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無属性で男爵だと笑われた俺、万物を変幻自在にする『物質変化』で気づけば皇帝になっていた  作者: 雨のち晴れ
学生編

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最悪の厄災の終わり。そして、その後…………

レオナルドが、全ての帝国兵に村人の皆殺しを命じてから一時間が過ぎた。そして、その間にルークは拘束されたまま、その光景を見ているしかなかった。最初のうちは、目の前で村人たちが殺され、徐々に人数が減っていきやがてルークの見える範囲では村人の姿は一人も居なかった。すると、遠くから一人の人物がレオナルドとルークの元へとやってくる。


「レオナルド様、残っていた村人の殲滅が終わりました。この後はいかがいたしますか?」


「ご苦労であった、ソフィア。ザックが死んだ今、この領地に留まる必要はない…………帰るぞ」


「わかりました。それとレオナルド様、こやつはいかがいたしますか?」


「ほおっておけ。もう戦う力など残っていまい」


「かしこまりました。では、全軍に撤退の命令を出してきます」


「頼んだぞ」


「はっ!」


そう言うと、ソフィアは再び村の中へと消えていった。


「さて、俺も帰るとするか」


「ま…………待てよ…………まだお前との決着はついていない」


「決着だと?もう、とっくについているではないか。それとも、お前もここで死にたいのか?」


「俺だけ生き残っても意味は無い!なら、最後の最後まで足掻いて見せる…………」


レオナルドは、顎を手で押さえ考える。


「お前は何も分かっちゃいない全てを知った後に、もう一度俺に会いに来い。全てを教えてやる。だからその時まで生きて見せよ」


「全てを教える?何の事だ?」


「それは、お前自身が見つけだすのだ」


「お前は一体何を知っている!?答えろ、レオナルド・コンティ!」


「フンッ!」


レオナルドは、ルークの問いには答えずその場を後にした。


「答えろぉぉぉぉぉぉ、レオナルドォォォォォォ!」


やがて、時間だけが過ぎていき、アーデルハイド領の使者であり、ルークの幼馴染のフィオナ・アーデルハイドが到着した時には、ルークは完全に意識を失っていた。


「以上が、私の知っている最悪の厄災の全てよ…………」


「そうだったんですね…………」


「私達は無力だった。駆けつけた時には全てが終わっていて、何も出来なかった。私達の窮地を救ってくれたのに、ルーク様の窮地の時には何もできず、悔しかった。せめて、私とセレスティア姉様がルーク様の側に居たら、少しは違ったのかもしれないと、今でも悔いているわ」


その後、二人はお互い何も話さず時間だけが過ぎていき、リナはミリアの部屋を後にした。しかし、この話しには続きがあった。のちに、ルークの運命を大きく変える事となる事件が…………それは、ミリアもセレスティアも知らない。


【最悪の厄災から一週間後】


(起きろ…………ルーク…………)


(起きなさい…………ルーク…………)


【ガバッ】


「はっ!親父、母さん!」


ルークは、夢の中でザックとオリビアに呼ばれたような気がして、慌てて目を覚ます。


「ゆ………夢か…………。痛っ…………」


ルークは上半身だけを起こし周りを見渡す。その部屋は見覚えのある部屋だった。自身が今まで家族と過ごしてきた屋敷の一室。すると、部屋の扉が開き一人の人物が入ってくる。


【ガチャ】


部屋に入って来た、少女と目が合うルーク。その少女は、ルークの意識が戻ったことに驚き、持っていたトレーを落とし、持ってきたグラスが割れる。


【パリンッ】


「ル…………ルーク兄様…………?」


その少女とは、マリーだった。マリーはいつ目覚めるかもわからないルークの側にずっといた。いつ起きてもいいようにと、飲み物や軽食を丁度持ってきた所だった。


「マリー…………」


「ルーク兄様ぁぁぁぁぁぁ」


マリーは涙を浮かべ、ルークに飛びついた。


「良かった…………良かった…………無事でよかった…………」


「心配かけたな、マリー…………」


ルークは自身の胸に顔を埋めるマリーの頭を優しく撫でる。そして、未だ状況が分からないルークがマリーに誰か呼んできてくれと頼むと、数分後、ルークの部屋にラムザと、フィオナが部屋にやって来た。


「あら?やっと目覚めたのね?」


「兄ちゃん、平気か?」


「フィオナにラムザ…………。悪い、心配かけたな」


「フンっ!私は別に心配などしてないわよ!むしろ、死んでくれていたほうが良かったと思うくらいだわ!」


「フィオナ様…………そんな言い方しなくても…………」


マリーがおどおどしながら、言うとフィオナは…………


「私は、こいつが嫌いなのよ!実力はあるくせに、いつも私と剣を交える時は手加減して…………ほんとムカつく!」


「手加減なんてするわけないだろ!わずか十四歳にして、王国騎士団副隊長の座に上り詰めたフィオナに手加減などしたら俺の命がいくらあっても足りない」


「どうだか…………」


フィオナは両手を組み、苛々しながらルークと話す。


「なぁ、フィオナ…………?」


「何よ!」


「ヴィクトールを見なかったか?」


「ヴィクトール?あぁ、あんたの所の執事ね!見てないわ。私達が到着した時は、あんたしかこの村には居なかったもの」


「そうか…………」


「んで、これからどうすんのよ?何人かは、逃げ延びた村人が戻って来ているけど」


「これからか…………」


ルークは天井を見ながら考える。ザックが居ない今、この領地の領主は実質長男のルークが務めることになる。


「とりあえず、叔父さんに相談してみるよ」


「そう、わかったわ!じゃ、私は戻るわね!学校もあるし、あんたと違って暇じゃないのよ!」


「そうか…………色々ありがとう」


「フンッ…………」


そう言うと、フィオナは部屋から出て行き、ルークとラムザ、マリーの三人だけとなる。


「やっぱり、父ちゃんたちは死んじゃったんだね」


「「「…………」」」


ラムザの言葉に、何も言えないルークとマリー。


そして、その後ルークはザックの伯父に手紙を出して今後どうするべきかを相談した。そして、返ってきた答えがルークが領主を務めようにと書いてあった。叔父は既に、アシュレイ領を出ており、別の領地で生活していた。


【そして最悪の厄災から一か月後】


ルークはこの日、ラムザとマリーを連れて、自分の住んでいる村ではなく違う村に来ていた。帝国領と一番近いと言われる村だ。ここは最悪の厄災の日、真っ先に侵攻をうけた村だ。あのころと比べると、圧倒的に村人の数は少ない。

またいつ侵攻があるかもわからない村に住む者は少なかった。少なかっただけで、全くいないわけではない。

そして、ルーク達一行は村の中を見て回り異常が無いかを見て回った。そして、一つの小屋の前で足を止める。


【ガタンッ】


「「「…………」」」


中で何かが倒れる音がし、三人は動きを止める。


「ルーク兄様…………。あの小屋から何か音がした気が………」


「あぁ。お前達ここで待ってろ、俺が様子を見てくる」


そう言うとルークは、一人小屋の前に立ち扉を開ける。すると中には、数人の男と、手足を縛られ、口を布で塞がれている少女がナイフを突きつけられていた。


「おい、あんたらそこで何をしている!?」


「んー、んー、んー(助けてください!お願いします!)」


少女は、泣きながら必死にルークに訴えかけていた。


「これはこれは、ルーク様!このようなところで何を?」


「それはこっちのセリフだ!お前達はここで何をしている?後ろに居るその子は何んだ?」


「ルーク様!こいつはですね、ザック様を殺した帝国民です!だから、私達は殺そうかと…………」


「んー、んー、んー(お願いします!どうか、命だけは見逃してください)」


「出て行け!」


「はっ?しかし…………」


「そいつは親父達の仇でもある帝国の民だ!この俺が直々に殺す」


「んー、んー、んー(お願いします!お助け下さい!お金なら払います!)」


「なるほど!そう言う事なら、ルーク様にお任せしましょう」


男達はそう言うと、素直に小屋から出て行き後の事をルークに任せるのであった。


「さてと…………」


ルークは、拘束されて横たわっている少女の横に立ち見下ろす。そして、ルークは自身の魔法を使い小さなナイフを作った。


「物質変化・鉄の小刀(アイアンナイフ)」


拘束されている少女は、今から殺されるのかと思い、覚悟を決めて言葉すら発さない。


「じゃな、帝国の民よ…………」


【ザシュッ】

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