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あなたの知らないお笑いの世界  作者: 伝説の男前


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14/21

魔王軍四天王 誤解魔ミスアンダースタンドとの戦い

火山地帯を抜けると、一行は霧に包まれた村に到着した。村は静かで、住民たちはどこかぎこちない様子で、互いに距離を置いている。


「……なんか、変な雰囲気だな」


村の広場に差し掛かったとき、一行の前に、フードを被った小さな影が現れた。顔は見えないが、どこか不安げな声で話しかけてくる。


『……あ、あの……すみません……』


ステータス画面を確認する。


```

名前:誤解魔ミスアンダースタンド

種別:勘違い系モンスター

能力:

相手に誤解を与える

仲間同士を敵と思わせる

村人を混乱させる

特徴:本人に悪意はない

だいたい話がこじれる

```


「……本人に悪意はない、って書いてあるな」


長介がつぶやくと、ミスアンダースタンドは、おどおどとした様子で話し始めた。


『えっと……皆さんは……この村を……襲いに来た方々、ですか……?』


「いや、違うけど」


『そう、ですか……でも……さっき、村長さんが……「強そうな集団が、村に近づいている」って……言っていて……』


『……それで、村のみんな、ちょっと、警戒してるんです……』


その瞬間、村の住民たちが、一行を遠巻きに見ながら、何か武器のようなものを持って集まり始めた。


「お、おい、なんか様子が……」


『あ、あの……皆さん、敵意はない、ということを……ちゃんと、伝えた方がいいかも、しれません……』


長介は、村人たちに向かって、両手を上げた。


「俺たちは、敵意ありません!」


しかし、ミスアンダースタンドが、なぜかその発言に反応した。


『……あ、「敵意ありません」……それって……「これまでは敵意があった」っていう意味、ですよね……?』


「いや、そういう意味じゃなくて――」


『村のみなさーん!この方々、「これまで敵意があった」って、言っています!』


「ちょっ、待って、それ違う――」


村人たちが、一気に警戒レベルを上げた。


「な、なんでそうなる!?」


『す、すみません……僕、そういうつもりじゃ……でも、皆さんがそう言ったので……』


クラスメートたちは、混乱しながらも、何とか誤解を解こうとする。


「いや、俺たちは旅をしてるだけで、この村に危害を加える気は――」


『あ、「危害を加える気はない」……それって、「危害を加える方法は知っている」っていう意味……ですよね……?』


「だから、そういう意味じゃない!」


『村のみなさーん!この方々、「危害を加える方法を知っている」って、言いました!』


「言ってない!!」


村人たちは、ますます緊張を高めていく。さらに、クラスメートの中からも、戸惑いの声が上がる。


「お、おい、長介……これ、まずくないか?」


「お前ら、誰の味方なんだよ……」


『……あ、「お前ら」って、誰のことですか……?村の人たち、ですか?それとも……仲間の方々、ですか?』


「仲間に決まってるだろ!」


『……「決まってる」って……決めつけてる、ように、聞こえました……みんな、この人、決めつけが激しいって、言ってます……』


クラスメートたちが、お互いに「お前、俺のこと、決めつけ激しいって思ってたのか?」と、戸惑いながら見合い始める。


長介は、これまでの戦いとは全く異なる困難さを感じていた。論破も、肯定も、説得も、ミスアンダースタンドの「誤解を生む能力」によって、すべてが歪んで伝わってしまう。


「……これ、何を言っても、悪い方向に変換されるパターンか」


長介は、しばらく考えた。そして、あえて、何も「主張」しないことにした。


「……ミスアンダースタンド」


『は、はい……?』


「お前、今、何が起きてるか、わかってるか?」


『え……どういう……意味、ですか……?』


「俺たちが何か言うたびに、それが誤解されて、村の人やクラスメートが、どんどん混乱してる」


『……あ……』


「お前は、悪気がないんだろ?」


『はい……本当に、悪気はないんです……ただ、皆さんが言ったことを、そのまま……伝えてるだけで……』


「でも、その『そのまま伝える』っていうのが、お前のフィルターを通った時点で、何かが変わってるんじゃないか?」


『………………え?』


長介は、ゆっくりと続けた。


「お前が伝えてる内容、俺たちが言ったことと、ちょっとずつ、ニュアンスが変わってる。それは、お前が悪意を持って変えてるわけじゃないと思う。でも、結果として、誤解が生まれてる」


『……そう……かもしれません……』


「だから、お前が何か『伝える』前に、一回、俺たちに直接、確認してみてほしい」


『……確認、ですか……?』


「うん。『これは、こういう意味ですか?』って」


ミスアンダースタンドは、しばらく沈黙した。


『……わかりました……えっと……「敵意ありません」というのは……「最初から、敵意はなかった」という意味、ですか……?』


「そうだよ」


『……「危害を加える気はない」というのは……「危害を加える方法も知らないし、加える気もない」という意味、ですか……?』


「そう」


『……「お前ら」というのは……「自分の仲間」という意味で、悪い意味は、ない……ですか……?』


「そう。仲良くしてるだけだよ」


ミスアンダースタンドは、村人たちに向き直った。


『村のみなさん……すみません……僕、さっき伝えたこと、間違っていました……この方々は、最初から敵意はなく、村に危害を加える気もなく、ただの旅人だそうです……』


村人たちの緊張が、少しずつ緩んでいく。


「……あ、誤解、解けたか?」


「みたいだな……」


ミスアンダースタンドは、深く頭を下げた。


『……ご迷惑をおかけして、すみませんでした……僕、これからは、ちゃんと、確認するようにします……』


```

誤解魔ミスアンダースタンド:戦闘回避(誤解解消)

備考:確認プロセスの導入により誤解生成能力を無効化

```


長介たちは、誤解が解けたことに安堵しつつ、村を後にすることにした。


「……今回、本当に大変だったな……」


「うん……自分たちが言ったことが、どんどん変な方向に伝わって……」


長介は、少し疲れた様子で言った。


「……コミュニケーションって、本当に大事なんだな」


「どういう意味で?」


「いや……何かを言うとき、相手がどう受け取るか、ちゃんと確認しないと、簡単に話がこじれるんだなって」


クラスメートの川村が、苦笑しながら言った。


「……長介、最近、説教くさくなってきてない?」


「そ、そんなことないと思うけど……」


村を出た後、一行は、これまでの戦いを振り返った。


「……今回、めちゃくちゃ疲れたけど……『確認する』っていう作業、ずっとやってたよな」


風属性を持つクラスメートが、何かに気づいたように言った。


```

新スキル開放:風属性・笑いのツボ「間を読む風」

備考:相手との「間」やコミュニケーションのズレを察知し、調整する力

```


「……風って、流れとか、タイミングのことなのかもな」


嵐山と岩田の「間を大事にせよ」という言葉が、改めて思い出された。


一行は、霧の中を進んでいく。霧の向こうには、これまでとは異なる、巨大な気配が二つ感じられた。


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