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トゥーロン都市要塞
トゥーロン都市要塞の中心であるオランピア地区の中央には、ひときわ巨大な建物が目立つようにそびえていた。その建物は、まわりの行政施設よりもはるかに強固に建造され、威圧的な巨大さでそびえていた。正面の入り口となっている地上からの長いエスカレータで中空二階まで来ると、全面クリスタルガラスばりの壁で取り囲まれたホールに出るようになっていた。そのホールの中では、他の市街地に比べて照明がふんだんに使用されて、まぶしい程の明かりにみたされていた。さらに、中央の光ファイバの噴水が、クリスタルガラスに乱反射して見事な輝きを放っていた。世界の荒廃した状況に希望を失った群集がこの建物を見た時に、人類の力は健在であると考えられるようにと設計されたのだった。
それはオランピア地区の象徴でもあるため、ギリシアの神々の居住するオリンポスとよく比較された。その建物こそ、安全保障軍の司令部であった。都市要塞にはドラゴンの空襲に備えるため、市内の至る所に高射砲塔が建設され、ハリネズミのように高射砲が設置されていた。市民のシェルターを兼ねる高射砲塔は、まるで第二次世界大戦中の空襲に怯える都市のようにも見えていた。




