第一話 2050年、第三次世界大戦
2030年、第3次世界大戦が勃発した。
それはそれは大層な武器と轟音で大地も海も血に染めていった。
使命をまっとうした兵士の分だけ人が死に、高給取りの無能な老いぼれと死に損ないが無駄に香りのついた飯と湿った生ゴミのような飯を喰らい続けた。
いつまで続くだろう。その勢いはさながら収まることを知らなかった。
露とNATO加盟国の戦い、中東でのいざこざ、社会主義と資本主義の戦い、その火種は瞬く間に世界中へと飛び火した。
そしてそれが20年続いた。
終戦を迎えた2050年4月、人類は桜の花びらどころか桜の木をも拝むことはなく、花びらの如く散り果てた。
何十年という長い泥沼の戦いは、ただ兵力と糧食を消耗させるだけで、どの国も決定的な成果をあげることはできなかった。
そして同年、消耗し切った各国は最終手段へと移行した。それは核の解放だった。少しの迷いと少しの確信が死を招くということか、各国がほぼ同時期にボタンを押した。
それは地球全体で数箇所だけ。爆破と悲鳴を起こした。それだけだ。人間は脆い。それがわかるいい例だ。
全ての人類が死んだ。
世界に存在する1万2000を超える核が無差別に投下された。
直接被曝しなかったとしても、「核の冬」と呼ばれる現象により、全人類が餓死した。
これは、人類三回目にして最後の世界大戦となった。
いつしか聞いたことがある。地球に人類がいなくなれば、また自然が戻り、地球が本来の青さを取り戻す、と。
この地球の異変に、気付いたものはいないだろう。特に旧人類の者たちは。




