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セイの授業とシュリの頼み


 あれから3日後、俺は非番を利用して訓練に付き合ってくれるセイと訓練所で向かい合っていた。



「今回は私がアンナ様の授業を仰せつかっています、リン達からは魔力の研鑽と絶掌を習得したと聞いていますが…今回は実戦形式で移動術をお教えしようかと思います」


「はい、よろしくお願いします。…実戦形式というと星戦を行うのでしょうか?」



「そうですね、仮想空間内ノアで行っても良いかもしれませんが魔力を感じ取るなら現実世界で行った方がやり易いかと」



確かに、仮想空間ノアでも問題なく星武器が使えるが現実世界の方が魔力オドは感じ易い。



「分かりました、では…」



「…何か違和感を感じませんか?」


「そう言えば…魔力の密度が濃い?ような…」



「正解です、星戦の際に生じるフィールドは世界に溢れる魔力(オド)で形作られます。それ故に普段瞑想等で感じ取る時よりも密度が増します」


「なるほど、では何時もとは少し勝手が異なるのですね」


「はい、ただレイとハクから学んだ事を忠実に守っていればアンナ様なら直ぐに慣れるかと……話が逸れましたね、では始めましょう」


「ッ…」



言うが速いか、リンとほぼ同じ速度で一瞬で間を詰められ棒術による突きを見舞われるが何とか躱す。

セイからしたら様子見程度の一撃だったのか、はたまた俺の歩法が覚束無いからか動きを止めた。



「……ふむ、そういえば“空歩”を多少使えるのでしたね。」


「“空歩”…リンやシュリ、そして貴女が使う不思議な歩法ですか?」


「なるほど…その言い方だと見よう見まねで扱っているのですね、…では今更感はあるでしょうが原理を説明致します」




見よう見まねだった歩法の原理が漸く勝たられる事に期待してる俺が居る。


俺も前世では少し武術を齧った事があるが、歩法や足捌き、体幹のバランスの取り方といったものは地味ではあるが重要視されるものだからだ。



「よろしくお願いします」


「“空歩”の原理ですが既にアンナ様は無意識にしていますが魔力を用いた歩法です。」


「はい、それは存じています。ただ、私の魔力だとリン程速く動けません…魔力が少ないのは自覚していますが」



「確かに空歩は魔力の量も左右されますがそれはあくまで“距離”に関係します、アンナ様、魔力の研磨を御自身の脚で試した事は…?」


「あ……いえ、試した事はありません」


「では、今一度御試しを。きっと今までよりも速く移動が出来ます」



なるほど、確かに魔力を用いるなら魔力を練り上げ研磨した状態ならより速く動けるだろう。



「分かりました。──…!」



結果、俺は2km程セイから離れた位置で立ち尽くしていた。


(いや、距離に関係するって…俺の魔力量って実は割と多いのか?)



「移動速度だけならリンと同等…でしょうか、ただ、覚えたてという事もあるようで研鑽に時間が掛かる御様子、無意識下でも出来るようになればより高みを目指せるでしょう」


「先は遠い…ですね…」



一々意識しながら魔力を練り上げさせる程対戦相手も間抜けではないだろう、ハクが魔力の研磨を自由に出来るようになったらA級っていう言葉の意味が良く分かった。



「魔力を感じ取る“眼”を養えば地上だけではなく空中や水面を走る事も可能です、空間を歩くと書いて空歩ですから」



眼、か…この場合は魔力を肌で感じる才能か?



「凄いですね、まるで瞬間移動みたいです」


「……2000年以上前から連綿と続いてきた、とある流派に伝わる技の一つですから、ね」


「セイ…?」


まただ、実際にはセイではなくレイだったが…誰かを懐かしむ様な視線に首を傾げる。



「…いえ、何でもありません。予定を変えて今日は後10セットフィールドの端から端まで空歩で移動しましょう」



「は、端から端まで…ですか…!?」


目視だが10キロ位はありそうな距離を…5人の教育係の中で1番熱血なのはセイかもしれん。


◆❖◇◇❖◆


 夕方、特訓を終えて自室で一人休んでいると扉を3回ノックされた。


「どうぞ」


「お邪魔しまーす、アンナ様!」


「シュリでしたか…どうかなさいましたか?」


 何時もと変わらない飄々とした様子で部屋に入ってきたのはシュリであった、てっきりリン辺りが来たのかと思ったが。


「いえいえ~、ちょっとした身内の紹介といいますか~、アンナ様のスケジュールを再確認しにきたと言いますか~…」


「…?私のスケジュール、ですか?明日明後日は丁度休暇日ですね、明後日は例のパーティのドレスを仕立てて貰うためにレオナと一緒に街に出ますが」


「ふむふむ、なるほど~…そしたらアンナ様?明日一日だけシュリちゃんにお時間をくれませんか?」


「それは構いませんが、何をするおつもりですか?」


 シュリが改まって日程を確かめたり、時間が欲しいと強請ってくるのは珍しい、俺は訝しく思いながらも問い掛ける事にした。


「ちょっと偉い人と個人的なお話をして欲しいんです~…パーティが始まる前に話したいそうなんです。ルドルフ学園長が」


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