表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/18

14羽

「やぁ……やだぁ!!やだよぉ!」

 

 男の腕を掴んで縋ろうとしたが、檻の反対側に突き飛ばされた。


 ぐらり、檻が傾いた。

 

 哀れなウララの最後を見ている男たちは、愉悦の表情で笑ってる。

 

 そして――目が、興奮していた。



「きゃあああ」


 檻が逆さまになる直前、隣に飛び出して来た人間がいた。

 まさか助けが、と期待して見ると、先程の男の一人が何本もの矢に射られていた。


(どうなってるの…………もう全然わからない!やだ、屋敷に帰りたい。全部、全部……夢だったら良かったのに。屍蛇さまに会いたいよぉ)


 もう何も見たくなくて、目を瞑ると「馬鹿、ウララ飛べぇ!!」と聞き慣れた声がした。

 はっと目を開くと、エナガが檻を掴んで必死に飛ぼうとしていた。


「あっ……あ……エナガ……」

「早く飛べ!!無理、こんなの止められない!ちょっとでも勢い殺せっ」


 エナガは見たこと無いほど、必死に羽ばたいていた。

 ウララもすぐに、羽根を羽ばたかせ檻を持ち上げるように飛んだ。


「くぅうう」

「おもぉ、おもい」


 二人は必死に羽ばたいたが、檻の落下は止まらない。

 先に落ちていった人間が、鈍い音をたてた。


「くそおぉぉ」


 必死に助けてくれようとする友人が巻き込まれたら嫌だ。

 ウララが、もういいよ、と口を開こうとすると


「エナガ、こっちに落とせ」


 崖の下で、狼獣人が馬を走らせ、湖を示した。

 雨水でできたような、小さな湖が、二人には特別輝いて見えた。


「うおおお!」

「んんー!」


 このままでは、岩場に落ちてしまう。


 二人は必死に、少し逸れた湖へと羽ばたいた。


 もう声も出ず、湖だけをみて飛んだ。


「エナガ、離せっ!」


 なんとか岩場を避けられた時、ウララの耳には屍蛇の声が聞こえたきがした。

 しかし、すぐに大きな水しぶきが上がり、耳も視界も覆われ、それどころでは無くなった。


(これ……ぺちゃんこになって死ぬよりも嫌かも……苦しい……息ができない。檻から出られないのに湖に落ちてどうするのよ……)


 ウララは必死に脱出方法を探した。


 水底に叩きつけられた衝撃で檻は歪んでいる。


 どこか出られるところは……ウララは、手あたり次第、歪んだ場所から出ようと試みた。


 ここは駄目、ここも駄目だ。

 

 こっちは、頭が通ったのに、何かが引っかかって出られない!


 水の中では目も良く見えず、頭もパニックで働かない。

 ウララは段々と意識を失って行くのを感じた。

 

 〇

 〇〇

 〇〇〇



 望んだ走馬灯は、あっさり終わった。


 〇〇〇

 〇〇

 〇


(屍蛇さま……最後に会いたかったなぁ)


 ウララの霞む意識の端に、望んでいた人が現れたのは、幻か――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ