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ドラゴンリング  作者: 半纏ボク
第三章 ルシファー
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トゥーロン郊外モン・ファロン

 和田継矢中尉は電話を切ると、一言を話す時間さえ惜しんで、坂井美春の腕を引いて、自分が乗ってきたMIGHTY BOY軽トラックに押し込んだ。彼の顔は今まで見たことがない程恐い表情である。

「この車を使って、まっすぐ家に帰っておとなしくしていてください。鍵は必ず掛けてなにがあっても外には出ないように……。それから、いつでも市内を出られるような準備だけはしておいてください。本当は送ってあげたいのだけれど、すぐに基地に戻らなければならなくなりました。さっきの相談の続きは、必ずあとでしますよ」

 和田中尉はそう言い切ると、MIGHTY BOY軽トラックのドアを閉めてしまった。

「ちょっと、待って。いったい、どういうこと? ワイマン伍長になにか関係があることなの? それなら、私も行くわ。私にも関係あることですもの」

「駄目だ。危険すぎる。二度も奇跡はおきないと考えたほうがいい。これはそんな生易しいことではない」

「でも……」

 坂井は力の限り抗議しようとしたが、和田中尉は迎えに来た憲兵隊の緊急車両に乗り込んでいた。


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