第16話 リーナとの再会
先生とはリーナの師匠である森の魔女のことだ。
魔女の指輪のことは、リーナが死んだ後、クロードを含め誰にも話したことがない。
「そうよ。ウィル、大きくなったわねえ。昔は私と同じくらいだったのに。ふふふ。」
おっとりした話し方や笑い方が、記憶の中のリーナと重なった。
「リーナ。会いたかった。」
ウィルはガバッと少女を抱きしめた。
ウィルに抱きしめられ、リーナはおずおずと彼の背中に手を伸ばした。
そしてなだめるように背中をポンポン軽く叩いてやった。
「私も会いたかった。元気そうで嬉しいわ。・・・そういえば私のお墓を作ってくれたのね。先生の横にあるのを見たわ。ありがとう。」
墓というリーナの言葉にウィルはハッとした。
今、抱きしめているのはリーナであって昔のリーナではない。
身体を離し、彼女の顔を見た。
記憶の中のリーナとは似ても似つかない美少女だ。
「リーナ。君は今・・・?」
「16年前、死んだと思ったら赤ん坊に生まれ変わったの。貴族の家だったからなかなか自由に外出できなかったんだけど。でも先日16歳になったから、一人で孤児院に慰問にいくと言って今日初めてここに来たのよ。」
リーナは得意そうに胸を張った。
「つまり、親に嘘をついてここに来たわけ?」
ウィルの言葉にリーナは顔をしかめた。
「だって魔女の森に行くなんて言っても許可してもらえないでしょう。シスター・エリーに口裏を合わせてもらったの。」
「シスター・エリーに?」
これも懐かしい名前だ。
「まずシスターに手紙を送って会いに行ったの。驚いていたけど昔の話をしたら私がリーナだって信じてくれて。それで今回は一度孤児院を訪れてから、違う馬車でここまで来たのよ。」
「どうしてここに来ようと?」
「先生のお墓参りがしたかったの。」
ふふふとリーナが笑った。
「ここ、今は国の管理下にあるんでしょう?入れなさそうだったら森の入り口でお祈りだけして帰ろうかと思ってたんだけど、スルッと入れたから良かったわ。」
ショーンの結界はリーナに反応しなかったのか。
森と小屋がリーナを元の主と認識したのか。
ウィルがそんなことを考えていると、今度はリーナが尋ねてきた。
「そういえばウィルはどうしてここにいたの?シスターから私が死んだ後ウィルは母方の伯父さんに引き取られたって聞いたけど。」




