17羽 蛇視点
ウララの輿入れより先に、環境を整えるために玉鋼にやって来たエナガ。
彼から聞いた話に、屍蛇は衝撃を受けた。
「ウズラの獣人は、子だくさんで、最高20人とか子供産みますよ」
「……」
「でも、その分、早死にするんで、お気をつけください」
「なん、だと……」
「僕ら、ちっこい鳥族は、そもそも早死になんで、仕方ないですけどね」
獣人の寿命は、それぞれ平均値が違う。
猿が最も長く、80年程度。その他も概ね60~70年ほどが多い。
エナガやウララの種族は、50年も生きれば長寿扱いされる。
「そんな……」
「まぁ、でも、その分毎日全力なんですかね、とくにアイツは……って、聞いてらっしゃいますか? 屍蛇さま? おーい」
その日、屍蛇は彼女との白い結婚を決めた。
その提案を、彼女も受け入れてくれた、屍蛇はそう認識していた。
そして、夜は彼女との仲睦まじい時間を過ごしながら、すこしの欲求不満に耐え、使命に没頭した。
鉱山で働く、反社会的な一味と、反政府勢力の両方を潰すため尽力した。
偽金づくりの鋳造場を探し出し、指示した隣国の大臣をあぶりだし、証拠を押さえ、彼らを一網打尽にするべく動いた。
「ウララが、攫われた?」
「そう、そうなんです! ちょっと見てなかった隙に出かけたみたいで……」
ウララが攫われたことは、すぐに分かったが、相手からの要求が無かった。
そして、彼らは廃止されたり、勝手に掘られた坑道に潜伏しているようで、中々、見つけることができなかった。
もしや、すでに亡き者にされているなんて事は――屍蛇は、どうしようもない焦燥感にかられると共に、沢山の後悔が襲って来た。
もっと、彼女の望み通りにしてあげればよかった。
恥ずかしくて断った求愛の舞。
理性を保つために、避けた濃厚な接触。
「……すまなかった」
ひととき、落ち込み後悔して、屍蛇は気持ちを切り替え、ウララの救出に心血を注いだ。




