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説教好きな冒険者~全てに怒れる召喚されし者~  作者: アールエス
迷宮の秋
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職人ゴブリン対トキ達

「クシュン」

ラックがくしゃみと共に炎を吹く。

それが合図となり戦いが始まった。

トキ対リーダー格のゴブリン。

ヴァイス、ルティ対ゴブリン一匹。

ベア、アース対ゴブリン一匹の戦い。

先ず最初に動き出したのは職人ゴブリン達。

「グギャー!」と鳴くと

各ゴブリンが変化していく。

トキと対峙したゴブリンは緑色の皮膚が

徐々に黒く染まっていくが身体は小柄な姿。

ヴァイス達が対峙したゴブリンは皮膚が紅く染まり

3m程の巨体へと変貌し一つ目のオーガへと成る。

ベア達が対峙したゴブリンは皮膚が蒼く染まり

同じく巨体へと変貌し三つ目のオーガへと成る。

「先生…昔を思い出しますね」

「そうだな…

 あの時もこんな感じで変化してたな」

「変化するなら先に言ってくれるかな?

 思ったよりも手強そう何だけど!?」

ヴァイス、トキが昔を思い出していると

隣でアースが驚く。

トキはアースの言葉を無視して過去の記憶を遡る。


青のドルガ、赤のベルン、黒のリガン。

彼らは名前がある魔物。

昔迷宮となる前の砦を建てたザルツという者が居た。

ザルツに尽くしていた魔物が彼らだ。

主人のザルツは当時の為政者達に呪いを掛けられ

隠し通路の中で自殺した。

確かあの時フィルが相手していたドルガが

話していたのをフィルから又聞きし

記憶に残していた。

「てか、あの時よりも強そうじゃね?」

トキが思い出すと同時に呟く。

ドルガ、ベルン、リガンが持っている武器や

様相が変化していた。

過去のドルガ、ベルンはオーガへと変貌したが

目の数が違っていた。

武器はドルガが鉈をベルンが斧を持っていたが

現在はドルガがノコギリ、

ベルンがハンマーを持っている。

ちなみにリガンは大剣からスパナと鍬へ

持ち替えている。

「ですね…

 あの時は普通のオーガでしたし…」

「キュイ…」

トキの呟きに反応するヴァイスとルティ。

「え?昔と違うの?

 そんな奴と対峙せないけないの?」

アースは動揺を隠せずにいた。

「まぁ、彼らの進化?も終わった事だし

 俺等もあの時とは違う所を見せるとしますか!」

トキは腰に携えている刀スパトールに手を当てる。

ヴァイスは剣を構え持つ。

アースは動揺しながらも自分の爪を長くし

ベアは電動ノコギリの電源を入れる。

「それじゃ、各自殺さない程度に倒すように!

 では散開!」

トキの言葉にヴァイス達が動き出す。


同時に打ち合いを行っていたが

最初に攻勢に出たのは赤のベルン。

釘抜き付きのハンマーを使ってヴァイスの剣を

破壊させようとする。

ヴァイスは以前電動ノコギリを使った模擬戦の

経験を活かしてその場から離れると同時に

ヴァイスはチャクラムを2つ投げる。

チャクラムはベルンの両肩に刺さるが

ベルンの血がチャクラムに付着すると

チャクラムが溶ける。

ベルンの流れた血が紅く燃え上がり

両腕が燦々と輝きながらハンマーへと移り

紅炎のハンマーが生まれた。

ヴァイスはその様子を見てると

ルティが大きく身体を変化させる。

「ルティ、まだ見ててくれるかな?

 あの時は2人だったけど今回は僕1人で

 勝ちたいんだ」

「コン」

ヴァイスの意図を汲んだルティは後ろに下がる。

なにがあっても良いように戦闘態勢を崩さずに

爪をたてて見守るルティ。

ヴァイスは前を見ると呼吸を整える。

ベルンは過去の戦いを思い出し油断せず

前へと進みハンマーを横に振り抜く。

ヴァイスは息を吐くと素早く動き始める。

ヴァイスの二つ名『白影』の姿が現れる。

ベルンの周りに白い影が複数現れ

ベルンは驚くが速度を上げて横に振り抜き回転する。

白影が消えていく中、紅炎の竜巻が現れ

周囲に自身の血を飛ばしていく。

飛ばされた血は紅炎となり宙を舞う。

白影となったヴァイスだが未だに傷を負わず

周囲に白い影を作っていく。

白影と紅炎。

どちらが勝つか見守っているルティが

勝敗の瞬間を見届ける。


白影の姿が徐々に大きくなり始める。

竜巻の中に居るベルンは大きくなった白影を見て

縦にハンマーを大きく振り下ろし

竜巻が消える程の威力で大きな白影を叩く。

白影がハンマーによって消えていく。

この戦いを観ていた者は

白影の負けだと確信する程の振り下ろしにより

地割れが起き周囲の白影が消えていくのが

見えていた。

「コン!」

ルティが叫ぶ。

勝者は…ベルン。

ハンマーを持つのを止めて勝ち鬨を上げようとする

ベルン。

だが勝ち鬨を上げようとする時に

両腕が無いことに気づく。

ベルンは突如現れる大きな痛みに耐えきれず

膝をつく。

膝をつくと同時に後ろから

寒気と刃が当たる感覚が出てきた。

ベルンが振り向くとそこにはヴァイスが

鎌を持って立っている。

ヴァイスは振り下ろしにも紅炎にも当たることなく

鎌を持って動き回り空を駆け上がり

白い影を大きく見せていた。

ベルンの両腕を切った瞬間は振り下ろした後。

空にいたヴァイスは降りると同時に切り払い

後ろへと移る。

「僕の勝ちでよろしいですか?」

「グ…」

ヴァイスの言葉を受け取ったベルンは頷く。

ヴァイス対ベルンはヴァイスの勝ちで幕を下ろした。

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