第一章 13 『それぞれの想い』2
よく考えれば、セリアがティスを連れ帰ってから、ティスはセリアの家にかなり長く住んでいることになる。軍隊に管理されていた期間を除けば、大体四、五年ほどになる。
そこは彼にとって唯一「家」と呼べる場所だった——その家主はいつも彼をからかって楽しんでいるけれども。
「でも、せっかくここまで来たんだし、自分の症状もついでに解決しておくか。」
「症状?何の症状だよ、俺は別に病気じゃ——」
「強がること、人に知られたくないこと、他人が近づくのを嫌がること、わざと冷たく振る舞うこと——お前の症状だ。もう一度言い直す必要があるか?」
「…………ぐっ。」
セリアの一針見血な言葉に、ティスは言葉を失った。彼は顔をそらし、自分があまり気まずくならないようにした。
するとセリアは、何かを見透かしたような笑みを浮かべ、ティスに肩をすくめてみせた。
「お前ももうすぐ大人になるっていうのに、まだ子供みたいに口だけで強がってる。私が言わせてもらえば、この学院で気に入った女の子を何人か見つけて、そうして——」
「う、うるさい!何言ってんだよ?」
セリアの意味不明な言葉に、ティスは顔を赤らめ、大声で叫んでから顔をそらし、遠くの景色を見ているふりをした。
「別にいいじゃないか。何せお前の最初の目的はそれだったんだろ?それとも……何か人に言えない変な趣味でもあるのか?」
「お前だって年頃のくせに、子供みたいに幼稚だな?それに、普段からお前みたいなスタイルのいい人間ばかり見てると、正直飽きてきたんだよ。」
セリアがからかうように言うと、ティスは心の中で不快に思いながら反論した。
「お?まさか姉である私に対して性的な感情を抱いてるのか?お前がそんな見せられない趣味を持ってたなんて、本当に驚きだよ。」
セリアは何かを見抜いたかのように、意地悪な笑みを浮かべ、片腕をティスの肩に乗せ、同時に体をティスに密着させた。
「ちょ、何をどう理解したんだよ?それに、いつまで経っても俺を弟扱いするな!俺は認めてないぞ。ちょっと、体を寄せすぎだって、胸が当たってるんだよ!おい、離せよ!本当に気持ち悪い。」
セリアがさらに密着すると、ティスの体は硬直し、呼吸までもが一瞬乱れた。
「いいじゃないか。姉弟ってのはそういうものだろ。それに姉弟で一緒にお風呂に入ることもあるんだぞ。今の俺たちのはただの肌の触れ合いだ。」
おそらくからかうことで満足したのか、セリアはティスの肩に乗せていた手を離し、少し横にずれた。
「俺のことはさておき、なんでお前は学院に来てからまるで生まれ変わったみたいなんだ?正直、別人みたいだぞ。普段お前がこんな冗談を言うかよ……」
「うーん……どう言えばいいのかな。私も少しは変わったのかもしれない。」
普段とは違うセリアを見て、ティスは思わず疑念を抱いた。
「でも問題はそこじゃない。明日は一日代講を頼む。」
「この学院には他の講師はいないのかよ……いっそ教員免許を取ってくれよ。学生に代講させる講師がどこにいるんだよ。それに、明日は週末だろ?なんで授業があるんだ?」
明日も授業があると聞いて、ティスは焦り始めた。
「お前、その時聞いてなかったのか?授業で言っただろ。この前の授業の進度が遅れていて、その内容が重要だから、補わなければさらに遅れる可能性がある。だから週末に一日補講をするんだ。」
「はあ?そんな話、全然聞いてなかったぞ。」
「お前はあの時寝てたからな。聞いてなくても当然だ。今、教えた。」
ティスの疑問を説明し終えると、セリアは振り返って立ち去ろうとした。
「待ってくれ、お前は何しに行くんだ?」
「私?帝都でちょっとした用事を処理しに行くんだよ。だからこの制服を着ているんだ。出発は今夜だな。」
セリアは今、帝国魔導士の制服を着ていた。明らかに軍の任務だった。
夜の出発、軍――これらの言葉は何か秘密の任務のような印象を与えた。普段のティスは物事を深く考えたりはしないが、今の状況には何か変な感じがして、胸の奥に何かが詰まっているような感覚があった。
「それで、どうやって帝都に行くつもりだ?馬車なら少なくとも三、四日はかかるだろ。」
「最初は学院の転送陣を使うつもりだったんだが、なぜか使えなくてな。だから軍の方の単方向転送陣を使って帝都に行くつもりだ。ついでにこの制服も着ているわけだ。」
「じゃあ、学院で代講できる者は他にいないのか?」
「いないことはないんだが……ほとんどの講師は明日休みで、学院長も他の用事で学院にはいない。明日残っているのは、門番と俺たちのクラス、そしてジェイロス先生くらいだ。」
ジェイロスが学校に残ることを知ったティスは、一瞬彼に代講を頼もうかと考えた。
しかし考え直すと、ジェイロスの性格はどうにも掴みどころがない。もし彼に代講を任せたら、クラスで何が起こるか分かったものではない。そう思って、ティスはすぐにその考えを打消した。
その時――
「あら、セリア先生もここにいらしたんですね。」
屋上の階段の扉が開き、そこに現れたのは、いつも一緒にいる二人組だった。一人は笑顔で、一人は少し緊張した様子だった。
「おや、二人ともか。こんなに遅くまで帰らないでどうした?」
「いえ、別に――」
いやそうな顔でカルアの後ろに立っていたエリーナは、ティスがいるのを見て足を止め、そのまま引き返そうかと思った。
「あ、実はエリーナがこの前の内容の一部がどうしても分からなくてですね。本来ならティスくんに聞こうと思っていたんですけど――」
「ちょ、ちょっと待って、カルア!私はティスに聞くって言ったわけじゃないよ!ちゃんとセリア先生に聞こうと思ってたんだから!」
エリーナは慌ててカルアの口を塞ぎ、言わせまいとしたが、時すでに遅しだった。
「おや?魔法の名門のお嬢様にも分からないことがあるのか?それは驚きだな。よし、同級生として、仕方なく教えてやろう。何せ俺の知識は豊富だからな。」
自分に質問したがっているのに言い出せないエリーナを見て、ティスはすぐに別の態度に変わった。ただし、それは他人の問題を解決しようという態度には見えなかった。
「だからお前に聞きたくなかったんだ。説明がめちゃくちゃか、難しすぎるかのどっちかだし……」
「はいはい、落ち込まないで、エリ。これからは才能と魅力にあふれたティスくんが指導してあげるよ。」
「だからお前に聞きたくなかったんだって……ちょっと待って、エリって誰だよ!私の名前はエリーナだ!間違えるな!」
「うーん~聞かない~聞かない~聞かない~」
「何で子供みたいな駄々をこねてるんだよ――?!」
幼稚な行動をするティスを見て、エリーナは心の中で怒りが込み上げてきた。
その様子を見ていたセリアは思わず笑みを浮かべ、静かにその場を去っていった。
「あいつは一体何なんだよ――」
エリーナはついにティスに質問した時の屈辱を乗り越え、今はカルアと連れ立って帰路についていた。
ただし、二人が学校を出たのが遅かったため、今の大通りはかなり空いており、エリーナの愚痴が通り中に響き渡っていた。
「私にはカルアがどうしてあんな奴にそんなに穏やかでいられるのか分からないよ。あいつは完全に無神経なんだから。」
「うーん……ティスくんは結構優しいと思うよ?それに、よく気がつくし。」
「私には全然そうは見えないよ!あいつ態度が違いすぎるんだから。」
エリーナは今にも爆発しそうな勢いで拳を握りしめ、かなり怒っているようだった。
「はあ、本人の前でそんなこと言われると、さすがに傷つくな……」
二人の背後から誰かの声が聞こえてきた。
「ふん!とにかく、あんな奴を簡単に許すわけにはいかない。どうせ――」
何か言い続けようとしたエリーナは突然止まり、振り返って見た。
「よっ!」
「……で、なんでお前がついてきてるんだよ?」
振り返って見ると、後ろにいたのは他ならぬティスだった。
ティスは前に歩み寄り、二人と同じ位置に並んだ。
「知らなかったのか?お前の家と俺の家、同じ道なんだよ。早く知ってたら、もっと景色を楽しんでから来たんだけどな。」
「誰が知るかよ!今から引き返しても間に合うだろ!」
エリーナは振り返ってティスに向かって叫んだが、ティスは頭を掻きながら気にしていない様子だった。
「お前の考えがさっぱり分からないよ!どうしてあそこまで差をつけるんだ?せめて人の目ってものがあるだろ!」
「前に言っただろ?カルアは可愛い、お前は態度がでかい、それだけだ。」
「そんな理由で納得できるかよ!」
二人は道中で言い合いを続け、その間に挟まれたカルアは苦笑いを浮かべるしかなかった。
「まあまあ、家まで送ってやるよ。あまり感謝しなくていいぞ。」
「お前が何を考えてるか分かったもんじゃない。それに普段からカルアにやけに優しいけど、まさかカルアに変なことを考えてるんじゃないだろうな?先に言っておくけど、カルアに近づくのは許さないからな。」
「……本当に傷つく言葉だな。でも、お前たちみたいなガキには興味ないよ。」
「な、何だって?ガキだって?」
「もちろん、そうじゃないなら何と呼べばいいんだ?」
ティスにそう呼ばれて、エリーナの心の中の怒りはさらに燃え上がった。
その時――
「ふふ。」
カルアが突然意味深な笑い声を漏らした。
先ほどまで言い合っていたティスとエリーナは、何が何だか分からずに戸惑った。
「……どうしたんだ、カルア?」
「うん、二人がこうしてるのを見てると、なんだか懐かしいなって。」
「懐かしい……?」
迷っている様子のカルアを見て、ティスとエリーナは思わず彼女の方を見た。
「覚えてる?五年前に、私がエリーナの家に来た時のこと。」
「確かにそうだったね。でも、どうして今急にその話をするの?」
エリーナはなぜカルアがそんなことを言うのか分からなかった。
そしてカルアは何かを懐かしむように、ぽつりと言った。
「五年前、エリーナはいつも私と喧嘩してたよね。」
「あ、あれは……あの時は私がまだわがままで、カルアが何かにつけて私に反抗してるように思えて、それにカルアはすごく卑屈で、すぐに泣いちゃう子だったし……でも確かにあの時は私も子供だったから、カルアの気持ちを理解できなかったんだ……」
エリーナは少し申し訳なさそうに指を弄りながら言った。
「でも、二年前のあの出来事の後、エリーナはずっと私を守ってくれているね。」
「……だってあの時、私はカルアを失いかけたと思ったんだ。」
「あの時エリーナは私を抱きしめて、ずっと泣いてて、『もうどこにも行かせない』って言ってたよね。」
「……うっ。」
「それに、謝りながら『これからは私が守る』って言ってたっけ。今思うと、なんだか懐かしいなあ。」
カルアは気まずそうにしているエリーナに向かって、優しい微笑みを浮かべながら言った。
「うん……確かにそうだね。でも、どうして今その話をするの?」
「だって、さっきのエリーナがまるで私を守ろうとしてるみたいだったから。」
その時エリーナは、さっき自分がカルアを守るという話をしたことを思い出した。
「二……年前か。」
ティスは何かを考え込むように、思索にふける表情を浮かべた。
エリーナもティスがずっと自分たちの横にいて、この会話を全部聞いていたことに気づいた。
「ちょっと待って、カルア!私たちの話を全部こいつに聞かせちゃったよ!」
「ふふ、大丈夫だよ。」
不満そうなエリーナをカルアがなだめていると、ティスは自分の考えを続けていた。
「ねえ、カルア。」
「どうしたの?ティスくん。」
突然呼び止められたカルアがティスの方を向いた。
ティスの視線はカルアの上で数秒止まった。その視線は彼女の顔から肩、そして指先へと移動した……そして彼の眉が微かにひそめられた。
カルアの指が無意識にぎゅっと握られたが、その表情は依然として平静だった。彼女は視線を避けるかのように少しうつむき、時折顔を上げてティスを見て、何かを確かめようとするかのようだった。
自分の友達がこんな視線で全身を見渡されているのを見て、エリーナは不満を募らせた。
「何を見てるんだよ!まさか本当にカルアに変なことをしようとしてるんじゃないだろうな!」
「大丈夫だよ、エリーナ。」
エリーナがティスを叱ろうとした時、カルアに止められた。
「何でもない。多分考えすぎだ。すまない、そんな目で見てしまって。」
「そうなんだ……でも大丈夫だよ、気にしないで。」
なぜかティスの表情には不確かなものが加わり、眉がわずかにひそめられた。
「じゃあ、ここまででいいだろう。ティスくん、送ってくれてありがとう。」
「ああ、お前たちも気をつけてな。」
三人は別れ、それぞれ自分の家へと向かった。
数時間後、廃墟となった倉庫地帯で……
月明かりが破れた屋根から斜めに差し込み、地面に明暗の縞模様を描いていた。四つの人影が、立ったりしゃがんだりしながら影の中に散らばっていた。
「確かなのか?」
【私の観察によれば、確実だ。】
「了解した。計画について他に補足はあるか?今のうちに言っておけ。後でわざわざ戻ってお前の話を聞く気はないぞ。」
低く響く声が聞こえてきて、聞く者に寒気を覚えさせた。
「おいおい、なんで全員まとめて連れ帰らないんだよ。さっさと終わらせれば楽だろ。」
「命令は明日の行動だ。時間は厳守しなければならない。」
「ちっ、またお前のわけのわからない時間ルールか。」
地面にしゃがみ込んだチンピラ風の男がそう反論すると、顔に傷跡のある黒髪の男は気にしていない様子だった。他にもう二人が立って黙っている。
今、黒髪の男は菱形の宝石のような物体を手にしており、今のところそこから情報を受信しているようだった。
【計画は簡単だ。あの女生徒を奪還するだけだ。そしてティス・セシスについては、生死は問わない。ただし絶対に彼の死体を王族の手に渡してはならない。】
「なかなか厳しいな……しかし、あの男は軍の人物に保護されていると聞くが、お前の情報は確かなのか?」
【もちろん、私は断言できる。明日あいつは絶対に現れない。そして明日は最も適した日だ。彼らのクラスだけが学院に残り、他の生徒や講師のほとんどは学院にいない。まさに絶好の機会と言える。】
「ふん、やっぱりお前らしいな。どうやらお前はあいつを相当憎んでいるようだ。」
【私が憎んでいるかどうかは重要じゃない。重要なのは彼の価値だ。この二人の価値は互角に匹敵する。】
「よし、よく聞けお前たち。あの女は必ず生きて連れ戻せ。男は生死は問わない、死体だけあればいい。それ以外の者で我々の邪魔をする者は、問答無用で殺せ。」
「あああ、本当に面倒だな。あの連中は金を払えば簡単に使えるからいいが……でもあの白髪の女は俺の好みだな。明日はいい口福にありつけるかもしれない。」
【好きにしろ。ただし死なせるな。目標人物以外はお前の好きにしていい。】
「ははは!それは気前がいいな。その言葉を待っていたんだ。」
【もう一つ言っておく。学院には一人の講師が残っている可能性があるが、気にする必要はない。必要な場合は直接殺しても構わない。】
「了解した。だがもし目標人物が現れなかった場合はどうする?」
「どうするもこうするもない。正面から駄目なら、裏からやるだけだ。二年前のようににな。」
「お前の計画が正確であることを願う。もし誤差があれば、矛先はお前に向けられる。その時は逃げられまい。」
【ははは、実に聞いていて不快だな。もしお前たちにその能力があるなら、いつでも歓迎するぞ…………ザーーーーーー】
黒髪の男が手にしていた装置を切った。
「この忌々しい狂人め。」
「はっ、俺はとっくにあいつが気に入らなかった。そのうち殺してやろうか?」
「むしろ今回の作戦が無事に終わることを祈った方がいいだろう。計画が失敗すれば、俺たちの命はそこで終わりだ。《賢者に至高の敬意を》――」
「ちっ、お前は本当に掴みどころがないな。《賢者に至高の敬意を》。」
チンピラ風の男も低く繰り返した。その声にはわずかに不服そうな敬虔さが混じっていた。
黒髪の男は菱形の宝石をしまい、他の者たちに合図を送った。四つの影は順に闇の中へ消えていき、最初からそこにいなかったかのようだった。




