を知っている。

名前は、そう。


「ケイオス」


心の中でつぶやいたつもりだった。

決して大きな声ではなかったはずだが、耳ざとくリーナの声を聞きつけた皇太子は朗々と続けていた挨拶を急に止め、ギョっとした表情でリーナの方を見た。

文官風の男性本人も驚いた様子でリーナを見ている。


「ローランド殿下?」

ウィルに呼びかけられローランドはハッとしたように視線を彼に戻した。

「ご挨拶の途中で申し訳ありません。少し気になったことがありまして。あちらの美しい女性はどなたですか?」

ローランドはリーナの方へ視線を向けた。



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