7羽
「白い結婚?」
首を傾けたウララからは、ぴよっと音が聞こえてきそうだ。
「えぇ、そうです」
屍蛇が、鷹揚に頷くので、ウララは酷く当たり前の話をされていると思った。
(白い結婚ってなに? 黒とか赤に比べたら、良さそうだけど)
「私も白い結婚が良いとおもう」
ウララは知っている風に頷いた。その反応に屍蛇が、一瞬動きを止めたがウララは構わず、屍蛇に抱き着いた。
「で、今夜はどうするの?」
「どう、とは……」
「鳥族だと、新婚初夜はね、踊るの!求愛の舞だよ。一緒に踊ろう」
ウララは、ノリノリで下手なステップを踏んでいる。
屍蛇は、半目になり斜め上を見つめた。
「すみませんが、それは出来かねます」
「そっか、たしかに蛇族が踊ってるの想像できないかも。じゃあ見てて、私がいかに屍蛇様を好きか踊ってみせるから!」
そういってウララは踊り出した。
見ている方が恥ずかしくなる、滑稽な舞だった。
しかも、その合間合間に「屍蛇様の、ここがすき」などと台詞を挟まれ、屍蛇は、羞恥で動けなくなり寝台に腰かけた。
そして、終いには両手で顔を覆った。
(効いてる!私の求愛の舞い、効いてる!)
「これから、毎晩、屍蛇様の為に、心を込めて踊るね!」
「……」
それから、毎晩。訪れてこない屍蛇をウララから訪問し、夜な夜な求愛の舞やら、言語として成立していない愛の詩を聞かせた。
なかでも唯一、歌だけはうまかった。
屍蛇は必死に歌を所望したが、ウララは気分が高まると踊った。
そして、ある日、耐えかねた屍蛇が彼女を止める為に、押し倒した。
(あっ……これ、知ってる。うるせぇ唇だな、ってやつだわ! きゃー、屍蛇様カッコイイ)
ウララは、嘴を突き出すようにキスをねだった。
「……」
深いため息をひとつ、その後、屍蛇の顔が近づき、二人の唇が重なった。




