第26話 ダグラス
「もうすぐ成人の儀だけど、着ていくドレスは決まったの?」
ダグラスに尋ねられ、リーナは頷いた。
「色は白って決まっているから、すぐに決められたわ。兄さま、見て下さる?」
衣裳部屋に案内し、ドレスを身体に当ててみせた。
「うん。似合ってる。当日のダンスは僕がエスコートしていいんだよね?」
「ええ。お願いします。」
成人の儀は前年に16歳を迎えた全ての貴族の子女が集められ催される新年の式典だ。
新成人とその家族の他、主だった高位貴族が参加する盛大な国家行事の一つである。
成人の儀のメインイベントは国王陛下の前で新成人が一人ずつ挨拶をする顔見世の儀である。
顔見世の儀の前にダンスホールで新成人を主としたダンスパーティーが開かれる。
基本的には女の子は父や兄、婚約者候補と踊ることが多い。
「久しぶりにダンスの練習もしておくかい?」
「そうですね。」
衣裳部屋から広間へ戻り、2人でダンスの練習をした後、母を交えてのお茶会となった。
「今日は楽しかったよ。じゃあ、当日の朝に迎えに来るからね。」
ダグラスはそう言うと、リーナのおでこに軽くキスを落とし帰って行った。
兄さまにキスされても、全くドキドキしないわ。
別にウィルと不貞をしているわけでもないんだけど・・・。
ダグラスに少し後ろめたい気持ちになって、リーナはため息をついたのだった。




