迷宮の秋
補習が終わって次の日…
「あぁ…体がダルい…
風邪でも出てんのかね…?
それとも誰か噂してんのかね…?」
トキはくしゃみを繰り返しその度に
鼻水をティッシュで取り除く。
「花粉症の可能性もあるな…
この世界に来てから初めてじゃね?」
「先生、大丈夫ですか?」
自室のベッドで座ってると孤児院の子供が
現れる。
「ポーラか…お前は何ともないのか?」
「問題は無いですね?」
「そうか…風邪出てる可能性あるから
今日は部屋で仕事しとくわ」
「了解しました。
皆にも伝えときますね」
「ちなみに今日の予定は?」
「そうですね…確かフィルの相談室と
ルティ、シルの愛護室の開放があって
東さん達はサーカスの練習、
ブラッドさんとアーニアさん、アースさんは
僕らと共に教育して
戸川さんはベアと共に建築関係の仕事、
ヴァイスさんはスフィアちゃん、ラックと共に
庭で遊ぶ予定してますね」
ポーラはズボンの後ろポケットからノートを出して
各自の行動をトキに報せた。
「暴威の盾メンバーは?」
「明日から遠征に向かうそうなので
各自、自由行動してます。
今回からスン、マー、タム、ウィンが
同行します」
「遠征ね…俺が戻ってきたから
依頼を見つけたのかねぇ?
まぁメリルとウォルはルティの所に行きそうだし
スン達は冒険者として馴らしていくつもりかな?
了解だ。
何かあったらベル鳴らすから頼むよ」
「了解しました」
ポーラはお辞儀をしてトキの部屋から出ていく。
「さて…暫くはベラムの街に居るから
良いとして遠征ね…
何かスン達に適した依頼でもあったのかね?」
トキはこの前久しぶりに会った死神に
頂いた茶葉を使いお茶の準備する。
急須に茶葉を入れてお湯を注ぎ数秒待ってから
カップにお茶を淹れる。
湯気と共に薫りが顔に届く。
匂いを嗅いでリラックスし少し息で冷ましてから
お茶を飲む。
「流石、死神さん所の茶葉だな。
良い物作ってるわ」
いつの間にか、くしゃみが止まっており
体がポカポカし温かくなる。
ゆっくり寛いでると扉をノックする音が聞こえる。
トキが入る様に促すと
サミンとガデルが入ってきた。
「どうした2人とも、何か用か?」
「用って訳ではないんだが…
体調悪くなるなんて珍しいな?」
「最近寒暖差が激しいからな…
ちょっと気が緩んだのかね?」
「今ん所、何とも無いなら良かった。
ちょっとサミンから相談を受けて来たんだ」
「サミンの相談?どうした?」
「ちょっとね…
暴威の盾が受ける依頼の話聞いたかい?」
「あぁ…遠征に行くって話だろ?
何かあるのか?」
「まぁ、問題って訳ではないんだけど
数年前にあった迷宮ホウリョって分かるかい?」
「あぁ、俺がブラッドを仲間にして
迷宮としては稼働してないやつだろ?
俺が攻略したしな?」
「そうなのかい?
関係者なら話が早い。
再び迷宮がその場に出来ていて
砦が建っているんだよ。
今回は視察としてシルドにお願いしたんだけど
トキ君もどうかな?って思ったんだけどね」
サミンが手を叩き、トキに伝える。
「迷宮ねぇ…
あん時の迷宮核は破壊したから森になってたしな。
そうだな…
ガデル、リファイとヴァイス連れて
シルド達の手伝いをしてくれ。
俺は状況把握してから行動するから」
「俺が行くのか?」
ガデルが物静かに質問する。
「一応、前回の攻略した時のことを知ってる
ヴァイスを連れて行かせるから
問題ないだろ?
ついでにラックを連れて行かせてやれ」
「了解した。明日の遠征の時に着いていく」
ガデルは納得し頷く。
「一応、リファイは僕の従者なんだけど
トキ君が指示するんだね?」
「確かリファイは男爵の息子だろ?
貴族が何かしてきた時に解決出来るだろ?」
「まぁ、大丈夫だろうね…
それじゃ、その通りに動いてもらうから
ガデル、ヴァイス君達借りるね」
「了解だ。
用件が終わったならさっさと出ていけ!
こっちは体調崩してんだからな?」
「分かったよ。それじゃ休んでね」
サミン達は出ていくとヴァイスとリファイを
探しに向かう。
トキはロッキングチェアで揺れながら
迷宮について考える。
「…職人ゴブリンが復活してたら
仲間にしてえな…」
トキは呟き、ベアと組ませて建設会社作る構想を
考えてお茶を飲んだ。




