補習
次の日…
赤点取った人を集めて教室に座らせるトキ。
トキは教壇に立ち黒板を背後にして
教壇の前にある机に置いてあるテストを見る。
「えー今回のテストは国語、算数、日常生活の
3つに分けて行ったんだが…
お前たちは何故このテストで赤点取ったのか
俺には見当つかない。
一応、筆記用具使えない事も考慮して
検討してみたがこの中に筆記用具使えないのは
ラックだけだ」
「クア?」
呼んだ?と鳴くラック。
ラックはテストについてルティやシルから
教わっていたが筆記用具の使い方を知らない為
テスト時間が終わるまでスフィア=クリプスの
相手をしていた。
「この中に教員の赤点取った人はいない…
流石と言っておこう。
シルドの暴威の盾メンバーからは
シルドの奥さんのリリィ、
マールの夫のアルト、シルドの次女のシア、
マールの長男のルートの4人。
俺との接点の無い人達だから改めて
初めましてトキと言います」
リリィ達はトキの挨拶に反応して
椅子に座ってる状態から立ち上がりお辞儀をする。
「こちらこそ、初めましてリリィと申します。
家のシルドがいつもお世話になってます。
今後とも暴威の盾の仲間達と仲良く
してくれると嬉しいです」
トキへの挨拶を終えたリリィは椅子に座る。
リリィが座ったのを見てアルト達も座る。
「さて…次に呼ばれるのはアース、アーニア、
お前達は何故いる?
アースは初めてだから執事から教わってない事を
理由に上げれるがアーニアは孤児院に居たから
テストの存在を知ってる筈だろうが」
「私だって答えられる問題は答えたよ?
ただ算数が苦手なだけでそれ以外は
点数高いでしょ?」
「まぁアーニアは算数だけ赤点だった…。
苦手な物は放置せず克服しないとな?」
トキに言われて上半身が丸くなるアーニア。
落ち込んでるのだろう。
隣に座っているアースは我関せずとばかりに
欠伸をする。
「アースは…アンノウン呼ぶか?」
「ちょっと待ってよ!
勉強頑張るからアンノウン呼ぶの止めてくれる!?」
アースは驚き、欠伸を止めてトキに制止を求めた。
「事の重大さを分かったならそれでいい。
さて…クラスメイト組は…」
「言うなよ…俺達4人だけなのは惨めに感じる…」
「そうは言っても直方よ?
警備隊で働いてるのが仇になったか?
言い訳はクルス警備隊隊長にでも伝えとけ」
クラスメイト組からは直方、月野、
木下、越智の4人が国語の赤点で呼ばれている。
クルス警備隊隊長に伝えたら顔を赤くして
怒りの感情が見えた。
4人は有給扱いで孤児院の教室に居る。
「さて…ここからが本題なんだが…
何故サミン、リファイ、ラゼがいるんだ?
仮にも王子と付き人だろ?
勉強ぐらいしろよ…お前らだけだぞ…?
国語と算数両方赤点なのはよ」
「そうは言ってもこの問題は難しいよ…」
「言い訳はするな!
これからきっちり教えるから頭の中に叩き込め!」
合計14名の赤点を取った人達は
トキの教育の元、朝から夜に掛けて
問題を見直し、どこが悪かったか反省し
添削し続けた。
夜19時頃まで続いた補習は終わりを告げると
全員が頭を机に伏せる。
「今回はこれまでだが次回あるからな?
誰も赤点取らないように気をつけてくれよな?」
トキは告げると教室から出ていく。
トキの後に続いてラックが出ていき
続々と教室から頭を下げたまま幽霊みたいに
出ていった。
「さてと、テストも補習も終わった。
涼しくなってきたし秋が近づいてんのかね?」
トキは腕を擦り窓を見て呟く。
庭にある木から葉が1枚ひらりと舞う。
紅葉した落ち葉が地面に色を添える。
季節は秋へと移りゆく姿を見てトキは
くしゃみする。
トキは急いで自室に戻り寝ることにした。




