職人ゴブリン達
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
ギィー…
隠し部屋の扉が開かれる。
「グギャ?」
一匹のゴブリンが音に反応して扉の方へと
振り向く。
扉を見ると人間と魔物の群れを見つける。
「グギャ!」
人間達を見た一匹のゴブリンは
扉からの光によりシルエットでしか見えてないが
武器を持ってるのを確認し
臨戦態勢へと入る。
周りにいた二匹のゴブリンも直ぐに臨戦態勢に入る。
コツコツと音を立てて歩いてくる人間達。
三匹は油断しないように武器を強く握る。
「グギャ!」
一匹のゴブリンが声を出すと同時に
前に足を出すが現れた人間達の気配を感じると
一歩踏み出しただけで終わってしまう。
「グギャ?」
周りにいるゴブリン二匹は一匹のゴブリンの姿を
見て一緒に踏み出そうとするが
足が前に行かず止まったことに驚き声を出す。
原因は先頭を歩いている人間だと気付く三匹。
扉が閉まり暗闇に戻ると
見覚えのある姿がそこにはあった。
「よお、お久しぶりだな?」
先頭に立っている人間が話しかけてきた。
「グギャギャ!」
「「お前はあの時の!」と言ってます」
人間の隣に人間の姿をしているが
魔物の気配を感じる者が人間に話しかけている。
「だろうな?
察しの通りあの時戦った者だ!
今日は訳あってここに来たんだが
話し合いは大丈夫かな?」
「グギャ?グギャギャグギャ」
「「話し合い?あの時楽しそうに戦っていた
強者が」と言ってます」
「楽しそうなのはあの時以来ですかね?先生?」
「そうだなヴァイス、あれから
数ヶ月、数年が経ったな…」
見覚えのある白髪の男の子が先生と呼ぶ人間に
話し掛けているのを見ると
先生と呼ばれた者は感慨深そうにしている。
「グギャ!」
「「何しに来た!」と言ってます」
「だから言ったろ?話し合いだってな?」
先生と呼ばれた男が床に座り込む。
男は胡座をかいて膝に手を乗せる。
「お前ら、ウチで働かないか?」
「ギャ?」
「「は?」と言ってます」
「リヴ、それは俺も分かるわ」
ゴブリンは先生の言葉に疑問で返した。
ゴブリンは頭を回転して言葉を反芻させるが
理解できなかった。
リーダー格のゴブリンは周りの二匹のゴブリンへ
振り向くがゴブリン達は同じく理解出来ず
頭を捻っていた。
「グギャ?ググギャギャ、グギャ!」
「「何を言ってるんだ?
俺達は魔物でお前は人間、
分かり会える間柄じゃない筈だ!」と言ってます」
「ですよね~」「ウー」「キュイ」
白髪の男の子や周りの魔物がゴブリンの言葉に
反応して納得する。
「そうかもしれないがお前らの作品を見て
そのまま倒すのは勿体ないと思ってな…
あの枯山水…この世界では見れないような
風景を作るその創造意欲は惜しいんだよ」
「グギャ!?」
「「分かるのか俺達の作品の良さを!?」と言ってます」
「あのグギャにあんなに言葉が入ってるんだな?」
「ですね…」
「ガデル、リファイ、そこは気にするな」
「だってよ?トキ…
あの数に入る様な言葉じゃないだろ?」
「ベアやシルだってあんぐらい話すぞ?
ただ文字に記した方が早いと思ってるから
そうしないだけでな」
トキと呼ばれた男はガデルという男と
リファイと呼ぶ男に答えていた。
ゴブリン達は一度武器を下ろして
話し合いを始める。
数秒経ちリーダー格のゴブリンがトキの方を見て
話し出す。
「グギャ?グギャグギャギャ!」
「「話し合いと言ったな?
ならあの時と同じ様に俺達を倒してみろ。
そうすれば仲間になってやる!」と言ってます」
「話し合いなのになんで戦いになるんかね…
まぁ、進化する前のゴブリン達なら
魔物根性が染み付いてんのかもな?
分かった。あの時と同じ様に戦ってやるさ!」
トキは胡座から立ち姿に戻ると
誰が誰と戦うか指差しで指名して
トキ対リーダー格のゴブリン。
ヴァイス、ルティ対ゴブリン一匹。
ベア、アース対ゴブリン一匹の戦いが決まった。
そして…互いに間合いの外に陣取り
ラックのくしゃみと共に三匹対五人の戦いが
始まった。




